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公衆電話

「6B鉛筆が必要なんだ」
娘が夕方ポツリといった。
4Bではなく、6Bが必要なんだと
担任の先生が言っていたらしい。

仕方なく親子で小学校前の文房具店まで行った。
学校指定のものが揃う、この文房具店に行くのは久しぶりだ。

ふと見ると店の前に公衆電話があった。

5年前に隣の市で誘拐事件があり、公衆電話で助けを求めて助かったということを思い出した。

「公衆電話の使い方、知ってる?」
子供は首をふった。
箱に入った公衆電話を不思議そうにみている

「箱をあけて、受話器を外してから
この十円をいれて。
そのあと番号を押すんだよ」
一通り体験してもらっていると小学校の校門をでるクラブ終わりの子供たちは不思議そうに
我々をみている

私が子供の頃は当たり前の光景だったけれど
この公衆電話を使う姿をみるのは初めてだったのかもしれない。

最後に硬貨をいれなくても110番、119番できることも伝えた。
この経験をせずに済めばいいと思いながら。

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