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Factorioで宇宙を探検しよう(Space Exploration MOD紹介&攻略) Part.4

 さて、前回記事からなんと7か月振りとなる今回は、Space Explorationの目玉システムの一つである、宇宙船特集となります。
 心のどこかでは「そろそろ記事を更新しないとね…」という気持ちはありつつも、昨年のSpace Explorationの大型アップデート(普段アップデートをサボりがちなので前回記事更新後に適用した)における、すさまじいレシピ変更やコアマイニング弱体化で完全に心が折れてしまい、筆を執る気力が中々出ませんでした。
 しかし、そうこうしている間に、FactorioのNintendo Switch版がリリースされ、年末にはRTA in JapanでFactorioのランが行われるなど、新規参入を促すアツい出来事がいくつもあり、せめてこの記事は最後まで仕上げねば!と再びやる気になった次第です。
(…Switch版はMODが入れられないので、Swichから入ったご新規さんが完全に置き去りになるのは内緒です)

前回記事はコチラです。


Space Exploration攻略 ~宇宙の果てのナクイウム

 さて、前回まででは、材料/天体/エネルギー/生体の4領域を進める手順について書きましたが、いよいよ今回からは、Space Exploration終盤戦となる、深宇宙領域に足を踏み入れます。
 これまでの4領域では、様々な星に埋蔵している物質を採取し、ロケット等で星々の間で物流を行うことで研究を進めていましたが、深宇宙領域では、ついに宇宙空間上に存在する謎の物質、ナクイウムを使った生産が必要となります。
 そしてこのナクイウム、とても厄介なことに、小惑星団とかいう宇宙の彼方のようなところにしかなく、そのため次の理由から、従来の星体間での物流と同等のやり方は非常に困難となります。

小惑星団のイメージ。小惑星上にまばらに資源が点在し、あとは闇。
  • 深宇宙がしんどい理由その1:なんもない
     なんもないは流石に言い過ぎですが、そもそもまともな陸地が無いため、資源を掘るにしても工場を作るにしても膨大な足場が必要となります。もちろん海なんてものもあるわけがないので、発電に必要な用水を確保するのも一苦労です。

  • 深宇宙がしんどい理由その2:暗い
     我々の住む地球(、そして第二の故郷であるNauvis)には母なる恒星があり、そのお日様のパワーにより星は暖かく、太陽光発電なんてことも出来たりします。しかし、見捨てられた宇宙の辺境である小惑星団は恒星に属しておらず、工場の血とも言える電力の確保が困難となります。
     かろうじて最も近い恒星からソーラービームでエネルギーを持ってきたとしても、その恒星に属する星に送信する場合と比べ、数%から良くて十数%程度まで出力が減衰されてしまいます。

  • 深宇宙がしんどい理由その3:遠い
     深宇宙がしんどい理由、圧倒的第一位です。例として、貨物ロケットは、行き先の距離によって必要な燃料が変動しますが、同じ恒星系に属する星では大体数十kで済むのに対し、小惑星団とやりとりする場合、数百k必要となってしまいます。そのため、小惑星団で採取した物資をどこかの星に送りたい場合、小惑星団からロケットを打ち上げるために、宇宙カプセルや貨客ロケット部品だけでなく、とんでもない量の燃料を小惑星団に送らないといけないのですが、それらを送るためにもまた膨大な燃料が必要となり、その必要量は距離に応じて雪だるま式に増えていきます。

 以上のことから、これまでのように、貨物ロケットで物資を送り、現地に工場を建てて資源を送るといった手法が容易には通用しません。
 そこでオススメするのが、宇宙船による自動運行です。

Space Exploration攻略 ~宇宙船をつくろう

 宇宙船。それはSpace Exploration MOD最大のウリの一つであり、同時に恐るべき沼でもありました。私がこのSpaceExの記事を書き始めたpart.1の頃は、MOD固有部分の日本語化はほとんどなされておらず、宇宙船の仕様を理解するにはクソ長英語説明書を読解する必要があったため、実質トライ&エラーの日々でした。
 しかし、私が7か月も記事の更新をサボっている間に、世の中は日々進歩し、今やSpaceExのInfomation(iメニュー)も完全日本語化されています。そのため、このPart.4では複雑な宇宙船の仕様を細かく解説しようと思っていたのに、iメニューの説明書を読めば大概のことは書いてある状態となってしまい、ぶっちゃけ書くことがあんまり無くなりました。なので、なんとなく合ってるか分からんという方向けに、超ざっくり解説でお送りします。

