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中島ナオさんの願いを未来に繫ぎたい。 “がんの治療研究”を応援する理由 #deleteC #推し研

代表の池内です。

IKEUCHI ORGANICでは、がんの治療研究を応援する『deleteC』というプロジェクトに、2019年の発足時から関わっています。

このプロジェクトは、企業や商品名の中から、Cancerの頭文字である「C」を消したオリジナル商品を企業が企画・販売し、売り上げの一部をがんの治療研究のために寄付をします。ふだんの暮らしの中で、誰もが、がんの治療研究を応援できる社会をつくろうとする取り組みです。

イケウチでは、『COTTON NOUVEAU(コットンヌーボー)』の「C」を消して、『OTTON NOUVEAU(オットンヌーボー)』というオリジナル商品をつくりました。

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このdeleteCの発起人である中島ナオさんと小国士朗さんから相談をもらった時、ぼくはすぐに参加を決めました。当時の詳しい経緯は『イケウチな人たち。』に書かれていますが、このプロジェクトを応援しない理由が見当たらないと思ったからです。

実は、IKEUCHI ORGANICは、がん当事者の方々との繋がりが昔から深い会社です。

抗がん剤治療を受けることにより、髪の毛などの体毛が抜ける副作用があることをご存知の方は多いと思います。副作用は人によって異なりますが、肌がとても敏感になることもあるそうです。

「世界でいちばん安全なタオルをつくりたい」という想いから生まれた『オーガニック120』を発売しはじめて数年たった頃に、お客様を通じて、多くのがんを患っている方々がぼくらのタオルを愛用いただいていることを知りました。

もともとタオルはお見舞いの品として選ばれることが多くあります。身体を拭く以外にも、ベッドに敷いて使うなど、入院中にタオルは何枚も必要になります。ぼくらのことを知ってくださったお客様が「安全で使い心地のいいタオルだから」と、IKEUCHI ORGANICのタオルをお見舞いの品に選んでくださっていたのです。

話を聞くと、故人が好んだタオルだからと、タオルと一緒に見送ったという話や、形見としてタオルを大切に使っているという話を知り驚きました。

タオルとは、人生に深く寄り添うことのできる存在であることを改めて感じます。

ぼくらとして、がん当事者の方々のお役に立てることは、もっとできないか?

そんなことを考えていたところに、中島ナオさんと小国士朗さんから相談をもらったので、二つ返事でdeleteCに関わることを決めたのです。

中島さんは、31歳の時に「がん」と診断され、34歳で「ステージ4」というもっとも進行している状態になりました。「がんを治せる病気にすることを諦めたくない」「がんを取り巻くイメージを変えたい」と願い、「みんなの力で、がんを治せる病気にしたいする」と小国士朗さん、長井陽子さんの3人で立ち上げたのがdeleteCです。

彼女はQOLデザイナーとして、髪があってもなくてもファッションを楽しめる『N HEAD WEAR』など、どんな時でも、その時の自分に寄り添ってくれるものをデザインしてきました。

そんな中島さんから、deleteCをきっかけに、「病気に苦しむ方が、身に付けたくなる、お守りのようなタオルを一緒につくりませんか」と提案されました。

それが『今に治るタオル』という企画です。

それまで、「今治(いまばり)」という言葉の語呂を変えると「今(いま)に治る(なおる)」になることに、ぼくは全く気がつきませんでした。「これは縁起がいいと思いましたし、ぼくらの願いがまさに表現されていると感じました。今治タオルが快気祝いやお見舞いに選ばれている理由のひとつとして、数年前から言われていたようです。

そうして、『今に治るタオル』を商標登録し、その収益を寄付しようとデザイン案などをやりとりし、実現に向けて動いている矢先。2021年の春に、中島ナオさんはお亡くなりになりました。

彼女は「自分が生きた証を残したい」と、私に語ってくれました。

自分の命がどれだけ続くかわからないなかで、ひとつでも多くの希望を届けたいという願いが、その言葉に込められていたように思います。deleteCも『今に治るタオル』も、彼女が生きた証です。活動が続く限り、彼女は生き続けると、ぼくは信じています。

中島さんが旅立った後も、小国士朗さんをはじめ、deleteCのメンバーが彼女の想いを繋ぎ、活動を発展させていっています。

今年からは「推し研!」という取り組みが新たにはじまりました。アイドルを「推す」かのように、がんの治療研究をされている研究者の方々を「推す」というもので、研究者の方々の取り組みを世の中に紹介したり、その取り組みを支援できる取り組みです。

「推し研!」のアクションの一つとして、現在、クラウドファンディングを行っています。これまでdeleteCが応援してきたおふたりの研究者を対象に、それぞれの研究活動を支援するための資金を募ることを目的としていて、ぼくらも全面的に協力しています。

リターンとして贈られる品として、『OTTON NOUVEAU』に加えて、現在deleteCの公式アンバサダーをしているアーティストのAIさんとのコラボタオルの企画も行います。deleteCの活動を通じて、AIさんと中島さんも親交があったそうで、このコラボタオルでは、彼女の願いが込められている『今に治るタオル』をコンセプトに盛り込む予定です。

現在、日本では毎年100万人以上が新たに「がん」になり、その数は生まれてくる子どもの数より多く、生涯 2人に1人は「がん」にかかり、3人に1人が命を落とすと言われています。ぼくの周りを見ても、がんを経験している人は多く、その中には社員も含まれます。もはや、がんの当事者でない人のほうが少ない時代でしょう。

ただ、「不治の病」と言われていた昔に比べると、日々研究は進歩し続け、治せる病気になる日が訪れる可能性は格段に高まってきています。医療技術の進化には頭が下がる思いです。がんの治療研究を進めている研究者の方々の努力の賜物だと思います。

この流れを加速させ、1日でも早く、がんを治せる病気にしていきたい。

中島ナオさんから託された想いを胸に、彼女とともに進めてきたdeleteCと『今に治るタオル』を未来に繋いでいくため、ぼくらもできる限りのことをこれからもやっていきたいと考えています。

この記事を読んで、ぼくらの活動に少しでも共感してくれた方は、クラウドファンディングのご支援を検討いただけると幸いです。


<編集協力:井手桂司>

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世界でいちばん安全なタオルをつくりたいという想いから、1999年に誕生したIKEUCHI ORGANIC初となるオーガニックタオル『オーガニック120』。その歩みを振り返った内容になります。

●『ストーリーを売る』への僕の違和感

つくったモノ自体や、モノづくりに向き合う姿勢、モノを届けていく姿が、結果的に「ストーリー」になっていくという、IKEUCHI ORGANICのモノづくりへの姿勢が書かれた内容になっています。

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