きたかぜとたいよう未習
自分の父親は、要件を言わずに「こっちへ来なさい」と待ち構えたり、有無を言わさず「お前はいけないことをした」と家を蹴り出したりしてくる大男だった。
彼にとってそれは古き良き父の威厳なんだろうけど、軟弱だった自分は彼の気に触れるのが怖くてたまらず、対話を避け、過失を隠蔽し、心を表層的なふるまいから切り離す子どもになった。
大人になった自分は、ひとを制圧しようとする人間のことを「きたかぜとたいよう未習」という悪口で括っている。
他人は、一時的には恐怖や圧力で動かせるかもしれないが、エコに動かし続けるには内発的な動機を育むしかないよね、という素朴な実感を得られぬまま腕力や権力を握ってしまった、あの端的な童話のよみきかせのじかんをおやすみしてしまったおともだちのことだ。
幸い自分は、家族と疎遠になってからは「恋人を制圧しようとする男」や「部下を制圧しようとする上司」などの就学前教育の敗北を目の当たりにすることなく生きて来られたが、インタ〜ネットではその手の人の実在を感じることができて楽しい。
たとえば、企画を終えるたびに毎回毎回
とか早口言葉のように喚きたてるYouTuberをみると、大丈夫?友達いる?と思ってしまう。
自分が好意を示すための行動を、相手の側から、3秒で5つも要求されて、「わかわかわかわかわかりました」と動く視聴者を想定しているのだから。
くらべて昨年、マイクラの長尺企画だけで登録者を1400万人増やしたDream氏などは、さすがにその辺の機微に通じていて
と言うのである。
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