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未来は明るい。…なんて言われると、少し暗い気持ちになる

代表の池内です。

2020年が終わろうとしていますが、今年は多くの人にとって、変化に迫られた一年だったのではないでしょうか。

僕らも、マスクをつくりはじめたり、オンライン接客に挑戦したり、これまでやったことのない取り組みに幾つも挑戦しました。未知の環境を前に不安に思うこともありましたが、それぞれの社員が知恵を絞り、この状況下でやれることをやろうと懸命に取り組んでくれた結果、僕らの新しい姿が少しずつ見えてきたように思います。

他方、来年の2月で僕は72歳になりますが、生きているうちに、感染症によって社会が変わる様子を目の当たりにするとは夢にも思いませんでした

歴史を紐解くと、大きな戦争と感染症のたびに、社会が大きく変わってきたことがわかります。でも、僕は戦後まもない1949年に生まれたので、戦争を経験しておらず、戦争や感染症は教科書の出来事として縁のないものだと思ってました。

でも、今こうして目の前で、感染症が世界各国で猛威を振るっています。

年の瀬に縁起でもありませんが、来年が今年より落ち着いた一年になっているかは、誰にもわかりません。確実に言えるのは、以前とは違う社会になっていくということです。これからも起きるであろう予想不可能な様々な変化に、僕らは対応していくしかありません。その変化のスピードに対応できるか、不安に思う人も多いでしょう。

じゃあ、現在は、先の見えない「悪い時代」なのか?

僕は、そうは思いません。

先日、『イケウチな人たち。』で、歌手の加藤登紀子さんと対談させていただきました。

僕は1969年に発表した『ひとり寝の子守唄』を深夜ラジオで聴いてから、ずっと加藤さんの音楽を追いかけていて、「ビートルズは神で、加藤登紀子さんは女神」と語るほど、僕の人生に無くてはならない存在です。

せっかくお話する機会をいただいたので、これほど僕が加藤さんに惹かれる理由は何だろうと考えると、音楽性だけでなく、常に人がやらないことの先陣を切ってやってきた生き様に惹かれているのだと気づきました。

加藤さんは、日本における女性シンガーソングライターの走りだし、日本でコンセプトアルバムを作った最初の人だし、野外コンサートをやった最初の女性のアーティストです。今年も、春先から多くのライブ公演が中止や延期になるなか、他のアーティストに先駆けて、6月に1000人規模のコンサートを再開しました。

ただ、そのことを加藤さんに伝えると、「えー、そうなの」と笑われました。本人は先駆けてやっているつもりは全くなくて、「たまたま間がよかっただけよ」と言うだけです。加藤登紀子としてやるべきことをやっていたら、結果的に先駆けとなっていたという具合です。

僕なんかは、とにかく新しいもの好きで、「業界で一番最初でないと、やる意味ない」と豪語する人間です。加藤さんの振る舞いを見て、自分が少し気恥ずかしくなりました(笑)。

そんな加藤さんとの対談で、印象に残った加藤さんの言葉があります。

それは「真っ暗なほうが、光が見えやすくていい」です。

世の中のすべてがピカピカと光ってたら、自分が輝いても誰からも見つけられない。でも、真っ暗な中で輝けば、誰かが見つけてくれる。だから、今が真っ暗だと認識した途端に、頑張る力が湧いてくると加藤さんは言います。

こう考える背景には、母親からの影響もあるそうです。

加藤さんは、1943年に満州のハルビンで生まれました。終戦の年、ソ連軍が満州に攻め込んできたとき、夫は戦争へ行ったまま。守ってくれる国も部隊もなくなり、ハルビンに残された加藤さんの母親は3人の幼子を抱えて、命からがら日本に引き揚げました。

でも、そんな大きな困難に見舞われるなかで、「あなたは、本当にいい時に生まれたわね」と、母親は告げたそうです。

それは、幼い子供たちの存在が母親にとって生きる理由になっていたからです。いわば、子供たちが暗闇の中の光になっていたんですね。

言われてみれば、加藤さんは、先の見えない暗闇に手を伸ばし続けてきたかのような人生です。

商業的なアイドル歌手から逸脱し、自分の考えを歌うシンガーソングライターへなったり、学生闘争が盛んな時期に獄中結婚をしたり。でも、どんなシーンでも、加藤さんの眼には光が見えていたのでしょう。

真っ暗な時だからこそ、見えるものがある。

この先の見えない真っ暗な現在こそ、この考えを大切にすべきではないでしょうか。

先が見えないことへの焦りから、「なにか新しいことを、はじめなければ」と焦燥感に駆られることもあるかもしれません。でも、こういう時代だからこそ、大切にすべきことを改めて考え、これまで見えなかった光を見つけることができるかもしれません。

そう考えると、先の見えない現状は、決して悪い時代ではない。

むしろ、これから起こる変化にワクワクする気持ちすら、湧いてきます

加藤さんも対談の中で言っていましたが、世の中は明るい希望に満ち溢れてるなんて言われるほうが、ちょっと暗い気持ちになりそうです(笑)。

最後に、加藤さんは12月27日が誕生日で、もうすぐ77歳です。

毎年、誕生日にはほろ酔いコンサートをやっているのですが、今年はオンライン配信にも挑戦するそうです。

また、今年に入ってから、Youtubeもはじめています。

年齢を重ねても、新しいチャレンジを続ける姿を見ていると、シンプルにカッコいいと思うし、刺激を受けます。

今年の『ほろ酔いコンサート』を聴きながら、「さて、来年はどんな挑戦をしようか?」と考えてみたいと思います。


<編集協力:井手桂司>

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