初対面 2

　初めての抱っこは、美しいジャズの旋律を弾くような感動だった。でも、抱っこしていると、手に少しずつ温もりが感じられる。彼は僕の心にもその温もりを広げてくれた。

　初めてのおむつ替えは、少々テクニックを要する作業だ。このタイミング、この手の動き、この強さ。ほんの少しのバランスが、美しいハーモニーを作り出す。失敗すれば、最悪のジャズソロが爆発する可能性も。

　初めてのミルクは、まるでバーテンダーがカクテルを作るような感覚だ。正確な計量、適切な温度。彼の満足する顔を見ると、自分がマスターバーテンダーになった気がした。

　そして、初めての寝かしつけ。まるで、彼を眠りへと誘うジャズのバラッドを演奏するようだった。そっと体を揺らし、彼が眠りに落ちるまで待つ。この瞬間は、音楽が最高潮に達した瞬間のようだ。

　というわけで、あっという間のような、とても長かったような一日が終わった。昨日まで生きていた自己中心世界は終わり、子育てというハードなワンダーランドがスタートした。

　あの「寝て気づいたら朝だった」という夜は、しばらくお預けのようだ。代わりに、夜中のミルクタイムやおむつ替えのライブパフォーマンスが始まる。
しかし、これからの日々は、新しいジャズのセッションのようなものだろう。少しズレたリズムや失敗もあるかもしれない。でも、それが新しい音楽を生み出す。

　明日の朝までのライブセッション、息子とのデュエットが待っている。そして、妻が「おむつ替え、君のソロだよ」と言った時、僕は笑いながら応じた。「もちろん、このブルージーなソロを楽しむつもりだよ」。新しい人生のジャズが、今、始まったばかりだ。