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苦手なこと・初めてのことをやってみて山を越えたとき、子供も大人も成長していた。

私が1.2~5歳児に音楽とクラフトを指導してる都内のバイリンガル保育園の運動会が、きのう園児達の感動のドラマと共に大盛り上がりで終了!
準備と練習の段階では、多分どの先生も多分子供達も、きつすぎてやめてしまいたいと何度も思ったはず。
けど、大成功で終わった。
沢山の保護者様に、笑顔でありがとうを言われた。
山を越えたときに人間が成長すること・他の人に助けられてることを、全員が学んだ。
ありがとう!みんな。

実は今年の運動会は、これまでになかったいろんな試みがあって、職員の私も苦手なことや自分がやったことのないことを、裏方で沢山任された。

必要とされないなら任されない。
必要だから来るお話を断っては、他の先生の負荷も重くなるし、自分が成長する機会もないので二つ返事でお受けした。
そして、リーダーの園長先生を始め、どの先生も一人残らず、職員不足の中でとてつもない負荷を背負っての運動会準備が1か月前にスタートした。

よくもまぁ、あの状態でどの先生も倒れずに1か月体力と精神力が持ったなぁ…と思う。
子供達も大変だったはず。

特に、支援が必要な子達は泣きわめいて暴れて全体練習がカオスだった。
何かあるたび他の全員の子供達の練習が止まってしまうので、先生があと2人はいないと難しい。だけど、彼らにも泣いて暴れる理由がある。

私も何回暴れる子達のパンチが顔や目に当たって口のなかを切ったかわからない。血の味を感じ、ロッキーやんこれ、と毎日思った。
毎日、暴れて泣き叫ぶ彼らを抱きしめて、届くかはわからないけど一生懸命話をした。
彼らの中でもいろんな葛藤があったようなので、私もそれを受け止め、彼らが知らなくても一緒に闘っていた。
そういうとき、自分の無力さがとてもつらかった。

私は昔から相手を子供だからとは思わないし、正直自分も子供の頃からの延長を生きてる人間だから、子供達には人として一対一で向き合う。
保育士としていいのか悪いのかはわからないけど(たぶん悪いけど)、自分が子供だったとき、子供扱いされるのがバカにされてるように思えて1番いやだったから、心の上では対等に接することが多い。
けど何となくそれは、子供達もわかってるんじゃないかなと思う。

とにかく、毎日そんな調子だったから、本番で自分の能力で出来るかどうかわからない苦手な仕事がいくつかあることすらギリギリまで忘れていて、最後の2日で必死に覚えた。

運動会の会場は行ったこともない場所の体育館を借りてるので、当日会場入りすれば音響の機材もなにもかも全部変わってしまう。
他のいろんな秒刻みの仕事や子供達全体を見ることと並行しながら、競技と競技の間のわずかなスキマでダンスの子供達に衣装を着せてフォーメーション通りに並ばせながら、これほんと間違わずにできるんやろか?と、恐怖しかなかった。

けど、どれも出来た。  私も、子供達も。
本番の前日のリハで泣きわめいて踊らなかった子は、本番で見事なダンスを踊った。
すさまじいばかりの葛藤を乗りこえた彼女ら彼らに比べたら、私の苦手な仕事なんて正直お話にもならない。
今までさぼって人任せにしてきたから苦手になったんやろ?というだけのお話である。
よくやったよ! みんなカッコいいよ!  全員大好きや。

英語で書かれた進行表をカンニングしながら競技の順番通りに子供達を入退場させ、脱走した赤ちゃん達を追いかけて走り回り、並ぶところや衣装を間違った子供達を直して回り、泣き出した子をサポートして回り…
そして、クライマックスのパラバルーンではフィリピンの音響担当の先生と音響を交替し、ショウをぶち壊しにしないためにも絶対に間違ってはいけない音響操作でじっとり緊張の汗をかき…

でも、出来た。そして、沢山の人達にいっぱい喜ばれた。
なによりも、私の1番好きな… 子供達の成長のドラマにたずさわれた。

恐怖と緊張しかなかったという割には、元々ずっとライブパフォーマンスしてきた音楽アーティストの私だから、どうしても本番では笑顔とショウマンシップが出てしまう。
パレードや入場では泣いてる赤ちゃんを抱き抱えながら客席の保護者様に満面の笑みで手をふったり、入場音楽のアースのSeptemberにあわせて抱っこした赤ちゃんをなだめながら歌って踊りながら入場したり、本能だからどうしてもそうなる。

気づけばいつも、ミュージシャンと保育士の両方の視点で物事や会場の進行を見ていることに時々気づき、それは面白かったな。
そして、私はほんとにエンタテインメントが好きなんだと思った。

まぁ、こんなだから保育の愚痴と悪口をつぶやいてる匿名の保育士さん達のTwitterアカウントからは絶対にフォローやフォロバされないし、そういう同業の方からは絶対いいねつかんし、一般園では保守的な保育士さん達にはいじめられてたんだろうな。

(いじめのことは、私は違うことに興味があって全く気がついてなかったんですが、新しく入った先生達や若い男の先生が「怖い」「ひどい」「自分はいくよ先生みたいな人と仕事がしたいのに」とドン引きして私を心配してたから、ほんとやめといた方がいいですよ。
見る人達はちゃんと見てるから、やってる人達にやってるという自覚がなくても名指しで悪評が広まります。
実際に他園の方から「あの園の先生は…」と聞いて、私がびっくりしましたから…)

成長できる環境で、より自分が成長して子供達をサポートできる責任のある役目につけて、ほんとに良かったと思った。
苦手なこともいっぱい覚えて、常に自分が成長しないといけない。
だから、新しいことに挑戦して葛藤している子供達の気持ちもわかる機会がある。

だけど、前の園やこれまでの勤務先での経験がなければ、こうは思えなかっただろうな。
そういう意味で、私をいじめていた先生達(…と、いじめられてたはずの当の私が気づいてなくて他の先生達から聞いて知りましたが…)には特に、素晴らしい大事なヒントや学びを頂けてメンタル最強にして頂き、感謝してます。

その先生達は、お一人お一人が私にないものを沢山持った素晴らしい保育者の先生達だったのに、理不尽な仕事が多すぎて大変だったんだろうなぁ…
保育者としての知識や能力が私より高い先生ばかりだっただけに、ほんとにもったいないことなので、いま考えると切ないし、心が痛む。

たぶんどこの園でもあることなので、これどうにかならんのやろか。
先生同士が足を引っ張りあったり潰しあってたら、新しい先生が入っても業界に失望して辞めてしまうと思う。心ある良い先生が特に、辞めてしまう。
そこの先生達がどんなに否定しても、正直これまでもいつもそうだった。
保育園の質が落ちたり人手不足になる原因は、これだけではないけどこれは大きいと思う。

ひとつ山を越えたから、このあとは前回の記事に書いた「これをダメ元でトップにお話ししてみよう」を、実行します。9月中に。

これを書いてる間に、すさまじい台風が来て、その方が今心配。
皆さま、お互いに気をつけましょう。

     Ikuyo Matsubara 


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