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ラジオ番組ディレクターが語る 変わらない“いきものがかりらしさ”

現在レギュラー放送中のラジオ番組「いきものがかり吉岡聖恵のうたいろRadio」。
前身の「いきものがかりのgarden★party」から、
番組制作を担当しているのがディレクターの石川秀史氏だ。
25年の長きにわたってラジオ番組を通して数々のアーティストと接してきた
石川秀史氏が感じる“いきものがかりらしさ”とは?

-今日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします!まずは自己紹介をした方がいいですよね。昭和45年6月生まれで、好きな色は黒で……あ、こういうのは要らないですか?(笑)


-(笑)。ラジオの仕事を始めたのはいつ頃でしたか。

26歳のときです。それまでは横浜の『FRIDAY』というライブハウスで働いていて、音楽業界って面白そうだなと思っていたんです。芸能事務所のマネージャーをやっている友人との呑みの席で、「何か仕事ない?」なんて話をしていたら、たまたま隣で呑んでいた人がJ-WAVEのミキサーをやられている方で。その人の紹介から今に至る、という感じです。各局でタレントさんやアーティストさんの番組を作らせてもらっていて、今は、藤木直人さんの番組「TOYOTA Athlete Beat」や、プロレスラーのオカダ・カズチカさんの番組「オカダ・カズチカ SUNDAY RAINMAKER」を担当しています。


-25年にわたり、ラジオ業界の第一線で活躍されているということですね。

あと実は、飲食業もずっとやっていたんです。西麻布の『レッドシューズ』というバーの統括をやりながら、ラジオの仕事もしていました。


-2011年10月~2019年7月に放送されていた「いきものがかりのgarden★party」でもディレクターを務めていたとのことですが、石川さんから見た3人の印象は?

多分、みなさんが感じている印象と同じなんじゃないかと思います。
リーダー(水野)は、人見知りですね。番組でも「人見知り族」という、人見知りならではのエピソードを募集するコーナーをやってくらい。リスナーさんからのおたよりに対して、水野くんはよく「分かる分かる~」と反応していました(笑)。
ほっちくんは自由だし、聖恵ちゃんはハイテンション。
3人ともバラバラなんですが、集まったときにはバシッとキメてくれる。それがすごいなと思ってました。コメント収録なんかも、打ち合わせなしで一発でキメてくれます。しかも秒数までぴったり。スタッフとしてはすごく助かりますね。
自分の役割をそれぞれが分かっているから、事前に打ち合わせをして割り振りをしたりしなくても大丈夫なんでしょうね。それはつまり、お互いに信頼しあっているということだと思います。「garden★party」ではリーダーが進行して、ほっちくんと聖恵ちゃんが答えるという形式が多かったんですけど、たまに「じゃあ今日は聖恵ちゃんがまわしてね」と進行役をチェンジすると、ちょっとグダグダになったりする(笑)。それも面白いですよね。

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-「garden★party」が放送されていた約8年間のなかで、特に印象深い出来事はありますか。

ラジオはスタッフの数が少ない分、距離は近くなりますよね。いつも楽しくやらせてもらっていたので、印象深いことはいろいろとあるんですけど……。今思い浮かんだのは、リーダーが食レポの練習をしていたけど、あんまり上手くならなかったことですかね(笑)。


-その8年間でメンバーは20代から30代になりましたが、3人の変化を感じる瞬間はありましたか?

そうですね。もちろんラジオパーソナリティとしてのスキルはどんどん成長していると思うんですけど、3人のやさしさや温かさといった根本的な人間性は変わっていないと思います。それに、聖恵ちゃんはまだ3回ぐらいしか誕生日を迎えてないですから(笑)。


