都立病院の看護師(都庁職病院支部の大利書記長/駒込病院)が激白。レイバーネットTV(新型コロナ「医療崩壊」の瀬戸際!〜現場医師・看護師は訴える)

都庁職病院支部の大利書記長(駒込病院看護師)が激白。

「捨て駒にされているんじゃないかと多くの医療従事者が思っている」
開始から15:10~約4分間のビデオインタビューとメッセージ。
45分くらいから再びビデオインタビュー。都立病院独法化の狙いについて述べています。

文字起こししました(※メーデー行動実がしたものです。多少の誤字があるかもしれません)

《大利英昭氏ビデオインタビュー①》
●医療現場は?
コロナの患者さんをしっかり診ていくとやろうとすると、コロナの患者さんはおそらくICUになると思うので、そこに人を今まで以上に多く看護師を配置せざるを得なくなるわけですよね。そうするとそれは急きょ募集するということではなく過去働いていて今は別の病棟にいる人たちを院内中から引き抜いてICUなどに配置することになります。
そうすると当然他の病棟は人がいなくなるので診療の規模を縮小せざるを得なくなります。長期的には。
医療崩壊が起こるのは、看護師を引き抜いてICUや重症のコロナ患者さんの病床に集中させたとしても、そこを越えて患者さんがきた場合にはもう対応できないよ、という話です。
●仕事の危険性は?
懸命に、生活のために、暮らしをよくするために看護師として働いているわけですよね。生活を維持するためでしかない仕事で、命を失うかもしれない危険性がすごく高まっているわけですよね。にもかかわらず、それに対するきちんとした手当とかがされていない。急に給料を上げるとか誰も考えてはいない。それなのに、手袋がない、マスクがないとか。消毒薬がもうすぐなくなるんじゃないかとか。そういう不安をしながら働いているのは、これは捨て駒にされているんじゃないかと多くの医療従事者が思っていると思いますよ。

《大利氏からのメッセージ》(紙を司会が代読)
レイバーネットTVをご覧になっているみなさまへ。…2点お伝えして、共に声をあげてくださるようお願いします。
①医療崩壊を防ぐために、医療労働者の労働条件を改善してください。感染症患者を受け入れるには、一般診療を抑制する必要があります。そのためには一部の病院がコロナ感染者を集中的に受け入れ、その他の医療機関が通常の医療を提供するといった分担が必要になるでしょう。そしてそれぞれの医療機関に財政的支援が必要です。ウイルスとたたかう職場で、体力を消耗させる労働時間が適切に管理されていないのです。現在でも潜在看護師を生み出してきた現状では、ウイルスとの長期戦は戦えません。

②都立病院独法化を阻止して、公社病院を都立に戻してください。今回のコロナウイルス問題が明らかにしたのは、行政医療その最たるものである感染医療はまず公的病院が担わなくてはならず、民間病院はそれを補完するものだということです。これは災害医療でも同じです。
ですから、都が行政医療を責任をもって行うつもりなら、都立病院の地方独立行政法人化はあり得ませんし、公社病院は都立病院として再編すべきです。

《大利英昭氏ビデオインタビュー②》
●独法化の狙いは(45分頃から)
東京都は、「地方独立行政法人化と言っても東京都が100%出資しているし名前も都立病院のままなんだから今までと同じ医療ができる」と言ってますが、ここには大きなウソがあるわけです。
地方独立行政法人の一番の問題は、人を安く使う、労働者を安く使うところに本領があるわけです。
独立行政法人というシステムの中には人件費率を常に50%以下に抑えていこうというような運営基準が決められていて、今回のコロナウイルス感染症の時のように都民のために採算を度外視して医療活動をすればするほど病院の収益は下がってしまう。収益が下がれば、自動的に職員の人件費率50%以下を維持するために職員の処遇を下げざるを得ない。そういう問題があるわけです。
~例えば残業代の申請がしにくくなる?
しにくくなる。都立病院はいまだにタダ働きがあります、勤務時間の自己申告制をとっているので。いまでさえタダ働きの問題があってそれは労働組合的に大きな問題になっているんですけど、それがますますひどくなるだろうと思っています。

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