マガジンのカバー画像

スタートアップ営業組織作りの教科書

39
企業向け研修サービスを提供する「アルー株式会社」の創業から東証マザーズ上場までの15年間の法人営業組織づくりについてご紹介していきます。
運営しているクリエイター

#組織作り

【保存版】スタートアップ営業組織作りの教科書(Executive summary)

アルー株式会社の池田と申します。 当社の起業・経営の経験に基づき「スタートアップ営業組織作りの教科書」と題した企業の成長ステージ毎の営業組織開発ノウハウについて連載記事を書かせていただきました。 本記事は、連載の最後のまとめとして、全体を俯瞰してスタートアップ(特にBtoB向け)の営業組織作りにおける各期のポイントを総括していきます。 より詳細に各期課題について知りたい方は個別記事をご覧いただけますと幸いです。 ①アルーの成長ステージの全体像当社は2003年10月に創業後

(2)最初期は自社ドメインと関係がなくとも、得意分野でマネタイズをする(シード期)

スタートアップ「シード期」の2つ目の記事です。 ※シード期:一般的には「アイデアがあるが起業前」または「アイデアはあるが具体的な製品サービスがない段階」を意味します。 今回の記事は、課題(2)「最初期は自社ドメインと関係がなくとも、得意分野でマネタイズをする」です。 ①「自社がやりたいこと」でのマネタイズは容易ではない株式会社エデュ・ファクトリー(アルー)は、創業をした時点では具体的な事業アイデアが固まっていませんでした。 その時点で決まっていたのは「教育関係のビジネス

(7)直販立ち上げのために法人営業のノウハウを学ぶ(アーリー期)

スタートアップ「アーリー期」の3つ目の記事です。 ※アーリー期:一般的には「事業立ち上げから、プロダクトマーケットフィットまでの軌道に載るまでの段階」を意味します。 今回の記事は、課題(7)「直販立ち上げのために法人営業のノウハウを学ぶ」です。 ①法人営業未経験の創業メンバー創業直後に取り組んだキャッシュ稼ぎのためのコンサルティングの案件受託をやめ、自社事業として「企業向け研修サービス」を立ち上げることを決めたのが2004年4月頃のことでした。 株式会社エデュ・ファクト

(14)営業部隊の成果が出るまでの期間を「なんとか乗り越える」(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の2番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(14)「営業部隊の成果が出るまでの期間を『なんとか乗り越える』」です。 ①営業部の急拡大により発生した問題幾つかの記事で書いてきましたが、アルー株式会社は2007年に一気に営業体制を拡充し、研修サービスの直販の立ち上げに取り組みましたが、その年は思うほど成果を出すことができませんでした。 創業メンバーで取締役の高橋浩

(16)営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の4番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(16)「営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要」です。 ①成長の曲がり角2010年4月、企業研修サービス業界は大きな向かい風の中にありました。 約1年半遅れで、2008年に発生したリーマンショックによる世界的不況の影響を受けることになったのです。 リーマンショックの翌年の2009年にはあ

(18)専門特化営業チームを成立させるには相当の企画が必要(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の6番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は課題(18)「専門特化営業チームを成立させるには相当の企画が必要」です。 ①市ヶ谷オフィスへの移転アルー株式会社は、2009年末に市ヶ谷に本社を移転をしました。 前々回の記事「(16)営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要」の時点で、市ヶ谷への移転をしておりました。 創業前より数えて7番目のオフ

レーター期全体像

アルー株式会社の起業・経営の経験に基づく「スタートアップ営業組織作りの教科書」の記事を連載しています。 本連載は、企業向け研修サービスを提供する当社の創業から東証マザーズ上場までの15年間を事業ステージ毎に「シード期」「アーリー期」「ミドル期」「レーター期」「プレIPO期」と5つに分け、それぞれの段階で起きた当社の出来事と、課題、それに対する対応策や私自身の学びを紹介していきます。 各事業ステージ毎の構成は、最初に「期」の全体像を解説し、次の記事から各期で起きた出来事や課

(21)インセンティブは高すぎる金額にしない(レーター期)

