垂直偏波って?

ADS-B信号のアンテナを改良するにあたって、やはり電波やアンテナのあたりを感覚的に理解したいなぁ、とモヤモヤしている。この「感覚的に理解する」ってのが、究極的で難しいことなんじゃないかとも思うのだけれども。

「まず教科書読めよ」とも思うのだが、一応自分も光学設計者の端くれ、直観と妄想(と、ネットサーフィン)でどこまで迫れるか、記録してみる。
特に、

■そもそもADS-B電波の”垂直偏波”って、どういう感じ(?)なのか?
■アンテナの長さと波長の関係 ←長くなったので、次回に。

が、最近ぼんやり考えている事。で、

■電波が”垂直偏波”しているということ、とは?

偏光については、ある程度理解しているつもり。そこから考えると、これは、乱暴に言えば「地面に対してp偏光」と言えるのか。
電波的に?言い換えると、地面に対して垂直方向な電場変化を与える波。

そもそも偏光って光の進行方向に垂直な面(等位相面)と対象入射面の関係で定義するのだから、極端な話、航空機が真上にいたらどうなるのよ、という話になる。地面に対して垂直に伝搬する光に対して、地面に対する垂直な偏光成分は定義できない。というかゼロだろう。
→まあきっと放射強度がとても弱くなっているのだろう。同様に、垂直偏波を捉える仕様のアンテナでは、アンテナの真上は原理的に感度が無いのだろう。
まあ、そもそも衝突防止用の信号なので、真上や真下に放射する意味はあまりなさそうだし。

ちなみに、高高度を飛行する航空機からの電波は、地面に対してかなり”斜めに”偏光しているんじゃないか、とも一瞬思ったが、違うと納得できる証拠写真があった。こないだH-IIロケットの打ち上げを観に行った時に撮った写真。

ロケットは大気圏外まで高度を上げて飛翔するのだが、地球の丸みのおかげで、最終的には水平線へ向けて下がっていくように、見かけでは見えるのだ。つまり、このロケットから来た垂直偏波の電波は、「ほぼ地面と垂直な偏光で」観測者に届きそうだ。
まあそんな極端でなくても、100[km]離れててたかだか高度12[km]の仰角なので、そこまで傾かない。アンテナ、地面への入射角が45°になるのは、水平に12[km]離れているとき。これは十分近いから電波強度が大きいから何とかなるのだろう(うちのアンテナはその程度の距離の航空機をキャッチしている)。

ここまでは感覚的に理解できていた気がする話。

ちなみに、FM放送は、多くが水平偏波なんだそうだ。
え、じゃあなんでよく見るFM受信機(ラジカセ的なやつとか、ポータブルなやつとか)はアンテナが垂直なんだろう。愛車ミニのラジオアンテナも垂直に立ってる。まあ反射やら何やらで偏光が回って、何となく受信できているのかな。未考察&未調査。

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