THE FIRST SLAM DUNK の感想

期待してたものとは違ったな、というのが1番おおきな感想

予告動画や既に視聴した人のほんの少しの感想などは見ていて、「リョータのこと言ってる人多いな」とは確かに思っていた。思ってはいたけども、主役がリョータだとは思わなかった。
声優が総入れ替えされ、フルCGという点に加え少し前に制作陣のことでプチ炎上していたものだから観ようかどうか悩んでいた。CGは何しろ肌に合わない。ヌルヌルしていて2次元なのに3次元的な滑らかさが気持ち悪く感じたり、なにしろ顔が人形みたいで嫌だから。ただスラムダンクは映像を見る限り、顔が原作に限りなく近くてかなり違和感がなかったことが観ようと思えた理由の一つでもある。
前情報ほぼ無し、インハイを描いた映画になるということくらいしか知らないで見に行ったわけだけど、firstって付くくらいだから前後編か三部作くらいにはなるのでは?という期待もあった。今の所ないみたいだけど。

本編はと言うと、リョータの過去からいきなり超絶盛り上がる山王戦始まって最初の「あ〜」が出てしまった。いきなり試合に身が入らない。まあそもそも今までの彼らの軌跡を振り返らずに最後の試合が始まるんだから、突然放り込まれた感は拭えなかった。

原作をただなぞるだけのものをつくるのはそそられない。リョータのことはもっと描きたかったし、新しい視点でやりたかった。(かなりの要約です)
「THE FIRST SLAM DUNK」パンフレットより

井上先生がインタビューで答えられている通り、リョータに7割くらいフォーカスが当たってる映画だった。
私はリョータの過去について掘り下げられたのは、描かれてこなかった彼のことを深く知れたこともあって興味深くはあったしもちろん蛇足だとも思わない。
そしてなにより、試合終盤の追いつけ追い越せの流れからの、花道と流川のハイタッチ(ロータッチ?)のシーンはやはり込み上げてくるものはあった。劇伴も良かったし、にべもなく批判に値する映画だとは言わない。
しかし私が原作ですきだったシーンやモノローグなどもかなりカットされた部分も多かった。山王のメンバーのキャラクター、丸男のエピソードマルっとなかったり、冒頭の練習で相手チームのゴールにダンクかましたシーンがカットされたり、神奈川の戦ってきた他校のメンバーの応援やらがなかったり、花道と流川の衝突事故、花道の好きです、書き出してみるとかなり削られてるのを感じる。

そういった「細かい描写」を削ってリョータの生い立ちと山王戦の熱い部分に絞った映画だった。原作がだいすきな私は物足りなさが拭えないし、言葉を濁さずに言えば期待してたものとは違ったなという感想。ここまでカットされてるなら、むしろあんま原作知らん人のが映画は別物として面白く見れるんじゃないか?とさえ思えた。
熱くなったシーンはあるし興味深い話もある、しかし物足りなさもめちゃくちゃある。これを人にすすめるかというと多分勧めない。特に原作がすきで既に映画に不安持ってる人には。大体の流れを知ってる人なら観たら面白いと思うよとは言える。手放しで賞賛はできないなぁと思った。要所要所では!!ちゃんと見所もあったんだけども!!

そんな感想。

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