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新作漫画、タイトル決定冒頭4ページネーム編

こんにちは、いくたはなです。
佐渡島さんとの新作漫画作り編も3回目になりました。
今回はネーム編。

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前回のnoteでは全体のストーリーを決定し、佐渡島さんから4ページネームを書く上でのゴーサインをいただいた。

ネーム…ネームか〜
いつものようにすぐ、描きます!と返事をした。

あーーーーーっネーム…わたしあんまりネーム描かないんだな…ネーム…嫌いではない…改めてネームというとどうしたらいいのかわからない…ネーム…ネームかーーっっ

しかも冒頭4ページは超大事だ。ここで面白くないと読まなくなる。最近気に入った漫画のほとんどは4ページ毎に面白い引きが入っていた。

わたしもせめて4ページめくらいは続き気になる!な出来上がりにしないとな〜と思った。

はい!考えてください、面白い冒頭4ページ!
考えろと言われて考えられる頭の出来はしていない。ぼやーっと他のことをしているときにポワッと浮かぶのだ。わたしは。

そういえば意図的にいつアイディアが生まれるのか意識して生活してみた。
そしたら共通点が出てきた。
わたしの場合は皿洗い、風呂に入る、シャワーを顔に浴びる、だった。
水が身体に触れているときがほとんどだ。
この時を意識的に過ごしてみよう。アイディアが出るかもしれない。

ちなみに水が触れてアイディアが出る作家さんはかなり多かった。Twitterでかなり大物な先生方も水に触れている時ふとアイディアが湧くようだ。

わたしは図のイメージもわいても、まずテキスト化する。

やはり皿洗い中にアイディアがきた。
以下、当時のメモそのまま貼り付けます。

4ページ
※縦スクですが一応ページがある、として区切るとこんな感じ。

①ページ
千絵の家(実家)
千絵の部屋
部屋に貼られる要項、貼り紙
※漫画コンテストに応募しようとしているのがわかるような情報を数コマ

いいですか、先生!(文香セリフ)
はひ、(千絵左側配置)

千絵さんコンテストまであと1ヶ月、
作品作り頑張りましょうね!


②ページ

描きたい作品のイメージ…ありますか、

千絵を中心、部屋全体を見渡す球体カメラで撮ったように。漫画尽くしでやや狂気染みてる部屋
※イメージで漫画のことしかなく。収入のない漫画家の部屋をつくる。

そわそわそわ 落ち着きない千絵。オドオドしている。

ずっとソワソワもじもじしている千絵。ふー…文香のため息にびくつく千絵

※千絵の対人が苦手なのもあるが2人が組んだばかりである雰囲気を描きたい

あ、あ、あの
俯きながら
左手で左耳上を押さえて顔を傾けつつ、髪の毛に手を滑り込ませ、引っ張ってるといいかも。
カリカリ
※手汗を描きながらノートに何か描き始める千絵、頭にポンと出てくる画像をつい書きはじめてしまう。
鉛筆✏️で。

③ページ

えっとぉ、イメージというかむかし描いた作品をなおしたくて。目つきや、髪を引っ張る手、文字を書く手のコマ

カリリカリリ、

むかし…っていつ頃の?こないだSNSにあげてた作品?

中学生の時の作品なんですけど…

※わたしみたいに打ち合わせ中のことをメモしている。話したことをノートに書く。
意識が飛んでるようなまとまりのないメモのとり方。

鉛筆で 
ガリガリガリガリ ストロークの音が大きくなり、鉛筆の先がどんどん割れていく、芯が割れていき破片がノートにひろがる
※ここまで千絵の表情は描かない

そのノートを描く千絵全体の様子を不安そうに見る文香の顔 小さめ、セリフなし

ミシィ
ついに芯全体が根本から折れる

上下2コマ並べて視線を鉛筆から千絵の方に向けていく文香を描く。2コマ目ハッとする文香。
※驚きの表情。驚く種類としては、ギョッとする感じ



大きく使う。1ページ使う感覚

アオリの顔
まず、先刻のオドオドした様子がない、人が変わったかのような千絵。

読ませたいやつがいるんですよ


※すごく表情が死んでてこわい。

書き込まれた日にちと時間をノートにメモしてある
※手元からアオリにする。鉛筆で手が汚い
アイコンの模写 彼岸花。



↓タイトルは鉛筆書きで殴り書き
殺意ありありと描く
毒花のアンチ


※描く上で気をつけることやポイント
①文香と千絵は一切視線が合わない。正確には文香は視線を合わせようと視線を千絵に向けるが千絵が人の目線に合わせられない。
千絵は高校から極度に人が信じられなくなっている。また、家に閉じこもることが多いので人と触れ合うことが少なかった。そして、千絵と文香はまだ組んで日が浅いので。

②千絵の仕草
おどおどし、変わったタイプの人間であることを描く。髪を引っ張ったり特にとる必要のないタイミングでメモを取ったり。暗いもの(アンチで苦しんだ過去)に囚われている雰囲気を出す

4ページに入れておきたい情報。
主人公たちが漫画家と編集であるということ。漫画家がアンチに暗い過去を抱いていること。そのアンチのアイコンが彼岸花であること。タイトル。



タイトルは
【毒花のアンチ】どくばなのアンチ
毒花…彼岸花の別名

彼岸花の情報
死人花(しびとばな)や地獄花(じごくばな)、毒花(どくはな)などと呼ぶこともある。花言葉、赤色:情熱/独立/再開/あきらめ/悲しい思い出/思うはあなた一人/また会う日を楽しみに。


タイトルには彼岸花、とそのまま使おうとはじめは考えましたがどうしても死のイメージが強く、毒気のある物語でもあるので毒花、としました。彼岸花の花言葉は情熱だったり、思うはあなた一人だったりなかなか作品に合ってる花だなと思いました。


毒花のアンチは①アンチのアイコンが彼岸花であること=文香のことと②彼岸花のアイコンのユーザーに強い嫌悪感や恐れ、反発心をもつ千絵自身であるという意味合いを込めました。


今回、自分がこのメモ良かったなと思ったのは
セリフの後にどんなふうにキャラにセリフを喋って欲しいか入れたことにあったと思う。どんな様子でどんな風に喋るか。  
千絵のセリフなんかはおどおどしてる様子、落ち着きなく自分の紙をさわり、次第に興奮し髪の毛を強く引っ張る様子は自分がよくやってしまう行動だがより、リアルかなと思った。キャラに演技させるってこんなところから始まるのかもしれない。

キャラクターは紙に描いてあるだけの段階では実際どんな人間なのかわからない。わかりやすくどんな人間なのかわかってもらうためややオーバーに演技させる必要があるんだなと改めて感じた。

さて、やるか。
まずはページ数のイメージを持つために横めくりでいったん描く事にした。
完全にメモのようなものだ。

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