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Bluetoothを活用してみたらリモート教育の課題が解決した話し。

おはようございます。雪の残る東京の西側です。

昨日のnoteで紹介したICTを活用した遠隔地子ども日本語教育プロジェクト(NICOプロジェクト)。もともと、【全国に10,000人いる無支援状態の子どもたち】へ、日本語教育機会を提供することを目指して立ち上げたものなのですが、私たち単独では、10,000人をカバーすることが困難。

なので、プロジェクトは「モデル」としてオンラインでリアルタイムに日本語教育を行うノウハウを積み上げ、それをほかのNPOや国際交流協会、自治体などに提供することで広げていき、最終的にはたくさんの「配信元」ができることですべての子どもたちにアウトリーチしていく予定です。

そのために、障壁になりそうなことはなるべく最初から取り除きつつ進めてきました。特に「それを始めるために、高額の予算が必要になるもの」は使わない、というのは徹底するようにしています。

【今いる人、今あるもの】をインターネットを介して子どもたちに届けるために。

「原則、内臓カメラとマイクを備えたノートパソコンまたはタブレットPC1台あれば、だれでもすぐに配信できる」ようにするために、機材以外のアナログな工夫の積み重ねで、いかに快適に、よりリアルに近い感覚で授業を行ったり、受けたりすることができるか、を試行錯誤してきました。

具体的には、ホワイトボードに板書する際に使用するマーカーの太さや色(赤はPCモニターを通すと見えない)、絵カードのサイズ、目線の位置など。細かなレベルでの微調整で、快適レベルがぐっと変わってきます。

ICT活用、とはかけ離れた地味な工夫を重ね続けてここまできて、ある程度のクオリティを出すことができるようになってきたものの、長い間、どうしても解決したとはいいがたい課題が1つ残り続けていました。

リアルとオンラインを組み合わせるときのノイズに悩む

それは、【集団授業を行っているリアルの現場の騒がしさが、オンラインで授業を受けている生徒にとって、先生の声を聴きづらくしてしまう】というもので、これは生徒も先生もオンラインのみ、という授業を、個室で行っていれば解決できるものなのですが、【リアルとオンラインを組み合わせた”ハイブリッド”な授業を行う】上では、致命的とも言える問題でした。(日本語ネイティブであれば気にならない程度のノイズも、日本語をはじめて学ぶ生徒にとっては「誰の声が一番重要な情報なのか」がわからなくなってしまう)

いくつかの集音マイクを試しては辞め、ヘッドセットと集音マイクのハイブリッド(必要に応じてPC上で切り替え)を試みては失敗し(ヘッドセットは、PCと先生がある有線のコードでつながれた状態になってしまい、大変不評でした・・・)ということを1年以上繰り返してきたのですが、つい先日、あることに気付きました。

Bluetoothよ。君のことをすっかり忘れていたよ。

「Bluetoothがあるじゃないか!」と。Bluetoothのヘッドセットなら、先生はパソコンにつながれることなく自由に授業ができるし、耳から外して「マイク」としてリアルで受講している生徒たちの声を拾わせることもできるし、教室の他の授業の声をむやみやたらに拾ってしまい、オンラインの受講生が聞き取りづらくなってしまうこともないんじゃないか。いや、たぶん、きっとそう!

・・・ということで、買ってきました。早々に。そして試してみましたが・・・

もうね、本当に、なんでもっと早く気づかなかったの!!と自分に突っ込みましたね。

おおむね、これを購入したことですべての問題が解決することができ、音声・画質共に、高クオリティの快適なリモート授業を展開することができるようになりました。テクノロジーの進歩、感謝。

以下、参考に:

【配信元】となる側が、リモート授業をするために「できれば、あったほうが良い機材」は、
・パソコン(bluetooth対応のノートパソコンがあれば、いろいろ便利)
・Webカメラ(外付けのもの。1,000円台から買えますが、180cmのホワイトボードを映し授業をするのであれば、500万画素くらいはほしい)
・Bluetoothヘッドセット(環境によりますが、ノイズキャンセル機能がついているものがあるとより便利。3,000円前後で)
・システムはハングアウトやスカイプよりは、Zoomの安定性が群を抜いていておすすめです(無料版で十分です)

これだけあれば、こんな感じの授業が可能に(リアルの集団授業にオンライン受講を組み合わせてます)。



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