【残酷な社会】人生とはブロードウェイを慇懃無礼に歩くことだ【知らんがな】
※侮蔑や差別、猥褻な表現あり。見なくていい。
条件付きでも愛されたい
愛に溢れる優しい言葉やポエミーな唄、友情溢れるフィクション作品がそんじょそこらに立ち並んでお涙頂戴するのは、猫も杓子も「条件付きの愛情」に晒されているからだと思う。
生きづらいキミはきっと見返りのない愛が欲しい人だ。
成績を伸ばしたり、
偏差値の高い大学に入ったり、
金を稼いだり、
面白いジョークを言ったり、
会社で高い地位についたり、
顔を整えたり、
スタイルを美しく見せたり、
人がうらやむ恋人を傍に置いたり、
ブランド品で身を固めたり、
いい車に乗ったり、
美味しい物を食べたり、
いい家に住んだり、
家事をこなしたり、
セックスを上手くしてみせたり。
きっと辛かったでしょう。
でも自分の価値を高くしないと、有用性の衣装を着こまないと誰にも愛されないんだから仕方ない。
だから今日も自分に与えられた条件下で、キミは有益な人間だぞと振る舞い続ける。多かれ少なかれそうするしかない。
（スヌーピーもそれっぽいこと言ってたよな。）
それが成せない馬鹿はヘロストラトスよろしく、名声を目論みて迷惑に逃げる。そして怒られたときに気づくんだ。
まだ怒られているうちは「まだ見捨てられていない」と。
さて、生んでくれと頼んでもないのに生を受け、ともに秘密基地を支えた友達は進学塾に奪われ、受験／就活／出世競争に自らも奪われ、歳を重ねても終わらない競争社会で気づいた時には身体の軋みと記憶の劣化を痛感し、老後の貯金に勤しむが若さこそが最大の資産だったと気づいた頃にはもう遅く、老化が身体を蝕み認知症となる未来から逃げられない貴方は今をどうお考えでしょうか。
私もきっと、そんな感じです。
さて、今夜はチルって明日も元気いっぱい頑張りたい貴方はさっさとブラウザバックしてください。
1.残酷な社会？
「残酷な社会だ」と騒ぎ立てる阿呆が嫌いだ。
（
たしかに稼ぐってのは通貨供給量の奪い合いでしかなくて。生きるためにに心身ぶっ壊して、なけなしの金を治療費に充てるなんてザラ。そこから貯蓄？老後？親の介護？なんだそれ無理ゲー。
経済成長と貧困解消はトレードオフで、今日を食えない奴よりはマシかって自分を慰める。自分ってこんなにクソ野郎だっけ？まぁ容姿の美醜で客観的な評価に差が出るからピグマリオン効果よろしく、受けた仕打ちで「醜い子＝悪い子」になりやすいしね。たしか生涯年収の差も容姿が絡むんだっけか、じゃあ尚更許しておくんなまし。
世間が人格を形成する。昨今の承認欲求社会では親の一声よりネットの一声が、インフルエンサーの一声が子どもの生存欲求を満たすでしょう。
子どもなんて学校＝これからも続く世界で、友達＝孤立しないためのコミュニティで、孤立＝死で、親＝唯一の生存網なんだから、有り様によっては苦しい居場所になり得るもので。
ただの小遣い稼ぎと生死をかけた売春もひっくるめて「パパ活」なんておどけた言葉でグラデーションかけるからお遊戯になっちまう。少女の家出理由なんて知ったこっちゃなくて、未成年はおつむ弱いし肌艶きれいだし股の肉は締まるしで気兼ねなく遊べて都合が良い。妊娠？知らね、捕まらないなら関係ない。
マスメディアみてりゃ例えば女は若さ可愛さ馬鹿っぽさ溢れる童顔であれば卵子が多くて子孫を残しやすいから高価値なわけで、男は稼ぐ力が高く適度な筋力があれば安定した生活力を保障できるから自分の安全と子孫繁栄には持って来いの優良物件なわけで。スペックだの偏差値だの勝ち組負け組だの、タイパもコスパも資本主義が生んだしょうもない言葉の雨あられに頬を濡らされて。
今日も液晶越しに誰彼構わず優劣つけられ値踏みされてるって気づいたときには私の背中に値札シールが貼られていて。コイツが消えてくれないどころか日々値引きされる一方で。特に女なんかはそれが顕著に表れて。女のピークはJKだから18歳までに死ぬのは賢い選択だよなって引き攣った左頬は、人に溶け込みたい一心で磨き上げた愛想笑いだ。生きづらいなんてワガママが生んだ甘え言葉で、病名無いだけマシだろ。生きやすい社会で不適合な奴が悪い。外国みたく戦争してないだけマシだろ。肌が黒くないだけマシ。人権あるだけマシ。
