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【壱岐新報2023.7.21】「洋上風力発電」今期、国への手続き見送り

 2019年より、洋上風力発電の導入可能性エリア抽出に積極的だった本市の方針に対し、県は、市周辺海域5か所を抽出した情報提供を基にした国への今期の手続きを見送っていたことが、当紙の調べでわかった。今期の同海域での受け付けはすでに終え、これにより本市周辺海域での洋上風力発電導入の可能性は大きく後退した。県は「見送った理由がある」とし、今後も導入を進めるためには原因の解決が必要との見解を示した。


本市沖での導入可能性エリア抽出、本市側の条件そろわず


 市からの導入可能性エリアの情報提供を受け、県が国に対して進めている今年度の手続きの見送りは、現在のところ公式に発表はしていない。

 県の担当部署になる県産業労働部海洋産業創造室は「国の受け付けは、毎年2月から3月に始まり、5月上旬が締め切りになる。壱岐市の場合、今期は諸事情により見送った」と話した。見送った理由については「31日に壱岐市で検討協議会が開かれる予定なので、その場で経緯や見送った理由などを説明する」と述べた。

 国の受け付けは年度ごとに1回となり、今期はすでに締め切られている。来年度も受け付けは可能だが、県は「見送りとなった原因を壱岐市がクリアすることが必要」とし、現状のままであれば来期も見送られる可能性は高い。

 市SDGs未来課は「今期は見送られたが、国に提出すべき条件をそろえて、来期も県に提出する。海域周辺の漁業者への理解説明も継続する」という。

 当紙が独自に調べた中では、一部漁業者や組合員からの理解が得られなかったことなど、手続きに入るための条件がそろわなかったことが理由にあるようだ。

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