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【壱岐新報2023.12.1】インフルエンザ感染者が急増。患者数、注意報レベルに

 市内でインフルエンザ患者が急増している。市内3医療機関からの報告数を割った値の平均報告数を示す「定点当たり報告数」では、先月13~19日までの週は、同月6~12日までの週より2倍以上増加し、患者数は注意報レベルに入った。県内の感染も急激に広がり、すでに先週時点で県北や長崎市、対馬市で警報レベルを超えている。県内および本市は急激な増加傾向にあり、壱岐保健所は「師走を迎えた今月、忘年会や帰省などでさらに感染が広がる可能性がある。しっかりとした予防対策とワクチン接種を」と呼びかけている。


先週から感染の広がり、すでに県北や対馬市などは警報レベルに


 県が毎週公表しているインフルエンザなどの県内感染状況では、同月13~19日までの週のインフルエンザ定点当たりの報告数が急増してきた。

 本市では、10月30日から先月5日までのインフルエンザの定点当たり報告数は4・33人。同月6~12日までの週は8・33人と倍増。さらに同月13~19日までの週は2・2倍増加の18・33人と広がり始め、感染者数は注意報レベルに上がった。

 市内中学校1校では感染者数が増え、同月21、22の両日を休校とした。市教育委員会は「現在(先月27日時点)、市内小中学校での爆発的な広がりは見えていない」と話し、継続して感染防止を進めていくとした。

 県内全域では、同月13日から1週間の定点当たりの報告数は、前の週のおよそ1・6倍、警報レベルの「30」に迫る28・23に急増、全国で9番目、九州で2番目に多い。地区別では長崎市が38・94、県北地区が53・50、対馬市は36と、3つの地区で警報レベルを超えた。県内報告の1976人のうち、10~14歳が442人、15~19歳が169人、6歳が139人の順に多かった。

 年代別に見ると10歳未満が1015人で51・4㌫、10代が611人で30・9㌫と、10代以下が82・3㌫を占め、年齢が上がるにつれて感染者は少なくなっている。今後感染者が増え、警報レベルを超えれば2018年から2019年にかけてのシーズン以来、県では5シーズンぶりに警報が出ることになる。

 壱岐保健所は「例年を見れば、12月は帰省や宴会などで人の交流が増え、インフルエンザの患者数も増加する傾向の時期。これまで約2~3年間は、新型コロナの感染対策で、インフルエンザの流行はなく、1週間の定点当たりの報告数も1~2人ほどだった。今年はコロナが少なく、インフルエンザが増加している。この約3年間でインフルエンザの抗体が少なくなっていることが理由にある」と見解を述べた。さらに「本市の場合、福岡市との人の交流や移動が多い。本県の感染者数の推移と同様に、福岡市の推移にも注視してもらいたい」と付け加えた。

 壱岐保健所は、感染の広がりを抑えるため、外出後の手洗いや消毒、適切なマスクの着用、部屋の窓を開けての換気などの基本的な感染対策のほか、感染予防の発症や重症化に一定の予防効果があるとしてワクチン接種を呼びかけている。

 昨年まで猛威を振るった新型コロナウイルスは、本市の場合で10月30日から1週間当たりの報告数は1・33人、先月6日から1週間で3・33人、同月13日から1週間で3・33人と比較的安定し、県内全域でも同じような推移だった。

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