マルチエンディングストーリー 殺し屋は2度死ぬ【1序文&キャラクターシート】B卯国無有武
【あなた】は女の部屋からの朝帰り、満杯になっている郵便受けを見て、うんざりした。
ほとんどゴミになるDMやちらしだが、そこに混じって立派な封筒があったので、裏を返してみた。
差出人は、弁護士事務所。
借金の督促?
はたまた、遊び相手の旦那にバレたのか?と【あなた】は考えたが、いまのところ借金はないし、女とのことはうまくいってるはずだった。
弁護士事務所ならもしかして借金払いすぎて返ってくる連絡もあり?と期待して、開封したのに、内容は次のとおりだった。
藍 亜苦労(らん あくろう)という人物が余命わずか。身寄りがなく死後財産はすべて国庫に没収。藍氏はそれが癪に触るそうで、無作為に遺贈する相手を選ぶことにした。その候補者の一人として【あなた】が選ばれたので日時と場所を指定するので来てほしい。
ということだった。
面倒くさいが【あなた】の最初の感想だった。
【あなた】は働くのが嫌いで、本業のバーテンダーも殺し屋も本当はやりたくない。
殺し屋は好きでなったのではなく、借金のため仕方なく手伝わされたのがはじまり。
一度きりの約束がズルズルと続けているだけ。
封筒を投げ捨てた【あなた】は冷蔵庫からビールを出して、飲み始めた。
何本か開けた頃、殺し屋の依頼を斡旋する人物から何度も連絡が来ていたのに気がついた。
藍氏絡みの仕事だと言われて、遺産相続うんぬんの郵便はどうやらこれのためだったようだ。
死ぬ前にどうしても始末したい相手が藍氏にはいる、と聞かされても、【あなた】にとってはどうでもいいことだった。
【あなた】はさっさと嫌なことを済ませて、スロットに行きたいなあ、と思っていた。
《キャラクターシート》
Bバーテンダーの卯国無有武(うごく むうぶ)
平凡な家庭に育つが、学生時代からギャンブルにはまり、それがもとで家族から縁を切られた。
借金で困った結果、殺し屋を始めた。
日々を飲んだくれるか、ギャンブルに費やしている24歳。
借金に困った結果、殺し屋を始めた。
やたらと女にモテるが、恋人にはされないタイプ。
次は共通の【2屋敷にて】にお進みください。