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わらしべ長者に学ぶ「人が成長するときに大事なこと」/昔話「わらしべ長者」

れんこんnote 053


昔話「わらしべ長者」あらすじ

 昔、一人の貧乏人がいました。
 観音様に願をかけたところ、「初めに触ったものを、大事に持って旅に出なさい」とのお告げをもらいます。
 男は観音堂から出たところ、石につまずいて転び、1本のわらしべをつかみます。

 男がわらしべを持って歩いていくと、大きなアブがまとわりつくので、アブを捕まえてわらしべの先に結び付けます。
 すると、大泣きしていた男の子が、アブが結び付けられたわらしべを欲しいと言います。
 わらしべは観音様からいただいた大事なものでしたが、わらしべを男の子に譲ります。
 すると、お礼に蜜柑を3つもらいます。

 さらに歩くと、喉の渇きに苦しんでいる商人が蜜柑を欲しがるので、蜜柑を譲ると、上等な反物をお礼にもらいます。

 さらに、急病で倒れた馬と反物を交換したところ、馬が元気になります。

 さらに、旅に出る人に、馬を借りる代わりに、3年たっても戻らなかったら屋敷を譲ると言われます。
 田畑を耕しながら3年、5年と待ちますが、屋敷の主人は戻らず、男は屋敷の主人となり、裕福な暮らしを手に入れました。

昔話「わらしべ長者」を、人が成長する話と読んでみる

 昔話「わらしべ長者」の話を、単に運のいい人のお話と読むのも、観音様を信じたお陰であると読むのも、単純すぎてあまり面白くありません。
 そこで、「わらしべ長者」の話を、人が成長する話と読んでみることにしました。

 「わらしべ長者」の話は、男が石につまずいて転ぶところから始まります。
 ここが大事です。
 転ぶ、すなわち失敗することが、成長の始まりになります。
 
 どうやら、一番大事なことは、「失敗したときつかんだものを大事にする」ことのようです。


 ところで、「わらしべ長者」の男がつかんだものは、わらという価値があるかどうかわからないものでした。
 しかし、男はわらしべを、観音様からいただいたものとして大事にします。
 失敗したときつかんだものが大したものと思えなくても、大事にしたほうがよいようです。


 次に、男はどうしたでしょうか。

 男は、大事にしていたわらしべを子どもにあげてしまいます。
 蜜柑も反物も馬も先に与えてしまいます。
 見返りがあるから与えたのではなく、差し上げたところ、お礼をもらうのです。
 ここが重要な点です。
 差し上げることによって、新たな出会いが生まれました。

 二番目に大事なことは、「大事にしているものを人のために与える」ことのようです。


 さらに、男の行動を詳しく観察してみましょう。

 男は、様々なものや人との出会ったとき、素っ気ない態度や欲張りな態度を取りません。
 絶えず出会いを大切にしているようです。

 幸運の女神の後ろ髪はないと言います。
 後になってからあのときの出会いを大事にしておけばよかったと思っても、後の祭りです。
 「わらしべ長者」の男は、どの出会いも軽く扱わず誠実に対応しています。

 三番目に大事なことは、「出会いを大切にする」ことではないかと思います。

 人が成長するときに大事なことは、
「失敗したときつかんだものを大事にする」
「大事にしているものを人のために与える」
「出会いを大切にする」
の3つ
ではないかと、昔話「わらしべ長者」の話から読み取ってみました。

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