鏡の中のぼく

区民活動を一緒に運営するパートナーから、誘ってもらい、NPO法人マザーズコーチングスクールが主催する「鏡の中のぼく~動画上映会&講演会~」へ行ってきた。


実は私はマザーズコーチングの認定講師にまでなった経緯がある。今はそうじゃないのだけど、、、ここの代表の馬場啓介が、とても面白いのと、本質を突きまくったことしか言わないので、久しぶりに話を聞ける機会とも思って、行ってきた。


彼の話を聴いていて、、、思ったこと。聴く私の耳がだいぶ変わっていたことを一番感じた。彼の話を初めて聞いたのは2年前くらい。この時、「問い」を立てる事の重要さを知らなかったし、彼の言っている事の100のうち、1くらいしかあの時は分かっていなかったように思う。。。彼の下で学ぶことを私は選ばなかったのだけど、今回彼の話を聴いていて、、、強くうなずき、彼の言わんとすることを、到底彼の理解には及ばないのだけど、自分の中ではするすると音を立ててつながる自分がいた。そこに、新しいことはなかった。そして、納得しないことはほとんどなかったように思う。彼の言葉でさらにじぶんの理解は深まった。


「鏡の中のぼく」上映

ピアノの生演奏付きの、絵本の動画上映と朗読から始まった。「鏡の中のぼく」



鏡の中のぼく。もう一人のじぶん。普段私たちはじぶんとどんなコミュニケーションを取っているだろうか。コーチング的に言えば、セルフトークとも言ったりするけれど、私たちは一日に4000語、じぶんと対話しているという。それは、いつも一緒にいる家族や、職場の人間よりもはるかに多い言葉である対話。私たちは、誰かの一言に大きく感動したり、揺さぶられたりするけど、一番影響を与えているのは「じぶんの言葉」だ。


じぶんにどんな「問い」を私たちは立てているだろうか??


どうしてうまくいかなかったんだろう?どうして私っていつもこうダメなんだろう?


この問いに、私たちの脳はいつまでも答えを探そうとする。


どうやったらもっとよくなるだろう?どうやったら私はもっと幸せに過ごせるだろう?


過去に向けて原因を追究するのではなく、未来へ向けて目的を果たしていく「問い」を立てられているだろうか??


原因を追究することは、時にこれまでのじぶんの「あら探し」をするようなもの。原因を追究することは、およそ、これまでのじぶんを肯定する事にはつながらない。


「鏡の中のぼく」は、もう一人のじぶんと仲良く、手を繋いで生きていくためのお話。


お話の最後には、鏡の中に、お母さんの姿も見つける「ぼく」。この絵本の最大の「問い」である。



 「え?どうしてママがそこにいるの?」


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孤独は感染する。


絵本の動画上映の後は彼の話は「孤独」についてから始まった。色々と多くの事を話してくれたけれど、、、一番の問題は、、、多くの人が「孤独」に気付いていないということ。。。先日、私も「孤独」と「孤独感」の違いを考えていたけれど、彼は一番何を言いたかっただろうか。本当の孤独とは??誰かと繋がるとは??


そして、母親の影響についての話。子どもに孤独感を感じさせてしまう、母親の口癖とは。その口癖の止め方とは。話を聴いてもらっていると感じる話の聞き方とは??不安を減らしてくれると感じる母子のコミュニケーションとは?


「そっかぁ」

そして、最後に便利な言葉を復習させてもらった。それは「そっかぁ」である。これも彼が拾い上げた最強ワードの一つだろう。。。


3歳娘が近ごろ保育園の帰り道、「○○ちゃんがごめんね言わないの。」という。ここで「嫌だねぇ~」とか「謝って欲しいねぇ~」とか母親が返してしまった途端、「謝らない相手が間違い」ということが子どもの中で決定する。その途端、子どもは「じぶんは間違っていない。正しい。○○ちゃんが間違ってる。」と正当化し始まる。ママが答え合わせをしてくれたことになるのだ。そして、このやり取りを繰り返していると、子どもはこの○○ちゃんに対して優越感を感じるだろう。それは、誰かと比べないと、じぶんは優れていると分からない子になるということと同じだ。


馬場はここで言う。判断を下さない。その代わりに良質な「問い」を残せと。そして、判断を下さない便利な言葉としての「そっかぁ」がここに出てくるのである。


子ども「○○ちゃんがごめんね言わないの。」
母「そっかぁ・・・」


ここで留めるのである。答えを出さず、子どもの中に「問い」を残し、その答えを子ども自身に出させる。脳に「問い」を残すと、Google検索並みにその答えが出るまで答えを探すもの。自力で答えを出すようになれるのは、もっと言えば、多くは答えが出ない事に耐えられるようになるのは、答えのないこの時代を生き抜く力の一つだ。


「そっかぁ」で留めても良いけど、その後、あなたならどんな「問い」を子どもに残すだろうか??


「鏡の中のぼく」と上手にコミュニケーションをとることは、じぶんと上手にコミュニケーションをとること。その秘訣は、日ごろの母親のかける言葉の中にある。


馬場啓介の面白さと、素晴らしさは上手く伝わらなくて、申し訳ないけれど、、、ここまでにて。。。

なかなか変われない…それって自分自身のせいじゃなくて、捉え方を変えたら今から変われるもの。そんな言葉を文章で伝えたい。最後はやっぱり自分と向き合い切るかにたどり着くから、その強さを持つ人になりたい。