もくもくけむり

「どんな子どもだった??」彼女は言う
「煙草が嫌いな子どもだったよ」僕は言う

新幹線も喫煙車、ミスドもファミレスも喫煙席。たまに会うおばあちゃんが連れてってくれた喫茶店も喫煙全面可能。

2024年じゃ考えられないような、ほんの数年前の我が家の話です。

煙草が嫌いだったのは幼いながらに体を壊すって知ってたからだし、それでもいっしょに喫煙所に入っていたのは両親のことが大好きな子どもでひとりで待っておくことができなかったから。

そこから10年と少しが経ったいま、
自分はもくもくの煙に包まれている。
パッケージを隠していた子どもは、大人になって無心で煙草を求めてコンビニに駆け込んでいる。

なんで煙草吸い始めたの!
質問の本当の答えは両親がずっと吸っていてちょっと興味が出てきて吸ってみたから。

最初はなんだこれ、こんなのに500円も払ってられるかい!って思ってたけれど、なにか上手くいかないことがあったり一旦気持ちをセーブしたりリセットしたいときに吸うようになりました。

顔が老けるとか言われているけど今のところはやめることはないかな、
ごちゃごちゃしたあたまのなかを一旦綺麗にしたく、意図的にひとりになる時間を作っている(って言い訳している、いいわけ?)

異動もあれらしいです。一説によると自分なら喫煙所で現場の方とかとも交流深められるやろー的な意味が含められていて現場マンらしいです。

完全分煙な世の中、世界は真っ二つに分断されていてそれ自体は大賛成。
だけど、世の中1歩外を出れば完全禁煙にするのはどうだろうね。

吸う人に人権を!なんてことは思わない。吸わない人に害が及ばないアイデア・施策が浸透したら、死んだ目をした喫煙者たちは救われるのではないだろうか。

世界の中心でなくていい。世界の端っこでいい。煙草じゃなくてもいい。どうか一息つける場所が世の中にありますように。
ちなみに私は本当はハイチュウを食べまくってるときの方が好きな時間です。

「煙草いつになったらやめるの?」彼女は言う。
「好きな人に止められたらやめるかなー」僕は、煩わしい問いに答えながらまた百均のライターで火をつけた。


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