変えられなかった運命はこの先もずっと背負っていかなくちゃいけない。でもこの先の運命は自分次第でいくらでも変えられる。
時々刺さる言葉というものがある。
タイトルは2018年8月13日の小林由依のブログタイトルの引用だ。
直接的な内容は、欅坂46のメンバー(当時)だった今泉佑唯に向けられた言葉だ。ゆいちゃんずとして歌唱する機会も多かったふたりの「ゆい」の結びつきは想像以上に強固で刺激的なものだったのだろう。復帰してから『ガラスを割れ!』で代理のダブルセンターを務めるなどこれからを嘱望されていただけに、自分の意志で巣立って行ったゆいちゃんずの片割れの卒業は、小林由依にとってその想いを背負っていく決意をさせたものと思われる。
しかし、それ以上にこのタイトルは含蓄に富んでいて好きだ。
色々あった欅坂。カリスマへの賛美とグループの停滞に情緒不安定な集団心理も相まって抜け出せない袋小路を、忘れ去りたい過去の記憶として切り捨てると言うのは簡単だ。しかし、実際は簡単に変われるものではないし、変える必要があるものと変わってはならないものがある。スクラップアンドビルドで何でもかんでもぶち壊せば良いものではない。どんな人であれ、過去からの積み重ねという名の制約条件の中で悪戦苦闘しながら新たな自分を創り出していくほか無いのだから。
節目節目の断絶に通底している精神の連続性を人間らしさと呼ぶなら、その人間らしさをしっかりと見逃さない人でありたいと強く思うのであった。
終わり