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アイドル現場のマナーがいつまでたっても向上しない理由

「空気の読めないガヤ、その場の雰囲気にそぐわないガヤをやめてくれ」というのは、戦時中の日本政府と言ってることが同じなんですが、空気を読めってアドバイスは空気を読める人しか聞けないので、ほとんど無意味です。

アイドル現場にくる人たちのなかには、あえて空気をよみたくない人たちが一定数混じります。現代では日常から空気を読むことを強要されているため、そのストレスを解消するために休日に合成麻薬ストロングゼロを飲みながら絶叫する光景が東京の地下対バンでは多く見られます。(なんでエンターテイメントでやってるのにサンドバッグにされないといけないのか!と憤るアイドルの方もいるかもしれませんが、芸能やアートの役割については語ると長くなるので別の回に譲ります)



アイドル現場では定期的にオタクのマナー問題が噴出します。多いのはライブ会場における過剰なコールやヲタ芸に対する批判です。裁判になったりもしてます。

オタクのマナーやモラルに関する議論は今に始まったことではなく、これまでも多数のアイドルやオタクから指摘がありました。

いろんな人種が一同に集まる場だからこそ、当然いざこざが起こります。いざこざが起こっても各現場でクリアしていけばいいだけなんですが、最近はSNSで「現場にこんなオタクがいて、非常に理不尽な思いをした」みたいな投稿が目立ちます。

告発するのは自由なので勝手にどうぞって感じなんですが、このオタクの告発ツイート、ほとんどの場合筋が悪いというか、「それって結局自分が気持ちよくライブ見れなかったって話なだけでは?」みたいなのが多いです。そして、多くの場合「最低限のマナーを守りましょう」みたいな結論で終わりがち。

なぜいつまで経っても現場のマナーが向上せず同じ議論が繰り返されるのかというと、マナーやモラルの基準が人によって異なるからです。

日本にはほとんど日本人しかいないので、マナーやモラルは均質化されてると思いがちですが、実際はそんなことありません。地方のマイルドヤンキーと、都会でバリバリ働くOLが考えるマナーはおそらく異なります。

会社だったら面接でスクリーニングできるし、お店だったら客単価を高く設定することで呼びたくない客層をコントロールすることもできますが、趣味の現場は特に様々な人種が集まりやすくなっています。中卒・大卒・地方出身・都会出身・障害者・犯罪者など、様々な人がごった煮で存在するのがアイドル現場なので、画一的なマナーを相手に求めれられるかというと難しいでしょう。

そういう状況において、「最低限のマナーを守りましょう」「モラルを持った行動を」というのは、実質何も言ってないのと同じです。ルールは明文化した上で、運用することが現代では求められます。

それに対応するかのごとく、最近のアイドル現場ではレギュレーションがめちゃくちゃ細かくなっています。運営もなるべく責任を負いたくないので、ルールが細かくなる傾向にあるんだと思いますが、ルールが増えすぎると現場に自由な雰囲気がなくなり、だんだんとつまらなくなるので、初期に楽しんでいたヲタクは去っていきます。現場ではよく見かける光景です。

少数の声のでかいクレーマーにどこまで対応するのか、というのは極めて難しい問題だと思います。仮にそのクレームが理不尽であったとしても、早めに対処しないと、SNSで拡散されて要らぬ誤解を受けてしまうからです。

まとめ

オタクのマナーが悪い問題を解決するには、ルールを明文化し、違反者を罰する、くらいしか落とし所はありません。逆にルールに書かれてること以外は迷惑をかけない限り自由にやっていいと思いますが、これを許せない人たちもいます。ルールを守りましょうというのは言えますが、ルールに書いてないことをやられてムカつくという人は、他人に期待し過ぎかも知れません。

アイドル現場を自由に楽しむコツは、人に期待しないこと。これだけです。人に期待しなければ、うるせえなとは思っても、そこまでムカつくこともないです。あと自分が楽しめるように運営に文句を言うのは自由ですが、それよりも運営がルール化していない部分、グレーゾーンをどうやって楽しむかを考えるほうが建設的だと思います。


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