Informationメニュー。数か月前まで、これ全部英語でした。
いい時代になりました。
  1.  まずは宇宙船の床を作ろう
    宇宙船の床を並べて宇宙船の形をデザインします。ここでの注意点は下記の2点です。
    ・大きくし過ぎない・・・作ることのできる宇宙船のサイズは、「宇宙工船」研究を行うことで段々大きくすることが出来ますが、現在の技術力を上回るサイズでデザインしてしまった場合、いざ飛ばそうとした際にNGを食らってしまいます。目安を知りたい場合は、一度適当なサイズで宇宙船を作り、宇宙船の制御盤で「構造健全性試験を開始」ボタンを押せば、あとどのくらい大きくしても大丈夫か(あるいはどのくらい小さくしないとダメか)が、「船体応力」の値から分かります。
    ・流線形を意識する・・・現実のスペースシャトルと同様に、空気抵抗が小さそうな形状の方が最高速度の面で恩恵が得られます(大気圏突破時ならともかく、宇宙空間を進む上でどういう恩恵があるのかは分かりませんが)。なお、どのくらいいい感じの形かは、制御盤で見れる「流線形の係数」という値で分かります。この値、日本語化される前は「Streamline」とかいう、一見何の値か分からない表記だったため、当時の私は、”なんやこの値?まぁ気にせんでええやろ”の精神で真四角の宇宙船を量産しており(マイクラで言うところの豆腐建築。当然Streamline=0%)、燃料をどぶに捨てていました。

  2.  外壁やドア、エンジンを付けよう
     1.で設置した床を、外壁/ドア/エンジンで囲いましょう。穴が開いていないかどうかは、「構造健全性試験を開始」ボタンでチェックできます。

  3.  燃料タンクを付けよう
     2.で付けたエンジンに燃料が補給できるように燃料タンクを付けます。この時注意が必要になるのですが、エンジンに補給するための燃料とは別に、天体からの離陸用のエネルギーとして液体ロケット燃料のタンクが別途必要になります(このタンクはエンジンに接続されている必要はない)。中々に不可解な仕様ですが、仕様なので仕方ないのです。
     また、宇宙船の停泊中に燃料が補給できるように、外壁の近くに宇宙用地下パイプを設置しておくのをオススメします。

  4.  発電設備を付けよう
     宇宙船にも発電設備は必要となります。恒星系の中で小規模に運用する分には、太陽光パネル&蓄電池でもなんとかなりますが、長距離飛行が可能な大型の宇宙船を運用する際には、エネルギービームを用いた発電設備(Part.3参照)をオススメします。

  5.  防衛設備を付けよう
     宇宙はスカスカで何も無い。そんなことを聞いたことがある方は多いかもしれませんが、Space Explorationの世界においては大嘘です。宇宙船をちょっと飛ばしてみれば分かりますが、梅雨明けに河川敷でチャリを飛ばしたときの虫と同じくらい隕石が突っ込んで来ます。
     そのため、宇宙船の前面にはしっかりと防衛設備を付ける必要があります。終盤で作れるようになるShield projectorは、一見バリアみたいなヤツで完璧に隕石を防いでくれるように見えますが、デカい隕石が衝突したら余裕で砕け散るので、二重三重に設置する必要があります。正直コイツが一番床面積を食います。

  6.  積み入れ/積み下ろしの設備を付けよう
     工場長の個人用シャトルでなければ、自動運行のための貨物積み入れ/積み下ろしの仕組みを搭載しておくと便利です。燃料用のパイプと同様に、地下ベルトの片側のみを壁の近くに設置しておくことで、ドッキング先にもう片側の地下ベルトが置かれていれば、モノの受け渡しが可能となります。

  7.  クランプを付けよう
     宇宙船に、宇宙船結合クランプというヤツを外壁の外に付けておき、着陸したい天体の側に反対向きのクランプを付けておくことで、狙った場所に自動で宇宙船を着陸させることが出来ます。宇宙船版の駅みたいなものですね。
     例えば、宇宙船に左向きのクランプ(クランプID : 1)を取り付け、制御盤に左向けクランプの信号(値=1)と右向きのクランプ(値=2)を定数回路を使って設定しておけば、天体に到着した際に、右向きのクランプ(クランプID : 2)が天体上に存在していれば、自動的にクランプ同士が接続されます。

