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ベスパの夏

7月。
2台目のベスパ が納車されてちょうど1年。

ボクのベスパライフは1台目のベスパから変わらず、5,000〜6,000km/年という走行距離ペース。

それが多いか少ないかはさておき、そろそろ距離が6,000kmになるから、近日中にバイク屋さんでオイル交換&点検をしてもらおうと思っている。



ノートラブル

1年乗ってみて、エンジンまわり、足回り、電装系、すべてノートラブルだったベスパ GTS Super Sport 300。

トラブルもなく快適に走るGTS Super Sport 300

納車してもらったベスパ/モトグッチ正規販売店であるバイク屋さんには、初回の1,000km点検を含めて3,000km毎を目安にオイル交換と併せて点検したほうが良いと教えてもらって、まず必須の1,000km点検と3,000km走行時にオイル交換(1,000kmはオイルフィルター交換を含む)もしている。

だから今度は6,000km。

バイク屋さんへ向かうのは、その定期的なオイル交換だけというくらいにトラブルはない。

トラブルがなかった、という点では1台目のベスパGT200Lもノートラブルだった、いや「自分で壊すまでは」ノートラブルだったというべきか。

1台目のベスパ GT200L。基本デザインは当時から変わっていない

1台目のときは、長らく国産スポーツバイクやオフロードバイクを乗り継いで初めてのイタ車だったし「イタ車=壊れやすい」という先入観もあって戦々恐々としていたから、納車後3年くらいは定期的にオイル交換などしていたのだけれど。

次第に、年間走行距離も6,000km前後だし、200ccだから車検もないし、予想に反して全然壊れないし、わざわざ遠いバイク屋さん(今の2台目とは違うショップ)まで行くのも面倒くさいなと思うようになって。

「オイル交換くらい自分でやるさ」

そうしてバイク屋さんとは疎遠になってしまったのである。


1台目ベスパの、ほろ苦い夏

あのときも真夏の7月だった。

暑い夏こそ温泉へ行こうと思い立って、奥さまを後ろに乗っけて箱根へタンデムツーリングしたときのこと。

箱根タンデムツーリングのとき。可変式フロントスクリーンを付けていた

自宅から箱根まで、下道オンリー。

途中の湘南や小田原など、あちこち寄り道しながらのんびり向かって、小田原からターンパイクを上り、大観山で富士山を眺めて芦ノ湖まで下りて温泉宿に着く手前で、ベスパGT200Lは止まってしまった。

動かない。

購入した東京のバイク屋さんに連絡しても箱根までは来てくれず、スマホで箱根近くのバイク屋さんをいくつか探して電話しても、そもそもベスパや輸入車は取り扱いがなく作業マニュアルもないワケで対応できないと言われてしまう。

箱根近辺にベスパを取り扱っていそうなバイク屋さんがない。
国産バイクとは違うんだという洗礼を初めて受けた。

それでもボクは、原付バイク時代にモンキーやゴリラのエンジンを自分で下ろして分解し、カスタムキットやボアアップキットを組み上げていた程度にバイク整備の心得や内燃機関の基本的な仕組みは多少なりともわかっていたから、ベスパの替えたばかりのバッテリーやエンジンを覗いたりプラグを外してみたり、キャブの動作も目視確認したり(GT200Lはキャブレター車だ)、いろいろと調べてみたけれど、車載工具では出来ることも限られるし、そもそも箱根という山の中ではどうにもならなかった。

とうとう諦めて 任意保険に付帯のロードサービスを利用し、ベスパGT200Lは悲しくもトラックに乗っけられて翌日に自宅まで搬送されていったのである。

ボクと奥さまは、いちおう温泉には入ったものの、バスと電車を乗り継いで帰宅となった。


焼き付き

自宅に戻ってから、動かないベスパの修理をどうするか相談しようとバイク屋さんに電話したところ、

「長らく、ご来店いただいてないですけどオイル交換とかしましたか?」

あ。

オイル交換くらい自分でやろうと思うこと毎週、毎月、半年、1年、数年、、、最後にオイル交換したのはいつだ?というほどに、ベスパに無頓着になってしまっていた。

「焼き付きとかかもしれませんね」

そうかもしれなかった。

ごくたまにメーターパネルにあるオイル警告灯が点いたり消えたりしてショボショボしていたことは以前から気づいていたものの「警告灯が点灯しっぱなしじゃないから問題ない」と自分で思い込んでいて、言われてみれば思い当たるフシがいくつもあったのである。

エンジンが止まってしまう前に、何かが焼ける匂いがしたことも。

その頃すでに、GT200Lがラインナップから落ちて8年は経っていたように記憶している。

またGT200Lが日本で発売された後、比較的すぐにGTS250がリリースされたこともあって日本ではGT200Lの流通台数が少なく、エンジンパーツがイタリア本国から手に入るかどうかわからないという。

トドメは、その年に大型台風が上陸して、並の台風では駐輪場で倒れることがなかったベスパが、強風でゴロンと無惨に倒れてガソリンも少し漏れ、塗装やパーツがあちこち傷だらけになったことで修理復活へ向けたモチベーションがだだ下がり。

それから乗れなくなった。
いや乗らなくなった。

バイク屋さんに、
みてもらうこともなくなった。


2台目ベスパは、大事に乗ろう

あれから月日が流れて。

19年前に初めて見て好きになったGT200Lと基本デザインがほどんど変わっていない、今のベスパGTSを時々街で見かけるとやっぱりイイなと思い続けていて。

あのGT200Lの、シルキーに回るエンジンと滑らかなフィーリングを感じながらのクルージングが本当に気持ち良かったな。

また乗りたいな。
またベスパ買いたいな。

そう思ってしまうと、我慢出来ずにバイク屋さんへ行って。

カラフルに並ぶベスパに、ウキウキワクワクして。

ああ、もう。。。

プリマベーラも可愛いけれど僕はGTS。
150にするか、車検がある300にするか。

どっちも高速道路に乗れるし、150は気負いなく乗れそうだし、余裕ある300も良さそうだし。

ボクなりに想定する乗り方や使い方を、性能面で割って考えてみる。

もうひとつの側面として、150にするといつかまた途中から200のように無頓着になってしまいそう。

それなら車検代がかかっても、車検点検の都度に「バイク屋さんに通って」ちゃんと見てもらおう。

そうして最終的に300に決めた。
Super Tech ではなくSuper Sport。

自分でオイル交換など簡単なメンテくらいは出来るし、そのほうがより愛着が湧くことはわかっているけれど、今はエンジンも足回りも電子制御化されていて僕では手に負えないから、結局はバイク屋さんにみてもらうことになるのだ。

2台目はもっと大事に乗ってあげよう。
1台目は良く二人で乗っていたけれど。
今は一人で乗っている。

そんなベスパの夏。

そうだ、バイク屋さんへ行かなくっちゃ。

真夏の山下公園

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