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ベスパという300ccスクーター

納車

納車されてから乗り回してみると。

たかがスクーター、されどベスパ。
そこはスクーター、でもベスパ

あらためてそんな印象。

スペックなど数値的な観点からすると、国産のビッグスクーターほど動力性能がすごく良いわけじゃない。
でも、見た目に反して(←ここポイント)じつはバビューンと速く、エンジンもトルクの谷がなくどこまでもスムーズでシルキーに回るし、総じて国産ビッグスクーター群とはまた違った独特のフィーリングが気持ち良いベスパマジック

装備はというと、やはり国産のような便利機能は最小限というか、今や多くの国産ビッグスクーターが備えているハザードランプスイッチさえ付いてない。
小物入れは申し訳程度、シート下には収納スペースはあるがフルフェイスのヘルメットすらシート下に入りきらないから「メットインスペース」ではないというベスパワールド

デザインでいえば、近年のバイクデザインのトレンドである「サイボーグふう」「ツリ目ライト」「エヴァンゲリオン顔とかガンダム顔」とは真逆路線の、愛嬌のある丸目ヘッドライトやスチールモノコック構造のフレームが成す流麗でふくよかなボディラインを特徴とするベスパデザイン

僕が2005年からベスパ1台目として乗っていたGT200L(2005年当時は200ccがベスパの最大排気量だった) から19年経ったいまも基本デザインや車体寸法が変わっておらず、クルマでいえば同じくイタリアのFIAT500(チンクエチェント)のように息の長いデザインとなっていることは、僕的に評価したいポイントかな。

国産スクーターはモデルチェンジの都度デザインも変わり、何年か経った時に「以前のモデルってどんなデザインだっけ?」と仲間と話すこともあるけれど、ベスパは「いつ発売されてもベスパ」というところかな。

1台目の200ccから2台目の300ccへ

2005年〜乗っていたベスパGT200L

先述した1台目の「ベスパ GT200L」の車体色はアイボリーを濃くしたようなベージュの〝カメオ〟というカラーネームで、まずベスパ以外では見たことがない独特の色とシートのブラウンと相性も良いので、都内でベスパを駐輪したときに女子高生や大学生から

「この色カワイイ! なんていうスクーターですか?」

と何度か尋ねられたこともあるくらい気に入っていて、2台目を購入するときも「カメオ」もしくは「マットグレー系」の車体色で排気量も200〜250ccクラスで良いかなと思っていたのだけれど…

バイク屋さんへ行ってみると、現在ベスパの最新モデルで高速道路も走れる排気量としてカタログアップされているのはベスパGTSなら「150」と「300」しかなく(正確には排気量155ccと278cc)、僕が1台目に乗っていた200と、その後に排気量アップされた250はすでに生産されていなかった。
300は車検があるし、以前の200なら車検もなく都内や街中を走るには丁度良くて楽しかったのに150ではマインド的に不完全燃焼しそうだな、などと迷っているとバイク屋さんの店長が

「300は、200の頃よりパワーアップして速くなってますよ!」

なんていう一声に押されて300に。

しかし最新モデルの150も300も、理想としていたカメオやマットグレーのような車体色がなくて、どの車体色にしようかと迷いながら、なんとなく消去法で白(イノツェンツァホワイト)を選択することとなってしまった。

ベスパ GTS Super Sport 300

現代ベスパの一般的なイメージは、ミントグリーンやイタリアンレッド、鮮やかなイエローなど、ポップでお洒落な車体色に、メッキやシルバーなどキレイめなパーツを合わせたモデルが王道だと思うけれど、このベスパ GTS Super Sport 300は、白い車体にタイヤ・ホイールなどの足回りやモールなどの加飾を黒でブラックアウトしているため「Super Sport」という名の通りにスポーティというか精悍なベスパに仕上がっている印象。

足回りがブラックアウトされたベスパ GTS Super Sport 300

しかし「Super Sport」とはいっても、エンジン性能や足回りにスポーツ的な味付けがされているワケではないようで、オレンジのアクセントカラーが黒と併せて〝スポーティさを演出〟するという感じの「外観的な区別」なのだそう。

200から300になっても、じつはベスパに乗ることじたいが10年ぶりなものだから、どう変わっているのか体感的によくわからないというか、きっと速くなっているんだろうなというのが正直なところだけれど、200で感じていた感覚はそのまま変わらず、むしろ懐かしさが込み上げてきた分、楽しさとして増幅されてとてもハッピーな気持ちになったのである。

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