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市長、教えてください!「清瀬のジェンダー平等施策について」


こんにちは。「スクエア+」編集部です。
東京都清瀬市より、ジェンダー平等に関する情報を発信しています。

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今回は清瀬市長にインタビュー! 清瀬市のジェンダー平等について聞いてきました。

<お話を聞いた人> 澁谷桂司市長 昭和49年生まれ。
自治体職員、清瀬市議会議員を経て、令和4年4月から清瀬市長。
家族は妻と小学生の子ども2人。

  ――澁谷市長、本日はよろしくお願いします。ご家庭では育児を積極的に担っていらっしゃると聞きました。ジェンダー平等の観点では、家庭内での育児や介護、家事労働の分担も重要なポイントですから、その辺りのお話も交えて伺えたらと思っています。

こちらこそ、よろしくお願いします。我が家は、上は小学5年生、下は小学1年生ですので、だいぶ手はかからなくなってきたとは思うのですけどね。妻と調整しながら、スケジュールをやりくりしていますが、調整がつかないときは大変です。私の場合は、たまたま親が近くにいて助けてもらえるものの、そうした環境にない方も大勢いらっしゃると思いますので、市が提供しているサービスをぜひご活用いただきたいですね。

市長に就任してから、子育て世代の皆さまのご負担を少しでも軽減できればと思い、さまざまな支援策を実行してきました。公立(全園)・私立(一部)保育園で紙おむつ・おしりふきの定額サービス「手ぶら登園」を導入したことも、その一つです。私自身が保育園の送り迎えをするなかで、保護者の皆さんの負担を知り、スピーディーに形にできたと思っています。時短家電の購入支援についても検討したこともありましたね。実際は東京都のほうで施策が実行されたのですが、そういった支援策もうまく活用していただけたらと思っています。私、個人的には、ガスの衣類乾燥機にはだいぶ助けられているんですよ(笑)。

清瀬市のジェンダー平等施策について


   ――それでは、清瀬市のジェンダー平等施策について教えていただけますか?
 
清瀬市は、ジェンダー平等の取り組みを他市に先駆けてはじめた歴史があります。男女共同参画センター(アイレック)の設立は、平成7年。平成18年には男女平等推進条例を制定し、男女平等の実現に向けて、さまざまな施策を展開してきました。

条例の理念を広く知っていただくことも必要ですので、小学生向けに「子どものためのガイドブック」を作成し、平成26年度から、市内の公立小学校の5年生全員に配布をしてきました。令和4年には、社会の変化を踏まえて、ガイドブックのリニューアルを実施。イラストや四コママンガでよりわかりやすく伝えています。

また、LGBTQに関する啓発活動も行っています。定期的に当事者・支援者の交流会の開催など、当事者の皆さんの理解につながるよう取り組みを進めています。

子どものためのガイドブック 4~5ページ
清瀬市男女平等推進条例 子どものためのガイドブック


女性活躍社会の実現に向けた取り組みの一つとしては、コワーキングスペース「ことりば」があります。ことりばでは今後、女性の多様な働き方や起業を支援する取り組みを強化していきたいと考えています。

また、女性デジタル人材の育成に政府が力を入れていますが、清瀬市でも令和5年度に「女性デジタル人材育成事業」を行いました。当市の取り組みの特徴は、単なるセミナーに留まるのではなくお仕事につながる取り組みを強化したことです。マザーズハローワークと連携し、実際に就労につながった方が数名いらっしゃいますので国からも一定の評価をいただいています。

今年度中にハローワークがアミュービルに移転しますので、男女共同参画センター、ことりば、商工会、消費生活センター、ハローワークが同じ建物に集まることになります。「市民協働プラザ」として連携を強化し、市民の皆さんが相談しやすい環境を実現してまいりたいと考えております。

コワーキングスペース ことりばの写真
コワーキングスペース ことりば


   ――清瀬市は、令和6年度に「SDGs未来都市」として選定されました。ジェンダー平等はSDGsの前文にも掲げられ、SDGsの全体の目的となっています。清瀬市がSDGs未来都市として施策に取り組むなかで、ジェンダー平等はどのように組み込まれていますか?

私ども清瀬市では現在、第4次長期総合計画に基づいて各施策に取り組んでいますが、長期総合計画の各施策は、SDGsの目標のいずれかに紐づけられたものです。男女共同参画センターの事業はすべて、目標5「ジェンダー平等を推進しよう」に当てはまる政策として、展開しています。

また、防災面でのジェンダー平等にも取り組んでいます。今年度は「災害時の女性、要配慮者等の支援のあり方委員会」を立ち上げました。全国各地で発生した災害において、さまざまな課題が明らかになっています。清瀬市ではどう取り組むべきか、委員会で検討を行っていただき、答申を踏まえて、対応していく予定です。

 

  ――「清瀬市男女平等推進委員会※1」では、市役所の女性管理職割合が課題として指摘されていますが、市長としてはどのようにお考えですか?

 

採用や研修は、男女とも同じ体系の中で行っています。それでも管理職割合が変わってしまう原因はなぜなのか。庁内の職員から意見を聞くなかで、産休・育休の取得が女性に偏っていたということが課題の一つであると考えています。

このことから男性の育休取得を推奨し、令和4年度には男性の育児休業取得が100%になりました。男性も育児休業を取るのが当たり前という環境が浸透してきていますので、一定の効果は期待できると思います。

また、女性が管理職にチャレンジしたいと思えるように、現在活躍している女性管理職と若手職員との対話の場を設けるなど、取り組みを行っているところです。

※1清瀬市男女平等推進委員会:男女平等推進施策を総合的かつ計画的に推進するための委員会で、市民を含む委員が市の男女平等推進施策の評価を行っている


インタビュー風景


男女共同参画センター(アイレック)への期待と清瀬市のこれから


 
  ――アイレックに対しては、どのような期待がありますか?
 
アイレックでは、さまざまな市民の皆さんが活動なさっています。それらの活動を通じて、市民の皆さんからいただくご意見はとてもありがたいと思っています。これからも皆さんに期待をしています。
今、さまざまな活動団体において高齢化が共通の課題となっていますが、これからも引き続き多くの方に参加していただくためには、次の世代の皆さんの意見も反映していく必要があると考えています。
今回、「スクエア+」がスタートし、ジェンダー平等に関する情報発信の幅が広がったことはありがたいです。さまざまな世代・立場の人に情報が届くことを期待したいと思います。
 
  ――清瀬市が、性別にかかわらず多様な人がもっと暮らしやすいまちになるために、これから何が必要だと思いますか?
 
基本となるのは、お互いの違いを認め合うことだと思います。さまざまな考え方、立場がありますが、その中でもお互いに認め合うという考え方が浸透してくれば、ある程度の課題は解決されていくのではないでしょうか。
そのために市としての啓発活動は重要だと考えています。男女平等、LGBTQについてもそうですし、例えば障がいのある方の暮らしやすさなどほかの課題についても同じだと思います。
また、市民の皆さんが「自分たちで何かをしてみたい」と思われたときに、ぜひ市民活動センターやアイレックなどに相談していただけたらと思います。適切なアドバイスをさせていただいていると思いますので、若い世代の皆さんにも、気軽にご利用いただきたいと思っています。
 
  ――清瀬がもっと暮らしやすい街になるといいなと思いました。本日はありがとうございました!



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