スタートアップ「レーター期」の2番目の記事です。 ※レーター期:一般的には「事業が安定し継続成長が実現しIPOが視野に入る段階」を意味します。 今回の記事は、課題(21)「インセンティブは高すぎる金額にしない」です。 ①インセンティブ制度の導入インセンティブは「社員の意欲・やる気を高めるための金銭・非金銭的報酬」を意味します。モチベーション向上のために多くの企業で導入されている仕組みではないでしょうか。 業績連動型報酬も広い意味ではインセンティブに含まれますが、営業組織

(26)営業企画機能を確立し、生産性向上を加速させる(レーター期)

スタートアップ「レーター期」の7番目の記事です。 ※レーター期:一般的には「事業が安定し継続成長が実現しIPOが視野に入る段階」を意味します。 今回の記事は、課題(26)「営業企画機能を確立し、生産性向上を加速させる」です。これでレーター期の記事は最後になります。 ①営業企画機能の「組織化」の必要性レーター期を通じて営業組織開発のテーマとして取り組んできたことは、 ●スーパー営業個人に依存した属人的な業績作りから、組織的な業績作り ●営業組織全体の生産性向上 ●経営陣が重

プレIPO期全体像

アルー株式会社の起業・経営の経験に基づく「スタートアップ営業組織作りの教科書」の記事を連載しています。 本連載は、企業向け研修サービスを提供する当社の創業から東証マザーズ上場までの15年間を事業ステージ毎に「シード期」「アーリー期」「ミドル期」「レイター期」「プレIPO期」と5つに分け、それぞれの段階で起きた当社の出来事と、課題、それに対する対応策や私自身の学びを紹介していきます。 各事業ステージ毎の構成は、最初に「期」の全体像を解説し、次の記事から各期で起きた出来事や課

(27)特定市場での№1を実現する (プレIPO期)

スタートアップ「プレIPO期」の最初の記事です。 ※プレIPO期:一般的には「レーター期」の後期に含まれます。私は本ステージを「IPO後の成長に向けて攻めと守りの投資を加速する段階」を定義しています。 今回の記事は、課題(27)「特定市場での№1を実現する」です。 ①九段下オフィスへの移転アルー株式会社は2016年2月に、創業前から数えて9番目のオフィスとなる「九段下オフィス」に本社を移転しました。 (神楽坂→本郷→湯島→銀座→西新橋→渋谷→市ヶ谷→有楽町→九段下) 2

(28)重点大手顧客の深掘りに向けてソリューションの幅を拡げていく(プレIPO期)

スタートアップ「プレIPO期」の2番目の記事です。 ※プレIPO期:一般的には「レーター期」の後期に含まれます。私は本ステージを「IPO後の成長に向けて攻めと守りの投資を加速する段階」を定義しています。 今回の記事は、課題(28)「重点大手顧客の深掘りに向けてソリューションの質と幅を拡げていく」です。 ①特定領域№1の実現から別領域へのサービス拡大の必要性「大手企業向けの新入社員研修№1を実現してから事業領域を拡げていく」 2013年~2014年頃のレーター期初期に、アル

(29)キャリアパスを複線化し、多様な人材が活躍する場を作る(プレIPO期)

スタートアップ「プレIPO期」の3番目の記事です。 ※プレIPO期:一般的には「レーター期」の後期に含まれます。私は本ステージを「IPO後の成長に向けて攻めと守りの投資を加速する段階」を定義しています。 今回の記事は、課題(29)「キャリアパスを複線化し、多様な人材が活躍する場を作る」です。 ①上司(マネジャー)は部下(プレイヤー)より「偉い方がよいのか?」ある大企業の部長さんとお話をしていた際のことです。 その部長さんは部下の課長さん、メンバーの方々に対して「強めの指示

(30)サーバントリーダーシップに基づく営業組織を創る(プレIPO期)

スタートアップ「プレIPO期」の4番目の記事です。 ※プレIPO期:一般的には「レーター期」の後期に含まれます。私は本ステージを「IPO後の成長に向けて攻めと守りの投資を加速する段階」を定義しています。 今回の記事は、課題(30)「サーバントリーダーシップに基づく営業組織を創る」です。 本記事がプレIPO期、最後の記事となります。また各ステージにおける個別課題の最後の記事として、私の想いを含めて発信させていただきたいと考えております。 ①現場こそが主役であるアルー株式会社