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【壱岐新報2024.7.19】85歳以上の部全国1位の偉業。スポーツを生きがいに、郷ノ浦町の古田早苗さん

ラージボール卓球の全国大会「第37回全国ラージボール卓球大会」が5~7日、福岡市総合体育館で行われ、郷ノ浦町の古田早苗さん(85)が85歳以上の部に初出場し、優勝を勝ち取った。スポーツを通して、人の役に立つことが生きがいと語る古田さんを取材した。


ラージボール卓球で全国制覇


 ラージボール卓球は、1988年に誕生したスポーツで、ラリーを続けやすいよう通常の卓球のルールを一部変更している。一番の特徴は、一般のピンポン球よりも4㍉ほど大きく、軽いボールを使うこと。バウンドが高く打ちやすくなるためラリーが増え、初心者でも親しみやすいという。

 古田さんは、中学生から卓球に親しみ、高校生では高体連で活躍した。本市役所を定年で勤め上げた後、60代から本格的に卓球の練習を再開。実業団選手が出場する大会で好成績をおさめるなど実績を重ねた。

 ラージボール卓球を始めたのは5年ほど前で、高齢者を主体とする「ねんりんピック」出場への声がかかったことがきっかけ。2年後には市内にラージボール卓球協会を設立し、普及活動と練習を続けた。4月末の県予選で優勝し、全国大会への切符を勝ち取った。


満身創痍の状態で初めての全国大会へ

 最高齢部門となる85歳以上の部男子シングルスの出場選手は22人。最初は1勝できればと思っていたが、各地から出場する百戦錬磨の対戦者を見ると血がたぎった。技術では太刀打ちできないかもしれないが、壱岐の自然で育ったたくましさで勝負しようと心に決めた。

 しかし、2年前に右腕の上腕二頭筋を断裂するけがを経験してからパワーの低下を自覚している。さらに今年のはじめ、右足のアキレス腱を部分断裂し、今でも通院で治療中。先月にはコロナにかかり、病み上がりでもあった。コンディションは最悪だったが、ともに大会に挑んだ仲間たちの顔を思い浮かべ、奮い立った。


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