poison③事件までの経緯(共通パート)
プロローグ、それぞれのキャラクターシート目標をお読みになってからこちらにお進みください。
共通パートなので、プレイヤー二人で読み進めることも可能です。
『この週末、別荘に止まりに来ないか?サチコが失踪していることで情報交換したい』
テルヲからの唐突な連絡が、ピスコとミツキのもとに届いた。
二人はテルヲと会いたくなかったが押し切られて仕方なく週末テルヲの山奥の別荘に行くことになった。
サチコはピスコの妹でテルヲの恋人。
一年前テルヲがサチコの親友ミツキに手を出した。テルヲとサチコは喧嘩をして一旦は別れたものの結局復縁。テルヲはサチコにプロポーズした。
しかし、ピスコとミツキと別れ、友人関係に戻った。
サチコが消息を断ったのは一ヶ月前。
その直前、両家の結婚前のあいさつの席で、サチコはテルヲ両親から結婚を強く反対された上に暴言をはかれた。
サチコの親も娘の行く末を心配し、結婚は反対し、傷心のサチコは書き置きを残して姿を消した。
【事件当日】
12:00
雨に濡れたピスコとミツキがテルヲの別荘に着いたが、ミツキの顔色は青ざめ、口を押さえていた。
別荘番に用意させた昼食を『いらない』と断ったミツキは肩からさげたかばんを胸元に抱え込んだ。
ピスコは『ミツキは車に酔った。途中、何度もトイレに駆け込んでいたから休ませてやってほしい』と頼み、車酔いではなく二日酔いだ、とミツキは訂正した。
そこで昼食は13:00からにして、テルヲは二人に別荘内を案内した。
南側中央の玄関の先には2階へと続く階段。南西側は台所があり、外へと出られる勝手口がある。台所の北側に食堂。玄関階段の東側には東南側にトイレと風呂、ミニバー、奥の北側には別荘番の部屋がある。二階は階段を中心に3部屋。西側がピスコの部屋、東側がミツキの部屋、北側のドアが2つ西と東側にある大きな部屋をテルヲが使っていた。それぞれドアから各自のドアは見ることができた。
昼食の13:00まではテルヲ、ピスコ、ミツキはそれぞれ部屋で過ごすことにして、一階の台所では別荘番が彼らの食事の準備をしていた。
13:00
すでに階下に降りてテーブルについていたのはミツキ。別荘番の用意したオレンジジュースをちびちび飲んでいた。
そして、テルヲ、ピスコの順で食堂の席についた。
『食後のご歓談の時のお飲み物は何がよろしいですか』と別荘番がたずね、ミツキは『来るときに買ってもらったミネラルウォーターがまだ残ってる』、ピスコは『ブラックコーヒー』、テルヲは『いつものアイスミルクティー』とそれぞれ答えた。
13:30
食事を終え、別荘番が片付けを始めると、夕飯の支度についてテルヲがたずねた。あと少しで終わる、と別荘番は答え、夕飯と飲み物の用意をしたら帰るように、とテルヲは指示した。
14:00
支度を終えた別荘番が3人の前に現れた。ピスコにはブラックコーヒー(カップ)、テルヲにはアイスミルクティー(グラス)、ミツキには何も出さなかった。
夕飯が冷蔵庫にあること、コーヒーメーカーにコーヒーが残っているのでお代りできること、アイスミルクティーも冷蔵庫にあと一杯分残っていることを言った。
生ゴミは持って帰るので、これ以降ゴミが出たら台所のゴミ箱に入れるように伝えると、別荘番はひどい降りとなった雨の中、帰っていった。
14:15
そこから本格的にテルヲは二人にサチコの居所を知らないかと問いただした。
二人はしらないと答え、堂々巡りとなった。
14:30→14:35
ミツキが自分の部屋に戻り、飲みかけのミネラルウォーター(ペットボトル)を持ってミツキが戻る。
車で気持ち悪くなったミツキのためにピスコが買ってくれたものだと言い、ミツキは半分残ったミネラルウォーターを飲み始めた。
15:00
ピスコ、テルヲの飲み物がなくなったので、ミツキは二人のカップなどを持って、台所に行った。
そしてミツキはアイスミルクティーの入ったグラスだけ持って現れ、またすぐにコーヒーを取ってくる、と言い台所へと戻った。
『たまにアイスミルクティーもいいな』
