poison⑦→①ピスコが解毒剤を飲んだ→エンディング

ここはプレイヤー二人で話し合った結果から導き出されたエンディングへと進みます。
充分な話し合いは終わりましたか?
それでは、お進みください。





①ピスコが解毒剤を飲んだ→エンディング


『ミツキは君を恨んでいた。だから君が飲むはずのアイスミルクティーに毒を入れた』

ピスコが解毒剤に手を伸ばすのを、テルヲは見守っていた。

『なぜ、こんなことになったんだろうね』

解毒剤を飲み干したピスコがつぶやいた。

『君を試したんだ』

『何を?』

『君が解毒剤を俺が飲むのを止めてくれるんじゃないか、と思ったんだ』

ピスコはテルヲを見つめた。

『俺の飲んだアイスミルクティーには毒が入ってないのを君は知ってたんじゃないか?』

『ピスコ』

『そうならお互いさまだ。君のコーヒーに俺が毒をいれた。ミツキのかばんからここにつく前にすり替えた。どうやったか説明しようにも、もう時間がないけど、俺にも君にも』

ピスコは笑った。

『妹のためには君をいなくなるのが一番いいと思うんだが、どう思う?』


リビングの時計が17:00を告げ、二人の男が床に倒れていた。


エンディング

『兄さん、テルヲさん』

事件のあった別荘へ行く道は封鎖されていた。

『ミツキまで……どうしてこんなことに』

サチコは行けるギリギリの車道の脇に花束を供えて、顔を両手で覆った。

不幸な事件だ、と皆に同情された。

兄、恋人、親友を同時に亡くした可哀想な女。

だけど、聡明な親友がなぜ職場から毒を持ち出したのか。

『ねえ、ミツキ。私耐えられないの。テルヲがあなたを悪く言うのは』

賢い女性だが、ミツキは打たれ弱いところはあった。

そこにうまくつけ込めた、とサチコは心の中で笑った。

『あなたがテルヲと浮気なんかするからいけないのよ』

あの二人に裏切られたと知ったときから、復讐をサチコは考えていた。

テルヲは死をもって償うべきではあるが、ミツキは酒に酔わせて騙されていたことは考慮し、実行犯にすることだけにしておいたのに、事故死するのは計算外だった。

『兄さんのことは残念だったけどしかたないか』

そして、いくつになっても兄貴面してサチコを支配しようとした兄にも嫌気が差していたのは事実だ。


『サチコ』

ミツキの上司が彼女の名前を呼んだ。

なぜ優秀なミツキが降格になったのか。

精神を病んで毒を持ち出し、テルヲを殺そうと思い詰めるほど追い詰められてのか。

『気が済んだかい。もう行こう。式場の下見に行かないと』

『ありがとう、あなた』

真実は彼女の心の中。

今となっては真相は誰もたどり着けないだろう。