遠回り

なんだか曖昧な気持ちのまま
電車に揺られるのは
なんだか気持ち悪かった。

電車から逃げるように降りると、4月中旬の春!みたいな風が私の前髪を乱した。
風に押されるように私は遠回りをする時のルートに足を運んでいた。私の住んでいるところはなかなか人が少ないし、どちらかと言えば田舎だから、遠回りをするようなルートを通っても、少しの車と、一緒に電車をおりた人たちくらいしか、見当たらない。そんな夜の道を、何となく見渡した。時々寄り道をする焼き鳥の居酒屋さんの前を通ると、いつもの匂いがして、帰ったな〜って気持ちになった。いつものバイトのお姉さんは締め作業をしてた。今日も頑張ったんだな。私が中学生の時に通っていた塾に、大好きな鈴木を言う先生がいる。その先生はだいたい忙しいけど、遠回りする時はいつもその塾の前を通るから、いつも一瞬だけど確認していたから、今日も同じように確認したけど、やっぱりこの時間は仕事だったみたい。鈴木今も授業してるかな、あの文学オタクをまたかましてたらいいなって思った。おうちまでの一直線は、少し大きめの道から外れて、なんか嫌いじゃないような等間隔の外灯がいつも通り私の影を作ってくれていた。帰り道には、ガールズバンドが聴きたくなる。今日はyonigeだった。昨日はリーガルリリーだった。なんか、微妙な気持ちだけど、この心地いい風と、等間隔の外灯と、見慣れた人と、イヤホンから通るこの音と、影と歩くこの道が、結構すきだった。てゆうか、遠回りが結構すきだった。知らない街を歩くのも好きだけど、知り尽したこの地元を歩くことが何よりも好きだ。友達と世間話をしながらバカにみたいにゆっくり歩くこの道も好きだし、1人で、yonigeを聴きながら歩くこの道も、全部全部大好きだった。なんだか、こんなに心地いい気持ちがずっと続いて欲しいと思う。現実はそんな風には行かないけど(笑)

でも、この時間がなにかを見つめ直す大切な時間だから、またなにか感情が溢れる時は、遠回りをしよう。大好きなこの街と、大好きなこの音楽と。

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