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アイドルの接触、不当に高すぎる?

長年オタクをやってる自分でも、年に数回「アイドルの接触、不当に高すぎでは」と疑問がよぎることがある。

そういう時は大抵、いつもいい感じに接触する子が、その日たまたま彼氏と喧嘩したか何かで虫の居所が悪く、対応が塩だったのでそれに軽く病んでしまい「高すぎる。」となるが、1週間も経てばその事実を忘れてまた課金している。

というのを十数年繰り返しているのがオタクである。


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最初に「握手1回1000円」という価格を設定した人は商売の天才だし、アイドルの特典会にチェキを初めて導入した人はなかなかの策士だ。

超有名人でもない限り、握手1回1000円は明らかに高いが、それに原価50円くらいのチェキをくっつけることによって無形の思い出が有形のモノに変化し、安く感じてくるから不思議である。

アイドルはモノを売ってるわけじゃない。形のない体験を売っている。なので価格の妥当性というのは、そのメンバーの対応によって担保され、ときに高いと感じたり、安いと感じたりする。

たとえば、地下アイドルなら1分くらいお話して、チェキにサイン書いて1000-2000円。

この価格に客が納得してるかどうかで、列の長さが決まる。

列が長い子は客の現在の欲求(その場を楽しんでもらうこと)にしっかり答えながらも、ついでに未来の期待(もう一回並べばもっと仲良くなれそう)まで売っている。

逆に特典会の列が短い子は、価格と同等かそれ以上の価値を提供できてないということになる。

一見オタクは、気前よく金を払うカモだと思われることが多いが、一般人よりコスパにうるさい人種であることは当のアイドルにはあまり知られていない。

アイドル本人は「オタクは自分のことが好きだから会いに来てくれる」と思ってることが多いが、その実オタクは「そのアイドルが提供してくれる楽しい時間」にお金を払ってることが多いので、いくら自分磨き(自分の価値を高める努力)を頑張っても客はなかなか増えない。客が増えるのは、楽しい時間を一緒に過ごしてくれる子だ。


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元はライブのおまけとして始まった接触だが、今では主従が逆転し、接触の巧拙によってライブの動員数が決まったりする。

アイドルにおける接触とは、営業活動である。
テレビなどに出る機会があるメジャーアイドルと違い、地下アイドルに関して言えばある程度の規模までは営業努力(=接触)が大事というのは知られた事実である。

客が並ばない理由が顔や容姿だけということはほとんどなく、列に人が並ぶのは正しく営業努力ができてるかどうかによる。

最近だと効率的に有名になれそうだからという理由でSNSを頑張ろうとする子が多いが、SNSのタイムラインは一つだし他の子と比較され放題なので、よほど顔面に力があるか、企画力がないとライバルに勝つのは難しい。

この子はこの1ツイートでフォロワー6000人から一気に3万人に増えたらしい。水着になるかどうかは置いといて、単純にフォロワーという数だけに着目するならこれくらいのインパクトがないとSNS上で注目されるのは中々難しいかもしれない。

アイドルを含め、いわゆるインフルエンサー業の人たちを見て思うのは、SNSで存在感を出せるのは「心のパンツが脱げる」人たちだ。良いことも悪いことも未来永劫ネットに残る、というリスクを引き受けてやれる人たちなので、ネットで話題になりやすい恋愛や政治の話が実質的にタブーとされている普通のアイドルが戦うには分が悪い。

逆にリアル特典会のメリットは、女性慣れしてないオタクに強引に自分の魅力を伝えられることにある。大半のオタクは女性に慣れてないので、ちょっと強引に営業をかければ割とファンはつきやすい。

手っ取り早く客をつけるならガチ恋営業に徹しろと仲が良い子には言ってるけど、ガチ恋にさせてオタクを放置するのは、病ませるだけなのであまりお勧めしない。

この動画でゴマキが語るレベルのファン対応は難しいと思うが、しかしファンの心を一瞬で掴んで離さない、というのはつまりそういうことだ。

今のアイドルは、自分たちのありとあらゆる行為や価値をアンバンドリングして換金しているので、昔より自由なファン対応がしづらくなっているのかもしれない。



というわけ特にオチはないのですが、これから今年最後のオタ活してきます。今年はコロナのせいでアイドル、オタクにとって大変な年だったと思います。

皆さま良いお年を。


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