付け焼き刃で勉強してみました

‪素朴な疑問ですが、にっくさんは、1962年に拘りがあるのでしょうか?引用された文献は全て1962年のものでした。‬

1960年前後は、第二次世界大戦の影響で、連合軍の占領下に置かれた国では壮絶なレッドパージが行われています。‬また、白鳥事件は詳細がよくわからないのですが、一方で共産党を嵌めるための公安による自作自演した菅生事件や拷問による自白で共産党を犯人に陥れた青梅事件といったことも行われています。下山事件も、当初は共産党が疑われています。これについては、時代背景を鑑みると「どっちもどっち」という気がします。

ソビエト共産党と日本共産党との関係性にも目を向けなければなりません。当時、冷戦最中で共産主義国家は国際的に連帯を余儀なくされていました。ソビエト共産党から見ると、日本共産党の地位は低く、フルシチョフ秘密報告の開示対象にも入っていません。また、アメリカとの冷戦を混沌とさせるための「捨て駒」として51年テーゼ(文書)を発表させられた嫌いもあります。

また「共産主義の目指すもの」についての解釈も非常に荒削りだったものと思われます。

自分は、高校時代にマルクスの「資本論」の序文しか読んでおりませんので、勉強不足は否めませんが、一方でマックス・ヴェーバーが「すべての権力は暴力によって裏付けられている」という言葉がこの世界の真理である以上、一部の性急かつ純真な人々が暴力「革命」という言葉に魅力を感じ、飛びついたことについては心情的な理解はできます。

しかし、エンゲルスは、民主主義が熟成していくなかで、こう述べています。

“普通選挙権がこのように有効に利用されるとともに、プロレタリアートのまったく新しい一闘争方法がもちいられはじめ、その方法は急速に発達をした。(中略)ブルジョアジーと政府は、労働者党の非合法活動よりも合法活動をはるかにおそれ、反乱の結果よりも選挙の結果をはるかに多くおそれる、というようになった。そのわけは、この点でも、闘争の条件が、根本的にかわってしまっていたからである。あの旧式な反乱、つまり1848年までどこでも最後の勝敗をきめたバリケードによる市街戦は、はなはだしく時代おくれとなっていた。”(「フランスにおける階級闘争 序文」1985)

1950年頃、共産党は一時的に分裂していました。暴力革命を推進しようとする「所感派」と、平和革命を目指す「国際派」です。一時期は「所感派」が勢力を持ち、51年テーゼに至るわけですが、1955年には「武装闘争を"誤りのうちもっとも大きなものは極左冒険主義である」として自己批判をし、撤回しています。

にっくさんが出されたのは、1962年の「綱領集」に掲載されたもので、当時の綱領ではない、ということがわかりました。

また、前述の通り1950年の日本共産党は、分裂していました。もっとも「所感派」が多数を占め、結果暴力路線に走り、議席を失ったため路線変更をやむなくされたのであろうということは想像に難くありませんが、とはいえ、共産党も政党です。議席を得てなんぼです。同じく轍を踏むほど馬鹿ではないと思います。

北方領土がソ連領である、という主張を一時期していたがその後撤回、という点については、自分の推測に過ぎませんが、スターリン死後、日本共産党独自の動きが可能になったこと、また、共産党の優先順位的に、アメリカの沖縄に対する不法な占領状態を放置して北方領土問題を取り上げるのは、順序が違うだろう、日本の国権を回復するためには、まずアメリカの占領状態をどうにかしてからだろう、という問題意識からのものだと記事を拝読して感じました。これについては、自分としては矛盾は感じません。

実際、現在も日本はアメリカの傀儡政権です。そこに一番鋭く切り込んでくれているのは共産党だと思います。

また「方針転換の反省や説明もない」という点については、党大会で行われているのかもしれません。それは、党員ではないと流石にわからないのではないでしょうか。赤旗は機関紙ではありますが、扱っている記事は党のPRではなく、綿密な取材に基づいた政治トピック、社会記事、文化面など、全国紙に引けを取らない紙面構成となっています(電子版は取っています。将棋の新人王戦のスポンサーなので)

ですから、その一点を持って「不誠実だ」と断定するのは些か早計に過ぎるように思えます。

また、説明、自己批判、自己否定を公にするかどうかはさておき、日本共産党はロシアとも中国共産党とも袂を分かち、独自の進歩を遂げているように思えます。これについては、素直に評価したいと思います。

共産主義や計画経済についても、自由主義経済、新自由主義経済と同様に経済学界では研究が進んでいます。そうしたことも踏まえ、日本共産党は進化しているように思えます。

ここ2時間くらいの付け焼き刃の知識でお恥ずかしいところですが、以上がにっくさんのTweetに対する自分の所感です。

御一読頂ければ幸いに存じます。

なお、自分の持論は「純粋な資本主義も純粋な共産主義も、単独では機能しない」です。

お目汚し失礼いたしました。




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