行動 盗賊
行動
盗賊
広間から出たのは20:00。それは広間にある時計であなたは確認した。
「さあ、あなたたちの部屋はここよ」
広間から伸びる渡り廊下を通って、螺旋階段のある塔に連れて行かれた。
螺旋階段の壁に6つの扉があった。
最上階の部屋から魔女、王子、神官、勇者、弓使い、あなた。
渡り廊下に一番近い部屋に入ったあなたは外の物音を注意深く聞いた。
あなたの部屋の前を通っていったのは三人。
多分、足音から弓使い、勇者、王子の順だとあなたは感じた。
神官と魔女はまだ部屋にいるようで、あなたは
用心深く部屋から出ると広間の脇の出口から外へ出た。
以前パーティーを組んでいたときに、魔女から紅の宝玉は蔵に置いてある、と聞かされていた。
魔女は宝玉の意味を知らないようで、きれいな石だと笑っていた。
外の木の茂みに隠れたところに蔵があった。
あなたの一族の形見ともいうべき宝玉に近づいて、あなたは少し気が焦っていた。
そのせいで勇者がいたことに気づくのがおくれた。
「何をしている?」
勇者に問うたあなたの声は震えていた。
「何もしていない」
平然と勇者は答えた。
押し問答を繰り返していると、背後からかさりと草を踏む音がした。
魔女だった。
「あなたたちどうしたの?」
あなたはとっさに逃げた。
広間脇の出口近くにそっと潜み、勇者、そして魔女が中にはいるのを確認した。
それからあなたは蔵に戻り、鍵を開けた。
あなたにかかれば鍵も罠もないがごとき。
目当ての紅い宝玉をみつけ、あなたは懐にいれた。
広間に戻ると勇者と王子がいた。
時計を見たら21:10。
二人がシラフだったので、あなたは広間から通路を隔てたところにある台所に行った。
ちらりと通路を通る神官を見つけた。外へ出ていったようだ。
台所の奥に弓使いがいた。
すでに飲んでいるようで、特に声はかけなかった。
台所から酒を選んで広間に戻ったが時計を見ても1分も経っていなかった。
あなたは彼らと飲み始めた。
王子の恋愛相談は全く頭に入ってこなかった。
懐の宝玉を部屋に戻って隠したかったが、やっと肉親や兄弟たちと出会えたような感覚があった。
だから紅い宝玉は肌見放さず持っていることにした。
出口側からやってきた神官と弓使いもそこに加わり、朝までそこにいた。