行動 勇者

行動
勇者


広間の時計は20:00をさしていた。

「さあ、あなたたちの部屋はここよ」

螺旋階段の壁に6つの扉があった。

最上階の部屋から魔女、王子、神官、あなた、弓使い、盗賊。

いったんはそれぞれの部屋に入ったが、そっと扉から顔を出すと魔女の部屋に王子が入っていくのが見えた。

同じく顔を出していた神官と目があった。

「私はこれから瞑想があるので」

神官はそう言い、扉をしめたので、あなたは1階へと降りた。

渡り廊下でつながった通路から広間の中をのぞいた。

時計の針は20:30。

広間にいる弓使いを見たあなたは慎重に通路から外へ出た。

聖剣や宝物があるのは蔵だと魔女が話していたのをあなたは覚えていた。

木々に隠れたところに蔵があったが、そこにはすでに盗賊がいた。

あなたに気づいた盗賊は口を開いた。

「何をしている?」

「何もしていない」

無意味な押し問答が続いた。

「あなたたちどうしたの?」

そこに魔女が現れ、あなたと盗賊に声をかけた。

あわてて盗賊は逃げていった。

「なに?」

魔女があなたに言った。

「いや」

あなたはそう言ってから家に入り、広間に行くと、弓使いはおらず、人待ち顔の王子がいた。

時計は21:05。

しばらくして盗賊も来た。出入り口からきたので、逃げたあと、まだ外にいたようだ。

盗賊が少しだけ離席した時にちらりと通路を通って出入口に向かう神官の姿を見たような気がしたが、時間は確認しなかった。

盗賊は酒を持って戻ってきた。

王子の恋愛相談がはじまったが、あなたはそれには特に興味はなかった。

しかし王子が必死なので、あなたとしては無視することもできず適当に相づちを打った。

21:30に神官と弓使いがきた。彼らも外から来たようだ。

そのままあなたたちは広間で酒盛りを朝まで続けた。