ほんと平和だよな。女子供って表現も使えて、障がい者もホームレスも外国人も匿名の剣でぶっ刺せるインフラが整っている。貧困家庭相手に「金ないなら子ども産むな」なんて制裁できるのは先祖がこの国のために命散らしてくれたおかげだ。おかげ様で正義が捗る。
『日本人の3分の1は日本語が読めない』って提唱する奴は、自分は3分の2の日本語が読める側の人間と信じて止まなくて。
『一流の人間力』なんて本を書く奴は自分が一流の人間だって自信に溢れてて。
「頑張ってお金を稼いで幸せをつかみましょう！」ってアドレナリン臭が、つり革を掴む手の先の広告から鼻を突く。
弱者排除の優勢思想、貧富分断の格差社会、生活保護者は税金の無駄遣いだから死ね。って高層ビルの剥離流から突き付けられた気がした。
今日もニュースで超高齢化社会なんて言うからじいちゃんばあちゃんが目の敵にされる。だから国が子ども産めっつったって自分の身体支えるので関の山なんだ。そういえば女性に教育を施すと出生率は減るって聞いたことあるな。じゃあ女は医学部に入れないよう一律減点にしよう。
男の方がオーケストラ向いてるから女の採用を無意識に減らしてやろう。セクハラ程度で騒がれたら自衛隊のメンツが立たないから隠蔽してやろう。あの東大生が女をレイプしたって？違う、勘違いさせた淫らな女が悪いんだ。全部高学歴に目を眩ませて近づいた女のせいだろ、将来国を支えうる有望な学生の未来を奪った罪は重いんだってさ。「風俗に行った」はネタになるけど「風俗で働いた」は自己責任だよな。セックスワーカーって概念で繕ってもまぁ、性欲を満たす穴と子を産む袋以外の何物でもないんだ。
多様性ってのが令和のトレンド？その許容範囲はどこだ？たとえばレズやゲイやバイやトランスやクエスチョンは守られる存在で、ロリコンやショタコン、ペドフィリアは忌み嫌われる存在か？それってマイノリティ側のマイノリティだからか？犯罪だからか？いや、理解できないからだろ。じゃあまだ同性婚認めてないこの国の理由も受け入れなきゃな。多様性ってのは他人が抱く「理解できない」って感情を、時代を味方に自分の意見を正当化する言葉でしかないんだ。でも極論だが結局ルールを決める奴が「理解できない」って思ったらそこが多様性の範囲外なんだ。法も生き物で、決める側の感情で生まれんだから。
なーにが残酷な社会だ。
お前だけがこの世の真理に気づいたみたいにイキって不貞腐れやがって。
すべて当然だろ。世の中なんにも残酷じゃねぇよ。
そこでオレら生きてんだ。
「残酷な社会だ」とかほざいてんじゃねぇよ。
）
2.そうだね、でも、いや、だからさ。
涙の数だけ強くなれるなんて詭弁だ。誰が言ったんだ。責任者を呼べ。
残酷なんて言葉で片づけてほしくないので強めに「ほざくな」と書きました。あのね、傷ついたらごめんね。
私もそうですが、このような当然があることを私たちは必ずと言っていいほど、ユニセフ募金で救われる子どもたちの顔写真のように記憶に残らない。でもこれらはちゃんと今もあって、そこに感情と心臓の通う人がいるってことは忘れたくない。
誤解しないでほしいのは「生きづらいね」なんて傷を舐め合ったり、「気にしないで生きようぜ」なんて異生物の言語で提案したり、「社会問題に目を向けろ」といったサガミオリジナルのコンドームのような薄いメッセージを書きたいわけではない。そのような有っても無くても差し支えないような毒にも薬にもならぬコミュニティガイドラインの花園から紡がれた薄っぺらい言の葉はケツ穴の処女膜にでも移植してくれ。
3.デフォルトの醜いままで
この残酷な社会とやらで生きるためには心身ともに健康でなければならないようだ。身体のほうは食事、睡眠、運動の基礎を固めてもらうとして、問題は心の持ち方だ。
あの日に越えた国境の向こう側には、桃源郷や涅槃なんて見当たらなかった。
結局バランスだよなって言い聞かせて帰国した。
どれだけ理想とかけ離れた世界でも、当然ここで生きるしかない。
テメェの眼で濁した灰色の街を。どうにか色を付けて見るしかない。
（どーせ、みんな上辺しか見えてないんだから。腹ん中は黒くてもいーんじゃね？）
腹の中のバケモンが囁いた。
ふざけるな。
抵抗する気持ちが半ば、底抜けに明るい音楽が聴きたい気持ち半ばでTikTokを開く。
「Chu! 可愛くてごめん☆彡生まれてきちゃってご★め★ん！」
画面に映るシシャモみたいなツラしたこのクソアマをぶん殴りたくなった。
4.ざまぁねぇな
突然だがここであるあるネタをひとつ。
