音楽家の功績♡C.P.E.バッハ編
Chère Musique
電車の中の音大生
いつだか忘れたくらい以前に、とある日の電車内、
「なぁ、バッハの息子のひとりがさぁ」
「うん?」
「なんかスペシャルな本、書いてたじゃんか」
「あぁ…」
「何だっけな、あれ」
「あれだろ? 作曲以外にもなんかの研究で有名な息子…」
「そぅそぅ…」
「こないだの○○の授業で聞いたヤツな」
「それ!」
「何だっけ?」
「忘れた… でも大事な話な気がする」
「ん〜〜…」
隣に座っていて、面白く、辛かったです。
もう少しで「あのね、、」と、なりそうでした。
たぶんどこかの音大生男子ですね。がんばれー!
それはね、鍵盤楽器の指使いの本です。
バッハの息子たち
バッハには息子がたくさんいて、有名な音楽家である人も何人かいます。
息子たちの時代は、音楽の歴史の変化の時期。
彼らは活躍していたので、今とは逆に、あの大バッハは「バッハたちのお父さん」と言われるくらい地味な存在でした。
驚かれた人も多いのでは?
今はバッハといえばヨハン・セバスティアンで、「あ、息子、いたんですね?」くらいですもんね。
次男C.P.E.バッハ
その中の初めの話の人、彼は次男。
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハといいます。
C.P.E.Bach の方が字面は見慣れてるでしょうか。
肖像画はとても優しそうですね。
第一の功績は、アマチュア音楽愛好家のために書いたたくさんの短い鍵盤楽器曲。
とってもステキで、弾いていて楽しいです!
第二の功績は、
『クラヴィーア奏法の真の芸術についての論評』
『Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen』
当時の鍵盤楽器奏法の最高の教科書と言われてました。
その中の一番初めに書いてある「指使いについての99ヶ条」!
これが読み物としても、おもしろいのです。
お父さんの話なども出てきます。
件の音大生が忘れていたのは、その話だと思います。
指使いの本
私ももちろん原書の内容を直接読んだわけではなく、他の音楽書の中で一部分が訳されてあるものを読んだのですが。
当時は鍵盤楽器自体が今とは全然違い、ピアノが発明されたばかりでまだあまり浸透しておらず、奏法も今のピアノとは体の使い方が全然違うので、今の自分の演奏のために即効知識として求めるなら、ちょっと違うでしょう。
でも、長い目で見ると、
バロックを弾くとその後の曲も上手くなる
↓
バロックについて知りたい
↓
今のピアノでバロックらしさを出すには?
↓
チェンバロやオルガンで弾いてみたい
↓
どう弾くとそれらしくなる?
↓
……
などなど、こういうことを考えたり勉強したりすると、すごく演奏者として成長出来ることは間違いないです。
そんな時には、次男!
作品からも本からも、とってもステキな鍵盤楽器の先生だったことがわかります。
Musique, Elle a des ailes.
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