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放射線治療のデメリット

前回は、「放射線治療のメリット」についてご紹介しました。
そして、今回は、「放射線治療のデメリット」についてお話します。

放射線治療のメリットは、①局所治療であること、②形態や機能の温存が可能であること、③仕事をしながら通院治療が可能であること、をご紹介しました。

では、放射線治療のデメリットは・・・

①毎日通院する必要がある。
②副作用がある。
③放射線治療した部位は、再度放射線治療できない。

です。それぞれについてご紹介します。

①毎日通院する必要がある。
 放射線治療は、治療部位に応じて、1回で照射する放射線量と、照射回数を決定します。一般的には、1日1回の放射線治療を実施しますので、照射回数分通院する必要があります。また、予定の照射回数を全て実施することが放射線治療を成功させるために重要です。それは、治療部位に応じて、がん治療に必要な放射線量が決まっているからです。一般的な放射線治療では、25回から38回程度の通院を要します。しかし、近年では、乳がんや前立腺がんの放射線治療では、1回の放射線量を少し増やし、照射回数を減らす治療が可能となってきました。
 例えば、一部の乳癌の放射線治療であれば、25-30回程度が、16回-20回程度になっています。前立腺がんの放射線治療でも、38-39回程度が、5回〜28回程度と少なくなってきています。
これによって、通院の負担も軽減されてきていると思います。

②副作用がある。
 放射線治療も、その他のがん治療と同様に、「副作用」があります。
 代表的な放射線治療の副作用としては、放射線を照射した領域に生じる皮膚の変化です。皮膚がかゆくなったり、熱感、発赤がでたります。夏に日焼けした時のことをイメージするとわかりやすいかもしれません。皮膚の近くのがんを治療する場合は、ある程度の皮膚の副作用を許容しながら、がんに放射線をたくさん照射する場合があります。その場合は、強い放射線皮膚炎が生じる場合があります。
 治療する部位によって生じる副作用も異なりますので、医師に必ず確認しましょう。

③放射線治療した部位は、再度放射線治療できない。
 放射線治療は、一般的に1度放射線治療をした部位に再度放射線を照射することはできません。それは、体内のそれぞれの臓器には、放射線を照射して良い量が決まっているからです。
 初回の放射線治療の詳細情報(放射線を照射した範囲と放射線量など)がある場合には、同一部位であっても、再度放射線治療を実施できる可能性があります。1回目と2回目で放射線治療を受ける医療機関が違う場合は、放射線治療の担当の医師に以前、どの部位に放射線治療をしたら教えてあげてください。

今回は、「放射線治療のデメリット」についてご紹介しました。
放射線治療のデメリットは、「がん」のある場所によってもかわります。
しかし、最近の放射線治療は放射線を集中的に照射することが可能となり、副作用がほとんど生じずに治療できる患者さんも増えてきました。もし、がん治療の選択肢として「放射線治療」の話をお聞きなられていないのであれば、放射線治療の話を1度お聞き頂ければ幸いです。

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