「皆様にご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。」は全然思っていない。
この手垢どころか恥垢そのものといっても差し支えない言葉は「それっぽいツラで」「それっぽい服装で」「それっぽい声色で」言えば誰もが「反省した」人間に見えるから乱用されつつある。しかし騙されるべからず。この謝罪に値する具体的な改善アクションや社会奉仕活動が提示され実行されたことがあったか？
どうして電波に乗せて謝る姿を見せる必要があるのだろう。気掛かりで仕方なかった。
いつか私の醜さも誰かに見つかり、手足を縛りつけられ石を投げられ罵詈雑言を浴びせられ、日夜謝罪を求められる日が来るのだろうか。
（安心しろ、無名のお前がそうなる訳ない。）
人間の行動欲求なんて「自分がどう思ったか」じゃなくて「他人にどう思われたいか」しかないと冷笑気味に思った。
（そうそう、募金や寄付だって自尊心形成の餌でしかない。）
きっと謝罪なんてのもパフォーマンスなんだ。
自分と住む世界の違う調子に乗った有名人が崩れ落ちていくような失敗劇が見たいだけなんだ。世間様がそれを望んだからだ。
（でも調子に乗せたのはお前含めた世間様だろ？）
……あんなものを見る奴はみんな馬鹿だ。意味あるのか？
謝罪で金が稼げる時代だ。銭になって懐に入るならただのエンタメだ。
どうせ謝罪中にモデルを強姦する妄想したってバレやしない。謝罪に価値なんて、
（見えないものは存在しない。目に見える今が面白ければいいんだ。）
価値なんて無い。
「私」が迷惑を受けた訳ではないが、彼らは「世間」に謝る。
尊大な語気で話すから気持ち悪かった。いや、知らんがなって思う。
（嘘つき。ホントはほくそ笑んだのを知ってるぞ。）
……。
5.腹ん中の黒さ
（奴らは慇懃無礼のプロだ。あの図々しさと演技力を見習わないなんて勿体ないだろ。）
いやだ。あれじゃあ私のなりたい人間じゃない。
（知ってる癖に。図々しい奴が最後まで生きる世界なんだ。ゴキカブリみたいにさ。）
醜く生きるくらいなら若いうちに死んでやる。
（度胸無いくせに。）
う……。
（脳内は誰にも浸食されないお前だけの部屋だ。腹黒さは思考の専売特許だ。そこのドス黒さをウェルカムして、丁寧なツラして全員見下してやれ。）
……嫌な処世術。
（あと私ってさ。）
……？
（口が悪いくせに繊細で臆病だからそれを出せない。出る杭のくせに打たれ弱い。知識も能力もないくせにプライドだけは高い。言い返す勇気が無いからヘラヘラ笑って機嫌とって小狡く仲間に溶け込んで、自信に溢れた奴を叩いてるけどホントは羨ましくって仕方ない。）
……。
（嫌なことがあると小走りで帰路を駆けては玄関でうずくまって、口にしたら友達を困らせるからと一人抱えて泣く典型的な雑魚。世間を変える偉業を夢見るくせに怠け者の甘えん坊だから努力しない。最近じゃあ飲酒量も増えてカルーアのボトルが冷蔵庫で幅を利かせて、バーに足を運ぶ頻度だって）
……酒は関係ないだろタコ。
（まぁ最後まで聞け）
……。
（いつも作品の前置きに芸術家ぶって「見なくていい」なんて保険かけたり、ハッシュタグを頑なに嫌がるのはセンスの悪さを隠すためだ。目立たない言い訳を作るためだ。PVといいねの数がお前に実力がないって突き付けるのを避けるためだろ？）
……うるさい。
（ホントは誰よりも周りを気にして生きてるくせに。）
（ホントは嫌われたくないくせに。）
（ホントは目立ちたいくせに。）
……。
（ホントは毎回、死んでもいいくらいの傑作できた！って叫んでるくせに。）
…………悪い？
（悪くないけど、最近アニメ作ってないだろ。）
……あれより良いモノが今思いつかないから。
（サボんなよバカ。）
サボってねぇ！今もストーリーのストック溜めてんだ！
（はいはい、それって楽しいか？）
……うん。けどクソほど価値ないんだって気づいて、ほんとに無駄だ。
（おまっ、自由競争社会の賜物やね！）
うるっせぇ。
けど、イラナイもの作る私が悪いんだなって最近は。
（悪い？）
前まではそんなの気にしなかったのにな。
どれだけ言葉をのせても伝わる気がしなくて。
今のこの作品だって、誰にもイラナイものだから。
もっと面白くて教養があって為になって、派手で凄い人のところに集まるのは当然で、
それに比べて私の言葉に価値なんか無くて。
（私さ、自分卑下してばっかだと。）
……？
