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【壱岐新報2024.6.21】篠原市長、へき地保育所閉所問題に関する市民団体からの要望に回答

 郷ノ浦町の柳田、志原へき地保育所の存続と十分な住民説明を求める市民団体、へき地保育所の存続を望む会(穎川加奈江、田中愛妃共同代表、以下、望む会)は先月30日、市役所郷ノ浦庁舎で篠原一生市長、いきいろ子ども未来課職員と面会し、篠原市長へ回答を求める要望書を手渡した。篠原市長は「十分に検討し回答する」とし、10日付で市の方針を示した回答を送った。


10年前の「答申に沿う」と考え変えず


 望む会は篠原市長に対して①へき地保育所閉所の見直しと存続②市民と質疑応答のある説明会の実施③子ども子育て計画の見直し-の3つを要望している。

 篠原市長の回答は、3つの要望に共通することとして「へき地保育所のあり方は、2014年の市子ども・子育て会議から受けた答申が基本」と、これまでの市の説明と同様の考えを示した。続けて「答申を尊重し方針を進め、市民にはパブリックコメントなどで広く周知した。市議会には報告と確認をその都度行い進めてきた。本市の子ども・子育て支援は喫緊の課題であり、支援事業計画と併せて市町村こども計画を策定する」と回答した。

 市の考えに望む会は「私たちの思いはどのようにしたら伝わるのだろうかと、また振り出しに戻った思い。検討の余地はなかったのか。市は令和4年度の説明会以降、すでに決まったことだとしか言わない。地域住民の生活に目を向けた利便性、子どもたちに合わせた過ごしやすい保育所環境のあり方を考えてもらいたい。思いは引き続き伝えていく」と不満をあらわにした。

 先月30日の望む会との面会で、篠原市長は「認定こども園建設中止後の2022年6月あたりからへき地保育所閉所の話が二転三転し、わかりにくくなっている。ボタンのかけ違いやずれがあった。しかし、現在の閉所についての市の方針は間違ってはいなかった」と見解を述べていた。

 一方で、望む会は「新たな認定こども園が建設されるまで、ゆるやかに状況を見て、へき地保育所を存続してもらいたい」と考えを伝えた。また、「今後の状況が明確ではない。市はこども園を作るというが、いつなのかもわからない。その状況で、子どもを預けるところがなくなる辛さがある。担当課は昨年、保護者説明会を開いたというが、その後、保護者に対して何の音沙汰もない。市全体の子育て世代に対し、急にあっちの園に移って、こっちの園に移ってと一方的な方針が平然と繰り返される。市の方針ばかりではなく、もう少し子どもや当事者の親のことを見て、将来のこととして捉えてもらいたい」と思いを伝えていた。

 望む会は現状のままでは方針の妥協点が見出せないことから、市議会6月会議で、市と市議、望む会を交えた審議の可能性に期待を寄せた。

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