見出し画像

煙草

私は煙草を吸わない。生来より肺が弱い為というのもあるが、殊更吸いたいと思ったこともない。しかし、吸えた方が良かったのかなと思うこともままある。

小説を読んでいると、よく登場人物が煙草を吸うシーンが出てくる。それが好きなキャラだったりすると、喫煙の魅力に少し惹かれる。また、これもよく喫煙者の言うことだが、山頂などの空気の美味いところに行くと、煙草も美味く感じるらしい。煙草と空気の新鮮さは相反する要素であるはずなので、よく考えると不思議なことだ。ただ、煙草を吸うときにはもちろん周囲の空気も吸い込むことになるので、空気が美味ければ煙草も美味しいというのは理にかなっていることとも思う。さらにうがったことを言うなら、綺麗なものを汚しているという背徳感が快感となり、味覚に影響しているのではと思ったりもする。一仕事終えた後や、食後の一服も何事にも替え難く美味いらしい。そういう時も喫煙者が少し羨ましくなる。

煙草は吸わないが、タバコの銘柄はよく知っている。元マイルドセブンのメビウス、ラーク、セブンスター、ラッキーストライク、マルボロ、アメリカンスピリット。こういう、物の名前を知るのは好きだ。特に煙草は洒落てる名前が多く、面白い。煙草を吸い始める人も、最初は名前の格好良さから何を吸うか選ぶ人もいるのではないだろうか。もし私が煙草の銘を企画するとしたら、なんて名前を付けるだろうか考えてみた。シンプルな名前が良いので、単語一つがいい。西洋風の名前が多いように思うので、日本人に馴染みのある名前はどうだろうか。老若男女、みんなにしっくり来る名前が良い。かといって大衆受けだけを狙うのでもなく、少し癖のあるイメージも欲しい。

タモリ。タモリはどうだろうか。タモリさんは一日一枚板チョコを食べるという噂を聞いたことがあるが、果たして煙草は吸うのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?