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Googleのクチコミ、現実化していく思考。

平素よりお世話になっております。高島です。

「7/3到着予定とありまして、前日の7/2に到着していると助かるのですが、今回速達などの対応は可能でしょうか?よろしくお願いします。」

たしかにこう書いた。
「配送指示やその他希望などございましたらこちらの備考欄にご記入ください」とあるからあくまで相談ベース、決して横柄な印象にならないように書いた。

三時間後、帰ってきたメールはこうだ。

「ご注文を頂き、誠にありがとうございます。
○○の▽▽と申します。
商品は□□便で発送させて頂きます。
到着は 7月3日以降 となります。
お問い合わせは□□便までお願い致します。
お荷物お問い合わせ番号 ***-***-****
お買い上げありがとうございました。
またのご利用を心よりお待ち申し上げております。」

心よりお待ち申し上げられえてしまった。
こちらが申し上げた、いや相談なんだから未だ申し上げてもいない。こちらが申し上げる前にまたのご利用を申し上げられてしまった。

この場合二つのケースが考えられる。

A.注文フォームの備考欄を読んでいない or 見落としている

間違いははだれにでもある、見落としていたらそっと教えてあげればよい。そのうえ話を進めればいいだけの話。めちゃめちゃ簡単だ。

まず第一にこちらの線を疑ってみた。
Googleで調べてみると閉店まで残り一時間、まだ営業時間内だ。青くなった電話番号をタップする直前、もう一つの線が浮上してきた。


B.「は?そんなもんムリに決まってんだろ。だいたいメールに7/3以降、って書いてんじゃん。お前日本語読めねーの?」

今回購入したのは少々マニアックな楽器、セラー・出品者が相当偏屈な人間である可能性もぜんぜんある。

電話して塩対応されても全然構わない。
構わないが、この楽器を使用する度にイヤな思い出が蘇ってきてはたまったもんじゃない。自分はこの手のストレスにめっぽう弱い。

親指をすこし動かして「Google のクチコミ」をタップしてみる。
「丁寧な接客で―」「親切に相談に乗ってもらって―」
なるほど、耳障りのいい言葉が並んでいるし★は4.1、偏屈おじさん説は薄れてきた。

しかし気掛かりな点が出てきた。このお店はどうも車でしかいけないような僻地にあるのだ。マップ上で見ても近くに駅は見当たらない、つまり地域密着型でやっている店舗さんなのだろう。音楽教室も並行して運営していることも確認できた。

自分だったらどうするだろう。
ちょっと面倒なお客さんが来たとして、こちらも身元は割れている。塩対応なんぞしようもんなら噂なんか簡単に広まってしまう。
「聞きました?なんかあそこの店長さん、すごくイヤな感じの対応で」「顔まで刺青入れてて福岡のチンピラあがりだって」「どの辺が“意外といいヤツ”なのよ」と…。

やはり地場のお客さんは大事にするだろう。とはいえ楽器のマニアックさと精神性が反比例するとは到底思えない。はぁどうして俺はこんな面倒な買い物をしてしまったのだ。

iPhoneの画面にはGoogleマップが開かれている。ていうかこの辺郵便局とかどこにあんの?郵便局じゃなくても山ばっかり、発送できそうなとこってなくない?
ということは俺が電話して「すんません、急ぎで…!」とお願いすると今日この後か、明日の早い時間に車かなにかで急かしてしまうことになるか。

いま一度すべてのことを天秤にかけてみる。

できれば早く楽器を手元に欲しい俺、
マニアックな楽器とおじさんの性格(おじさんとか決まっていない)、
俺の弱点であるストレス、
そしてそんな客に急かされるおじさん(おじさんとは決まっていない)。

うーん。
まぁ別にいいか…、7/3でも…。今回なくても我慢はできるし…。

時計を見てみる。20:08。ほら、営業時間も終わってしまったし仕方ない。
遠征の前にバタバタするのもあんまりよくないし、今回はどうにかしようぜ。
そう自分を言いくるめてそっとiPhoneを閉じる。

思考は現実となる、「夢は叶う」とも「成るようにしか成らない」とも言い換えられる。
共通していえるのは現実となった時点で自分はもうそこにいないから、ある種の「達成感」を感じることは難しい。叶ったはずなのに満足しない、成るようにしか成らなかったのになにか口惜しい。

だから「その日の疑問はその日の内に、翌日に持ち越さないように」が最近のモットーです。
707号室、室温24.5℃、サウンドバーからはDJ Whitesmith。考える前に電話すればよかったんよね、と思い返していた大阪の夜でした。

例の楽器は今日の夜に届きます。楽しみだなぁ。

以上になります。
それでは引き続きよろしくお願いいたします。

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