女ひとりで楽しむホテルステイ②(完結)
昼寝を終えた私はラウンジへ戻った。スタッフの方がまたも景色の良い席を案内してくれる。もちろん会話する相手などいないので、その心遣いが嬉しい。私は東京の夜景と会話するよ。女ひとりの宿泊者はそれほど珍しくないのか、慣れた様子も感じられた。
セルフ形式の軽食とホットミール、また少しシャンパンをいただく。飲食店で普通に飲んだら1杯2,000円はするだろうから、こういう点でも、ラウンジ利用付きのプランのコスパの良さを感じる。どこのラウンジでも大抵、立派なラインナップのアルコール類、またノンアルコールカクテル、コーヒー紅茶(ホット・アイス)ソフトドリンク類、ミネラルウォーター、ハーブティーなどは揃っているので、お酒が飲めない人でも楽しめると思う。フード類はホテルによってかなりバラ付きがある。かなり豪華なホットミールが出るのは、IHG系とグランドハイアットだったかな?宿泊料金が高いホテルでも、フードがいまいち、ということもまあ無くはないので、泊まりたいホテルが決まったら宿泊レビューを読むことをおすすめしたい。
外資系のラウンジでは基本、テレビはBBCニュースが流れている。学生レベルの英語しか分からないので半分ほどしか聞き取れないけど、ラウンジに来たら結構真面目にBBCニュースを見ている気がする。コロナ直前の2020年1月にバンコクに行った時も、スリウォンマリオットのラウンジで見ていて、武漢の新しいウイルス、という報道をしていたことを覚えている。
シャンパンをがぶ飲みした私はまあべろべろになってきたので、部屋に戻った。部屋からもライトアップされた東京タワーが望むことができ、窓際に置かれたソファに身を委ねながら、ボーッと外を眺める。不思議と、こういう風に現実逃避している時の方が寂しさや虚しさを感じる事は少ない。この高層ビル群が立ち並ぶ日本の首都のど真ん中で、私1人だけがこの世に存在しているような感覚。そして普段は自己嫌悪してしまうような自分の短所も、ほぼ頭に過ぎることもない。少なからず、このホテルステイという遊びが、私の自己肯定感を緩やかに上げていることは間違いなく、それが辞められない理由でもある。
シャワーを浴び、キングサイズのど真ん中でサラサラに整えられたパジャマに着替えて、大の字になって眠りにつく。入眠する少し前に電気を消した時、少しモヤモヤが押し寄せた。明日には限界OLに戻るという焦燥感と、夢のようなひと時が終わってしまう寂しさ。あとちょっとだけ沸きあがる「なにやってんだろ私」感。いや、いいんだよ、いいんだけどさ、これからもやるんだけどさ、そういう自分を斜めから見てしまうの、癖なんだよね。
人にはそれぞれ、人生を楽しくさせるスパイスがあるだろう。自分を好きになれる瞬間、悩みを手放せる瞬間、そういう事や場所を大切にする事が、人生に置いて一番重要なのではないだろうか。まあ、いつもそんな大層な事を考えながらホテルステイしてる訳ではないんだけど。8割はシャンパンうめー!なので。そろそろ1人で旅行も行きたいなと考えている。次回は「女ひとりで楽しむ航空旅行」でお会いしましょう。ホテルステイに興味があったら、いつでもマシュマロなどで質問してね。
読んでいただきありがとうございました!
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