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同情商法の行方(ゆくえ)

今我々は大変なんです。そりゃ皆んな大変や。あんただけやない。今災難の只中(ただなか)にいる人は、同情、共感、注目してもらいたい。そんなの当たり前だ。コロナで死んでいく医者が、画面で訴えても、私には何も出来ない。例えば水の都ベニスが水没しそうと嘆かれても、カリフォルニアの人が山火事で家を失っても、苦しいのは当事者だけだ。世界中の人に注目を要求しても、それは難しい。ニュースを聞いても人々は上の空で、もっと重要で気がかりな事が、心を占有している。当事者の死活問題は、76億人にとって他人事である。道民が知りたいのは、北海道の天気であって、沖縄の天気じゃない。注目の的で有り続けるのは難しい。皆んな一(いち)庶民であって、ヒーローにも救世主にもなれない。




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