（いつかホントに死ぬぜ？）
……責任者を呼べ。
6.生きづらいキミもちゃんと世渡り上手
ある日の部活の試合前に先生に呼び出された。「貴方は自信を持ちなさい」と言われた。自信の持ち方が分からないですって謝るように笑ったら「『私はできる』を10回言いなさい」と言われた。素直に私の口が「私はできる」と言う度に目の前で指を折り曲げて、数えていることを暗に強調して見せた。もちろん何も変わらなかったけど困らせたくなかったから笑って誤魔化して喜んだふりをした。あの時どうして「先生、変わりませんでした」と言えなかったのだろう。
ある日の校内のトイレで友達が数人恋バナをしていた。個室の扉越しに声で誰か分かったけど、話題なだけに出ずらく息をひそめていると私の名前が上がって心臓が飛び出しかけた。自分が友達の中心人物になった気がして浮かれた途端、アイツはあの人とは似合わないって言った声を私の耳が拾った。その声は私と仲良くしてくれる友達の声だった。その場の笑い声もよく聞いた声だった。あの時どうして飛び出して掴みかかれなかったのだろう。
きっと流行りの転生モノで実現したってリピートするだけだ。だから今も私は腹ん中にバケモンを抱えて、大口開けて獲物を探している。過去に戻れなくても、遣る瀬無い思い出を、忘れたい記憶を消化して小馬鹿にして血肉にしているし、気に入らない事、嫌いな事、伝えたい言葉を吐き出せるようになった。
それらを燃料に焚きつけるとnoteは裕に3,000文字を超えたし、アニメは裕に10分を超えた。文字の多さや動画の長さが完成度に比例しているかと聞かれると不安だが、私を詰めこんだことには違いない。おかげで生きたように生きてるから、もしこれを世渡り上手と表現するなら今日まで生きた私は十分な世渡り上手だろう。
悩むのは弱者のすることだと言い聞かせた私は今も相変わらず悩んでいる。けどそれは生存率を高める悩みだと思えるようになった。予見可能性がないと悩めないんだ。悩むのも才能で能力なんだ。
お調子者は一直線に車を走らせて異常があってからボンネットの存在に気づく。でも私はきっと走る前にボンネットを開いてから走るだろう。それは他人と比べると何年も遅い出発だが、誰よりも何よりも、私が納得できる出発だ。
だから悩んで死んだら元も子もないんだってさ。走る前に死んでどうすんだって。バケモンがそういった気がする。
それを相談垢をしていたときに送ったことがある。送信ボタンを押す指が震えて、通知ボタンが滲んで押せなかった。でも返信は想像した侮蔑ではなく、どうやら伝わってくれたものだった。見たことない長文に私の言葉があって、初めて悩んで良かったって思えた。
私の中のバケモンは、いろんな本やフィクションや経験、私と会ってくれた人たち、私を見つけてくれた人たちのすべてが長い時間をかけて消化して、私の中で言葉になって孕んだものだ。
だから今夜は無礼に拝借して、
都合よく、失礼に、私のために使わせていただきます。
さて、冒頭の繰り返し。
生きづらいキミはきっと見返りのない愛が欲しい人だ。
でもその願いはきっと叶い辛いだろう。
だってそれは、似た傷で血を流した人が渡せないのに渡したいもので、貴方が触れないのに貴方しか受け取れない不思議なものだから。
それは同じ目標に生きるパートナーの存在だったり、似た境遇の人からだったり、一冊の本からだったり、はたまた歌詞からだったりするでしょう。
ごめん、そう思うと願い辛い訳ないわ。だってインフラが整っているんだから。
きっと今も似た切創で血を流し、似た打痕で血を滲ませながら生きる貴方へ。
もし私の作品の稚拙な言葉の一部でもお役に立つことができたのであれば、ぜひ貴方にお願いを聴いてほしいのです。
あの時の先生に向かって「変わりませんでした」と突っぱねてほしい。
あの時の友達に向かって「殺すぞクソマンコが」と掴みかかってほしい。
冗談です。
今も遠いけど近くに見える夜空はきっと貴方の為の空だから、
雷が怖くても貴方に見られるための空を、ガラス越しでいいからちょっとでも見てほしいのです。
他所のことは放り出してさ、ただ自己中に。
慇懃無礼に。
（とりま、今日はお腹いっぱい喰って夜更かししようぜ。）
（全部忘れてさ。）
あと水分補給を忘れないで、おカラダお大事に。
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