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西成にて

 中出しナナチだぜ。こんばんは。

 もう今年が終わるので、人生の分岐点ともなった西成での話をしたい。失業してどこも雇ってくれなくなり、就労移行支援施設に行くも全く芽が出なかったという話は今までしてきたと思う。親との凄まじい喧嘩の数々も。これはダメだと思い、京都の市役所を訪れ毎日が警察沙汰でいずれこのままでは刑事事件になる…助けてほしいので一旦シェルターへ入れてほしい!と言ったが、役人さんは月曜日から木曜日まで、午前10時から午後4時までやっているふれあいサロンなるものを紹介してきた。これでは意味がない。

 
 もうこれではダメだと思い、おいらはあるだけの金と持ち物を持って西成へ向かった。なんで西成へ向かったかというと本当に貧困層向けのシェルターがあるからだ。教会やNPOもあり、毎日のように炊き出しがやっている。金がなくなったらそこへ行けばいいからだ。だがとりあえずは安宿に泊まってどうにもならない現実を呟いていたら、偶然にも前の垢のフォロワーさんが仕事をくれて、兵庫の伊丹に引っ越してきて一人暮らしが出来るようになったというわけだ。

 
 西成の安宿から見える景色をおいらは忘れることが出来ない。安宿の目の前にあいりん労働福祉センターという巨大な建物が目の前にあった。といっても閉鎖されて、行き場を失った人々はその建物の屋根の下でテントを張ったりして暮らしている。仮設トイレだってある。その中でも目に焼き付いて離れないのが布団にこもってモゾモゾしている人だ。なにせ12月だ、寒いに決まっている。なのに建物の屋根の下で掛布団と敷布団だけでその人はモゾモゾし続けている。その人の人生に何があったのか知らないし、知るすべもない。だが冬になると思い出す。


 もう伊丹で暮らしてから3年目になる。まだ少し借金があるが、なんとか首がまわるようになった。今はマンションの一室でドンキの安ワインを飲みながら暖房の効いた部屋でくつろいでいる。これからどうなるのかわからない。色んな人から聞くが有事は近いらしいし、来年はより不景気になるだろう。だがとにかく西成でのこと、初心を忘れずに生きていきたい。そしてどんなにつらいことがあっても腐らずにやれることをやっていきたいと思う。では読者のみなさん、来年もこんな奴ですがよろしくお願いします。

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