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私の推し、揺らぐ。

私には2年前からドはまりしているバンドがある。
熱しやすく冷めやすい私は、同じ人達を2年も推し続けられていることに
自分でも驚いている。
そんな彼らの2周年記念ライブに、先日参戦した。
その日、私の推しへの思いが”ぐらっ”と揺らいだのである。

メジャーデビューはしているものの、ライブのチケットは取りやすく、
ありがたいことに落選したことはまだない。
遠方からの参戦だったため、前のりして、周辺の観光も楽しんだ。

会場に入って早々、今回は整理番号がだいぶ後ろの方だったことに気づく。
まあ、参戦できているだけ幸運だと思い、毎度のように好きなメンバーの
立ち位置側に寄って、開演を待った。

開演時間になっても始まる様子はなかった。
今までの彼らのライブは定刻通り始まっていたと思っていたから、
少し違和感を覚えたが、10分ほどすると、会場BGMが止んだ。
開演の合図だ。

メンバーはお客さんエリア後方から登場した。
通り道にいたお客さんたちの歓声でメンバーが登場したことはわかったが、
ステージに上がったのか、私にはわからなかった。
会場が平場なために、見えなかったのである。
普通にショックだった。
私はこのままメンバーの顔も拝めないまま2時間過ごすのかと。
まあ、声が聞こえるだけありがたいか、と思うことにした。

何曲か演奏があった後、MCの時間になった。
彼らのMCは毎度グダグダであり、会場の雰囲気が気まずくなる。
今回は2周年のお祝いだし、そんなことないだろう、と思っていた。
私が甘かった。
3年目は何がしたいか、をメンバー1人1人に聞いていき、
急な質問だったにも関わらず、それぞれが面白い返答をした。
私は、みんな面白いこと考えてるじゃん、と思っていたのだが、
ボーカルはそうは思わなかったらしい。
「次の部ではもっとちゃんとした回答が聞きたいな」
みたいなことを言っていた。(このライブは1日に2公演開催された)

えっ、私はこの部しか見られないんだけど、、、
みんな答えたんだからいいじゃん。
そんなことに挑戦していきたいね~で。

そんなこんなでまた数曲の演奏が始まる。
お客さんの位置も少しずつずれてきて、
前のお客さんたちの頭の間からメンバーの姿が見られるのが
とても嬉しかった。
幸福に浸っているのも束の間、
私の前に立っていた同じくらいの身長の女性と
その右隣(私から見ると右斜め前)に立っていた少し身長の高い男性が、
立ち位置を交換したのである。
女性が見にくそうだから、という男性の配慮もわかるが、
そしたら後ろの私はどうしてくれんねん!!
その男性が前に来たことで、私の視界は一気にその男性80%になった。
隙間からなんとか前を見ようと必死だったわけである。

またMCの時間がやってきた。
毎度MCの進行をやるのが嫌だ、とボーカルが愚痴り始めた。
不穏な時間の始まりである。
メンバーみんながボーカルに任せっきりになっているのが嫌らしい。
ボーカルの意見もわからなくもないが、
原因はメンバーの喋らなさにもあるのではないかと思う。
ボーカルが話を振ったところで、スムーズな返答はない。
もう少し練習でもしたらどうだろうか。
そこで、ほかのメンバーからMCを始めてみようの時間になるのだが、
どれもいまいち盛り上がりに欠ける。
とてつもなく反応がしにくいのである。
いちいちボーカルの言葉にトゲが感じられ、
私は何を見せられているんだ、と思わずにはいられなかった。

初めてライブで聞いた曲もいくつかあり、
演奏の面では満足感を得ながらのライブ終演となった。
余韻に浸りながら帰路に就いた。

2部も終わり、アルバム発売記念のツアー開催が発表された。
随分先のこともあって、予定を気にする部分もあったが、
純粋に会いに行きたい、と思えなくなっている自分がいた。

メンバー同士のやりとりの取り繕わなさを残念に思ったのだろう。
メンバーは仲がいいもの、と私が勝手に期待したのがいけなかったのかも。
彼らは、いい意味で包み隠さないから、何も間違っていないのかも。
それをどう受け取るかは、ファン側に委ねられている。

せっかくのお誕生日なのに、
ファンみんなでハッピーバースデーでも歌いたいな、
とか勝手に思ってたくらいなのに。
泣きそうだった。

曲はどれも聞き心地がよくて、好きなものばかりだ。
しかし、あんな感じのMCを見るために5000円も払えるか。
CDだけ買って楽しめばいいのではないか。
まあ彼らも成長の途中なのかもしれない。
次のライブはお休みしようかな。
でもアルバム買っちゃったしな。
あれこれ考えながら、私はまた彼らの曲を聞いてしまう。

こんなにつらつらと書いたのは、
決して彼らのことが嫌いになったからではない。
彼らを非難したいわけでも全くない。
ぼっち参戦ということもあり、わかってもらえる人がいないこの感情を
どこかにぶつけておきたかっただけである。
後味の悪いライブ、ある意味人生初の体験である。貴重だ。

・会場が平場だったために、メンバーがほとんど見えない。
・女性ボーカルの声がほとんど聞こえない。
・MC中の空気が不穏。
・話があまり盛り上がらない。
・2回目のMCタイムで挽回しようとするメンバーの心がみえみえ。
・終演後のボーカルの「安心してね ♪」の「♪」が逆に怖い。




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