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【壱岐新報2023.2.3】どうなる?認定こども園建設計画

 昨年6月議会から突如、地域住民を巻き込む問題として、未だ打開の道筋が見えない郷ノ浦町柳田地区で建設計画が進む認定こども園。社会福祉法人北串会(雲仙市)は先月30日、建設予定地の地鎮祭を行うなど、着々と建設に向けての動きを強めている。一方で同園周辺に住む、あるいは土地を所有する近隣住民は「市はおろか、北串会から何ら説明や理解を求める話がなかった。納得いかないまま工事が進められようとしている」と不満を持ち、当紙に対して建設計画に関する思いを語った。


近隣住民の理解得ないまま工事着工


 今一度、これまでの経緯を振り返る。同建設計画は昨年5月30日の議員全員協議会で各議員らに知らされ、わずか約2週間後の市議会6月会議で採決、賛成多数で可決した。その後、建設予定地に隣接する土地が土砂災害特別警戒区域だったことが発覚、交通量の多さによる事故多発地帯だったこともわかった。周辺住民は、大雨により大谷方面から流れ込む水量の影響を危惧した。

 これら問題点を公表、審議せず採決に踏み切った執行部と議会に不信感を持ったことから、昨年8月末に建設予定地に反対する市民団体「壱岐のこどもの健やかな育ちを守る会」(山内裕司、割石賢明共同代表)が発足、同年11月末までに反対署名3千筆以上を集めた。集めた署名は白川博一市長と豊坂敏文市議会議長、県議会議長に報告し、計画の見直しを訴える市民の声を伝えた。北串会の中路秀彦理事長に対しては署名簿を提出し、建設予定地の代替案を示すなどの意見を交わしたが、中路理事長は「現予定地で進める」としてこのまま建設を進める意向を示した。

 市民団体との意見交換以降、昨年12月から建設を始める予定だったが工事の動きはなかった。ところが先月29日、予定地内で地鎮祭を開く準備が始まり、30日に一部関係者が参加する中、地鎮祭が執り行われた。当紙を含めたマスコミや周辺住民への周知はないままだった。近隣住民は蚊帳の外に置かれたままの建設開始に不信を持った…。以上がこれまでの経緯だ。

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