  8.  空いている場所に宇宙船の制御盤を付けよう

以上を踏まえた宇宙船の設計例です。

工場長のためのホスピタリティが著しく欠如した宇宙船。
上記の8つのポイントを全て入れるとそれだけでキツキツになるので仕方ないね。

 次はいよいよ、この宇宙船を使って自動で星々を巡って物資を運ぶ、星間自動運行システムを構築します。

Space Exploration攻略 ~夢の星間自動運行システム

  さて、前章で建造した宇宙船を使って、星間で物資を運ぶ自動運行システムを構築していきましょう。ここは色んなやり方があるかと思いますが、私の場合は、以下のルーチンで宇宙船が巡回するシステムを構築しました。

  • 資源の積み入れ
     資源が取れる天体/小惑星団上に、クランプやコンベアを構築し、宇宙船がドッキングすることで資源が積み入れられるようにします。そして、宇宙船の中のチェスト(前章の図ではWarehousing MODの倉庫を使用)の積み荷が一定量以上になったら、資源の積み下ろし先の天体を宇宙船の行き先に指定して、宇宙船の発射を実行します(後述)。
     また、対象の天体が惑星だった場合、地表で資源の受け渡しをしてしまうと、その後の打ち上げに大量のロケット燃料を消費してしまうことから、可能であれば宇宙エレベータを使って、軌道上(Orbit)で資源の受け渡しを行うことをオススメします(下記の資源の積み下ろしでも同様)。

  • 資源の積み下ろし
     資源の積み下ろし先でも同様に、ドッキングしたら資源が積み下ろされるようにコンベアを構築します。そして、宇宙船のチェストの中身が空になったら、燃料等の補給ポイントを宇宙船の行き先に指定して、宇宙船の発射を実行します。

  • 燃料等の補給
     宇宙船を運行するための資源として、①ロケット燃料、②ブースターの燃料、③水(エネルギービームで発電する場合)、④エネルギービームのエネルギーが必要となるので、宇宙船がドッキングしたらそれらが補給されるようにします。さらに、資源の積み入れ/積み下ろし先で宇宙エレベータ―や隕石防衛施設を使っている場合は、⑤宇宙エレベータ―の釣糸や、⑥石防衛施設の弾の積み入れも併せて行います(そのため、補給ポイントは大概メイン工場の中に作られることになるかと思います)。さらにさらに、ナクイウムの採掘を行う船の場合、採掘に硫酸が必要になるので、⑦硫酸入りのドラム缶も補給しましょう。
     すべての物資の補給が完了したら、再び資源の積み入れ先を宇宙船の行き先に指定して、宇宙船の発射を実行します(以下繰り返し)。

 上記のルーチンの中で出てきた、宇宙船の行き先や発射の制御は、宇宙船の制御版と回路ネットワークを組み合わせることで実現可能となります。詳細は例のごとくInformationメニュー内に記載があるので、ここでは上記のルーチンにおける私の実装例を紹介するに留めます。

上記の3か所を巡回する回路ネットワーク例。
条件回路を使う部分は簡略化したイメージで描いているので、実際はもう少し複雑です。

 上記の仕組みによって自動で資源の運搬が可能となりますが、いざ動かしてみると、やれ隕石で穴が開いて停止した、やれ回路の計算ミスっていて燃料が切れた等、色々トラブルが起こります。都度直したり改良したりと中々大変ですが、システムを作るのは楽しいけど運用/保守がキツいという世界の真理を、Factorioは我々に改めて教えてくれているんだと思って頑張りましょう。

 さて、最後にオススメのナクイウム採掘スポットを紹介して本章を締めたいと思います。小惑星団を探すための深宇宙領域発見の研究は、回数を重ねる内に馬鹿にならないリソースを喰いますが、ナクイウムが十分にあって、水(氷)が取れて、何よりもNauvis(Calidus系)に近い条件の場所を、妥協することなく探すことが、その後の開発の難度に大きく影響します。
 現verでは、Calidus系に最も近い「Stardust」が上記の条件を全て満たしていて最強なので、Stardustが出るまで根気強く小惑星団ガチャを回しましょう。

さて、いよいよ次回は最終回(予定)。
これまで数々の試練を乗り越えてきた工場長を待ち受ける狂気の最終関門、アルコスフィアを使った研究です。

To be continued…(次回は大学数学が出てくるので(ガチで)、覚悟していてください)

次の記事が出来ました。



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