-2月29日生まれですもんね(笑)。

僕、親戚のおじさんみたいな感覚で3人に接しているんですよ。現場で会うと本当にたわいもない話をします。3人とわちゃわちゃと話す時間が僕は大好きなんです。そういう素朴さが3人の魅力であり、リスナーにも伝わっている部分だと思います。
一方で、やっぱりすごいアーティストだなと思うときもあります。例えば、「笑顔」という楽曲の〈わかりあうことは難しいけど 分かち合うことは僕にもできる〉という歌詞を初めて聴いたときは「こんな素敵な歌詞をどうやって書いているんだろう」と感銘を受けました。それに、ライブに行かせてもらうと、次に3人と会ったときに毎回ドキドキしちゃうんです。「ヤベー! 俺、あれだけたくさんのファンの前でライブしていた人たちと喋ってんじゃん!」って。リーダーにそう伝えると、「今さら何を言ってるんですか(笑)」って笑われちゃうんですけどね。


-現在では「garden★party」の後継として、吉岡さんが単独でメインパーソナリティを務める番組「いきものがかり吉岡聖恵のうたいろRadio」が放送中。石川さんは「うたいろRadio」でもディレクターを務めているんですよね。

はい。番組のテーマは、「今現在の、等身大の、30代女性として、語りつくす30分」。ラジオ番組なんですけど、江戸切子を手掛ける山田加工所へ取材に行ったり、シュートボクシングの体験をしたり、聖恵ちゃんにはこれまでいろいろなチャレンジをしてもらいました。「うたいろCafé」というコーナーでは、大原櫻子さんや長屋晴子さん(緑黄色社会)など、聖恵ちゃんにゆかりのあるゲストを呼んで、時にはお酒を飲みながらおしゃべりしてもらっています。
あと、リスナーさんに直接電話をする「聖恵フォン」というコーナーがあるんですが、電話がかかってきた人はみんなびっくりしますよね。だいたい「え、本物ですか・・?」というような反応になるわけですが、そこに対する聖恵ちゃんの返し方がまた絶妙に偽物っぽいんですよ(笑)。だから、余計に信じてもらえなくなる(笑)。


-お茶目な吉岡さんらしいですね。メンバー3人での「garden★party」と吉岡さんお一人での「うたいろRadio」だと、番組の雰囲気もやはり変わるものですか?

そうですね。聖恵ちゃん一人だと、ツッコミ役がいないということですかね。最近では「違うんかーい!」と自分でツッコむようになりました(笑)。
逆に、3人のときと変わらないのは、リスナーさんに寄り添ってくれていること。聖恵ちゃんは、リスナーさんからのおたよりに対しても、その人の気持ちになって答えてくれるんですよ。思えば、いきものがかりの歌もそうですよね。聴く人に寄り添ってくれるやさしさがあるじゃないですか。
ただ、「恋愛研究所」(通称:レンケン)という恋愛エピソードを募集するコーナーに関しては、最近、容赦ないです(笑)。「今のままじゃダメだよ!」「早く会いに行って!」という感じでズバズバ言うことも多いんですが、それが結構リスナーからウケているんですよね。おたよりもたくさんいただいていて、反響も大きいので、今度、レンケン祭りをやろうと思ってます!


-いいですね。楽しみにしています!最後に、番組の今後の展開について、そして「親戚のおじさん」としていきものがかりに期待していることがあれば、教えていただけますか。

コロナウイルスの状況を見ながらにはなってしまいますが、聖恵ちゃんには今後も、番組を通じていろいろな体験をしてもらいたいですね。あとは、リーダーとほっちくんを呼んで「garden★party」時代のコーナーをもう一度やってみたいです!
あとは、いきものがかりのライブを早く観たいですね。僕、グッズのマフラータオルを毎回買っているので、家に何本もあるんですよ。あのタオルをブンブン回せる日がまた来ることを願っています。


【PROFILE】
ラジオディレクター
石川秀史(いしかわひでふみ)

1970年生まれ。これまでに数多くのラジオ番組制作に携わり、現在は「いきものがかり吉岡聖恵のうたいろRadio」のほか、藤木直人さんの番組「TOYOTA Athlete Beat」や、プロレスラーのオカダ・カズチカさんの番組「オカダ・カズチカ SUNDAY RAINMAKER」などを担当。明るい人柄とノリの良さで、数多くのアーティストやタレントに慕われている。


取材日  : 202012月
取材/文 : 蜂須賀ちなみ (@_8suka)
編集   : 龍輪剛
企画   : MOAI inc.​

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