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【壱岐新報2022.7.8】市議会定例会7月会議を開会、コロナ禍や燃料費高騰による市民負担を軽減

 市議会(豊坂敏文議長)は5日、市が7月補正予算として上程した新型コロナウイルス感染拡大の影響や、ウクライナ情勢や円安による原油価格高騰によって生じている市民生活の負担軽減などの対応事業を審議するため、7月会議を開いた。特に急激な値上がりを続けている原油価格の影響で、九州郵船(株)の燃料油価格変動調整金(バンカーサーチャージ)の高騰は、コロナ収束後の観光や市民生活の足に暗い影を落とす。市は独自対策として、運賃高騰を軽減するバンカーサーチャージにセーフティネットを設定。計1億7188万3千円の補正予算で、市民の負担分を支援する案を盛り込んだ。審議後の採決は、賛成多数で可決した。


航路運賃の高騰に支援


原油価格高騰で影響を受ける航路運賃に支援金

 市は、コロナ禍で原油価格や物価高騰の影響を受けた市民生活の負担軽減を図るための必要な支援を行うことを目的として、新型コロナウイルス感染症地方創生臨時交付金から6230万円の補正予算を上程した。高騰する航路運賃に加算されるバンカーサーチャージによる市民負担を軽減するためだ。

 市は、バンカーサーチャージについて、3ゾーンをセーフティネットに設定し、同ゾーンを超える市民の運賃負担分を支援する。支援額は、8、9月分はジェットフォイル180円、壱岐~博多フェリー110円、壱岐~唐津フェリー50円など。10月分はジェットフォイル900円、壱岐~博多フェリー550円、壱岐~唐津フェリー250円など。支援は国境離島島民割引が対象となり、期間は8月から来年3月まで。

 航路運賃の高騰は深刻で、航路航空路のあり方を協議する市航路対策協議会(白川博一会長)でも審議された。先月6日、九郵は「8月から10月までバンカーサーチャージで、フェリーは壱岐~博多880円、壱岐~唐津400円。ジェットフォイルでは壱岐~博多で1440円が運賃に追加される」と報告。しかし、同月24日、再検討のために再度協議会を開き、九郵は「国が示した燃料油価格激変緩和補助金を燃料油調整金に充当し、当初提示金額のバンカーサーチャージが半額になる」と説明した。

 報告を受けた白川会長は「航路航空路は市民生活に直結することであり、現在の燃料油価格変動調整金以上の負担を市民にお願いすることは厳しい」として、九郵に対し「島民に限った運賃設定などの対応はできないか」と意見している。

 九郵が提示するバンカーサーチャージは、基準(バンカーサーチャージ0円)から最大15ゾーン(博多~壱岐ジェットフォイルの運賃に2700円追加など)と、社会情勢による燃料油価格の高騰の幅は大きい。当初、協議会で提示のバンカーサーチャージは8ゾーン(博多~壱岐ジェットフォイルの運賃に880円追加)と運賃の負担は大きかった。一旦は国の価格激変緩和政策により、バンカーサーチャージは3ゾーン(博多~壱岐ジェットフォイルの運賃に330円追加)とされたが、今後の見通しは不明が多い。

 そのことから、市は独自施策としてバンカーサーチャージの負担軽減を図ることにした。市によるバンカーサーチャージ支援は初になる。

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