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根無し草


根無し草

自分の生き方をひとことで表すとしたら
根無し草だなと思う。

安定を求めるくせに、ある一定の時間が過ぎるとここでは無い何処かに自分の居場所があるのではないのか、いや無いのではないのか
そこを掘り下げることが怖くて 根無し草のように生きてしまう。


仕事も無理して頑張る割に身体をこわして限界だなと思うとあっさりやめ、次のお仕事モードが来るまで繭に籠る。
仕事でつくりあげたその場の人格を剥がすようにぐうたらな自分に戻る。
ときたま、どの自分がほんまやっけ?と自嘲する。

その場にあった明るく人懐こい自分、仕事の愚痴を言う自分、いかにも常識を知っているかのように偉そうに人を批判する自分、大丈夫だよと人を慰める自分、仕事できる風に見せようと墓穴を掘る自分、全部演技のようで全部自分。

自分自分と振り返りも自意識過剰だなと、意識を外に逸らそうとあがいたり。


結局は暇なのだと、エイっと外に散歩にでる。


道端の雑草や、アスファルトに落ちたセロファンのゴミや小川のキラキラひかる水面や、ゆっくり歩いているお爺さんや目に映るものをただ観察していたら気持ちも晴れてまた次に根を張る土をさがしに流れるだけだなとあきらめる。


あきらめるけれど、納得と小さな希望を心の奥にしまう。
そうやって生きていく。


根無し草はわりかし弱くてまあまあ強い。

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