とテルヲの前に置かれたアイスミルクティーをピスコは一気に飲み干した。
『うへえ、甘すぎ』
『それで最後だぞ』
『そうだっけ?いつも俺の物を横取りするのはテルヲじゃないか。じゃあ、トイレ行くけど、ついでにミツキに早くテルヲにコーヒー出してくれと言うよ』と言ってピスコは食堂を出るが、新しいコーヒーを一杯だけ持って戻る。
『ミツキいなかった。コーヒーこれだけしかなかったから先に持ってきた。テルヲ、飲めよ』
15:05→15:12
ピスコ、トイレにいくと食堂を出て、ミツキのかばんを持って戻ってくる。
その頃にはテルヲはコーヒーを飲み終わっていた。
ピスコが言うには、トイレから出るとミツキが玄関から外に出ていくのを目撃。ひどい雨なのに傘持たずに出ていったので追いかけたが、ミツキはピスコの車に乗っていってしまった、とのこと。(ピスコは車の鍵を玄関脇のテーブルに置いていた。)
そこでピスコはミツキの部屋に行ってみたがこのとおり荷物は置いてあった。気分転換のドライブでもしたら戻ってくるんじゃないか、とピスコは言った。
ミツキの帰りを待ちながら、テルヲはピスコからサチコの情報を聞き出そうとするが『サチコは俺に行き先は言わなかった』と伝えた。
16:00
ミツキが帰ってこないので、確認のためピスコはミツキのかばんをさぐる。財布もスマホも残っていた。ピスコが、ミツキのスマホの電源をいれると、着信音が鳴り響いた。
電話の相手はミツキの上司、そして警察。
通話はスピーカーにして二人で一緒に聞いた。
①ミツキが研究室から【毒】(粉末)を持ち出して朝から大騒ぎになっている。
②先程雨でスリップしてガードレールに激突した車からミツキが見つかった
③【毒】を入れた、とミツキはうわ言のように言ってからその後意識不明
④一見【毒】は指輪などアクセサリーを入れるような箱に見える箱に入っている。
⑤箱を裏返すと底が二重になっていて、そこに【毒】に対する【解毒剤】(液体)が入っている(そのことをミツキは知らない)
⑥【毒】を飲んでも【解毒剤】を飲めば無害(半分の量では効き目はない)
⑦ただ【毒】を飲んでないのに【解毒剤】を飲むと死ぬ
⑧服毒後2時間以内に服用にしないと効果がない
『もし毒が盛られていたとしてどっちだ?』
問いかけたテルヲはピスコの前の空いたグラスを見つめた。
『解毒剤を飲むタイムリミットは?』
『17:00』
と電話の相手が答えた。
ピスコはミツキのバッグの中をテーブルの上にあけて、『青い箱らしきものはかばんにはないです』と言い、二人で台所に行ってみた。
台所にあったはずのゴミ箱がなく、勝手口をあけると、外にゴミ箱が置かれていた。フタを開けるとアクセサリーを入れるような青い箱から発見された。
言われたとおり、箱の底から解毒剤の瓶を取り出した。
その時、雷鳴がとどろき、電話が切れた。
ミツキのスマホは圏外となり、ピスコテルヲのスマホも使えなくなった。
別荘に固定電話はない。
『僕の車で麓まで降りよう。今からならスピードだせば17:00少し前にはつける!そこで警察に連絡して……』
『この雨で?ここに来るときに思ったが、山道でカーブが多すぎる。スピードを出すとミツキの二の舞になるぞ。お前と心中なんてごめんだ』
『どうするんだ!?どちらに毒を盛ったかミツキは言ってないんだぞ!』
『17:00まで時間はある。少し調べてから決めないか。二人で手分けして探そう』
共通パートはここまでです。
それぞれのタイムテーブルへお進みください。
次は、キャラクターそれぞれのタイムテーブルを読んでください。時間は10〜20分程度を予定していますがプレイヤー同士で時間延長などお考えください。
それから、捜査パートにお進みください。捜査先は4つで、プレイヤーは2つまで選択できます。
場所は4つ。
ピスコの部屋
テルヲの部屋
ミツキの部屋
別荘番の部屋
です。
それぞれの部屋は一人しか入室できません。
そこで得た情報アイテムなどは話し合いの時に提示するしないはプレイヤーの自由選択となります。