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瓢箪から駒では無く毒が

花が咲いて実がなると、人は好奇心に駆られて試しに食べてみたくなる。

「瓢箪は食べれますか?」と質問する人がいる。食用なら食べてもいいが、観賞用の奴は食べない方がいい。大体瓢箪は古来より酒を入れる容器にしたり、装飾品にしてきた。

だから基本瓢箪は食べない。だが食べられる食用の瓢箪もあるから話はややこしくなっていく。
瓢箪は食べないが、干瓢(かんぴょう)は普通に寿司ネタで食べている。干瓢も瓢箪も同じウリ科だから有毒じゃないはずと推測に基づいて食べてしまう人がいる。
瓢箪にはククルビタシンという苦味成分が含まれ毒性がある。
キュウリやカボチャ、ユウガオといったウリ科の植物は交配しやすい性質があるから、無毒と思って食べたら有毒という事が起こり得る。
ゴーヤだってニガウリと言うくらいだからウリ科である。ゴーヤの苦味成分はククルビタシンとモモルデシンである。
ズッキーニにもククルビタシンが含まれているから、苦すぎるズッキーニは食べない方がいい。
じゃがいもはナス科の多年草だが、ある時代ある地域において主食だったりした。じゃがいもの芽にはソラニンとチャコニン言う有毒成分が含まれている。また緑色の皮の部分にも含まれているから、じゃがいもの芽や皮は食べない方がいいが、新じゃがなどは皮を剥くのが面倒臭いのでそのまま茹でたりしがちである。とは言えソラニンは水溶性なので、蒸すより茹でて煮汁を棄てれば中毒確率は減少する。ついでに言うと、じゃがいもを高温調理すると発がん性物質のアクリルアミドが発生するので注意したい。
つまり単に調理方法の違いで健康を害したりするから怖い。

ナス科のチョウセンアサガオには毒があるが、このチョウセンアサガオに同じナス科のナスを接ぎ木したら、さてそのナスに毒はあるのか?食べたら中毒症状を呈したそうです。接ぎ木リスクを考慮しないといけなかった。
野草のイヌホオズキもナス科だがソラニンが含まれている。食べる物がない地域では毒に気をつけながら食べるしかない。

人間は有毒とエディブル(食に適した)の隙間をかいくぐりながら生きている。

良薬は口に苦し。毒と薬の境界線は線引が難しい。だからせっかく買ったズッキーニやゴーヤは少々苦くても食べなくちゃ。そう考えるのも無理ないが、苦さはこの場合有毒性の指標だから、舐めてみて苦すぎるとかエグみが強過ぎたら食べるのは断念したい。この際、苦味の度合いと言う自分の舌の感覚だけが頼りである。苦が過ぎたり酸っぱ過ぎたら口に入れない方がいい。
ちなみにククルビタシンやソラニンは加熱調理しても毒性は分解されない。


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