イケウチから独立し、故郷を盛り上げる。 愛媛県大洲市で古民家ストア『OZU+』をはじめた山鬼育子さん
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イケウチから独立し、故郷を盛り上げる。 愛媛県大洲市で古民家ストア『OZU+』をはじめた山鬼育子さん

愛媛県の南西部に位置する大洲(おおず)市

まちを横断するように流れる肱川(ひじかわ)と、そのほとりにそびえたつ大洲城を中心とした風情のある城下町が広がっています。近年では、古い街並みを大切に残しつつ、古民家を活用したプロジェクトが次々と打ち立てられ、日本の古い街並みを求める海外観光客から注目を集めています。

2021年8月9日。ここ大洲で、IKEUCHI ORGANICのタオルを販売するストア『OZU+(オオズプラス)』がオープンしました。

立ち上げたのは、元イケウチ社員の山鬼育子さん

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山鬼さんは、生まれも育ちも大洲

海外とつながりを持ちながら働くことに憧れを抱き、大学卒業後は秘境海外ツアーを企画する東京の旅行会社に勤務。その後は「大好きだったから」という理由でトルコで1年間暮らし、帰国後は東京での海外ホテルのセールス経験を経て、2013年秋にIKEUCHI ORGANIC(当時、池内タオル)に入社しました。

イケウチ入社後は、IKEUCHI ORGANICを世界に広める役割を担うインターナショナルリレーションズマネージャーとして、海外営業を担当。山鬼さんの活躍のおかげで、イケウチのタオルはアジア各国をはじめ、アメリカ、カナダ、オーストラリアでも支持され、最近ではヨーロッパの市場も少しずつ増えています。

そんな山鬼さんがイケウチを退職し、故郷の大洲であらたな挑戦をはじめました。

15年以上空き家だった古民家を改修してオープンした『OZU+』では、イケウチの商品の販売のほか、大洲産原材料を使用したサスティナブルな商品の開発・販売を行い、大洲の魅力を世界へ発信していきます

イケウチの人から、イケウチな人たちへとなった山鬼さん。新しい挑戦を決意した経緯や、『OZU+』の展望について、山鬼さんに話を聞いてみました。

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大洲から、大洲の魅力を世界に発信する

ーー オープン、おめでとうございます。『OZU+』の入る建物ですが、ずいぶんと歴史を感じますね。

山鬼さん:
ありがとうございます。大洲は、江戸時代には伊予大洲藩6万石の城下町として栄えたまちで、江戸・明治・大正に建てられた古民家、町家が点在しています。現在、その貴重な歴史的資源を保全しながら、宿泊施設やレストラン、ショップとして活用するまちづくりプロジェクトが進んでいます。

この建物は、15年以上古民家だった空き家を改修したもので、2階は古民家宿『NIPPONIA HOTEL大洲城下町』、1階を『OZU+』が使用しています。

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ーー 『OZU+』では、IKEUCHI ORGANICの商品に加えて、大洲のものを使った商品も扱っているんですよね。

山鬼さん:
はい。タオルやタオルケットなどのイケウチの商品にプラスして、『OZU+』オリジナルの大洲の魅力を伝えるオリジナル商品を企画・開発し、販売していきます。

例えば、大洲は「ひのき」が有名なので、大洲で育ったひのきを使った家具や、伝統工芸である「大洲和紙」を使用したポストカードなどを販売しています。

山鬼さん:
また、お店では、大洲オリジナルブレンドのコーヒーも販売します。テイクアウトのみの提供ですが、コーヒーを飲みながら街歩きを楽しんでいただけたらと考えています。

ちなみに、これらのオリジナル商品は、わたしがイケウチで働いていた際に知り合うことのできた愛媛の企業のみなさんの協力があってこそのものです。素敵な方々ばかりで、ものづくりにこだわりがあり、環境やオーガニックへの関心も高く、何かご一緒できたらと思っていましたが、こういう形で実現できるとは思いませんでした。

オリジナル商品は『OZU+』の店舗で販売するだけでなく、これまでの海外営業経験を活かして、海外をはじめ様々なところにセールスしていく予定です。大洲の魅力を少しでも世界中の人に届けていきたいです。


大洲のまちづくりプロジェクトに可能性を感じて

ーー 故郷の大洲で『OZU+』を立ち上げたわけですが、山鬼さんがあたらしい挑戦に踏み出した背景を聞かせてもらえますか?

山鬼さん:
わたし自身、生まれ育った愛媛や、故郷である大洲が大好きで、「いつかは大洲で働きたい」と10年くらい前から思っていました。また、海外に関わる仕事をしてきた自分の経験を活かして、「故郷に貢献したい」とも考えていました。ただ、条件を満たした求人を大洲で見つけることができなかったんですね。

では、愛媛に範囲を広げてみたらどうだろうと、「愛媛県 海外進出企業」と検索すると、IKEUCHI ORGANIC(当時、池内タオル)が出てきました。Webサイトを見てみると、ものづくりや環境配慮への強いこだわりが書かれていて、海外にも積極的に進出している。「こんな会社が愛媛にあったんだ」と驚き、すぐに採用に応募しました。

イケウチでは海外営業の担当として、東京のオフィスで働き、海外からの受注から出荷までの作業を中心に、海外での展示会への出展やセールス、海外のクライアント向けのニュースレター作成、英語のSNS投稿など、海外にイケウチのタオルを広めるための活動をしてきました。

そして、去年の春。わたしにとって大きなターニングポイントとなる出会いがありました。それが、大洲城の木造天守に宿泊できる『大洲城キャッスルステイ』です。

山鬼さん:
故郷の大洲で、おもしろい取り組みがはじまったことに驚き、「キャッスルステイで、イケウチのタオルを使ってほしい」と思いました。それで、帰省の際に、この事業を運営している方々に訪問させていただいたのですが、イケウチのことを気に入ってくださり、その後、今治にまで工場を見に来てくださりました。

現在、大洲城キャッスルステイではイケウチのタオルを使用いただいているのですが、キャッスルステイと関わるなかで、大洲のまちづくりプロジェクトの存在を知りました。お城や古民家などの大洲の良さを残しながら、宿泊施設・ストア・カフェなどとして再生し活用するもので、キャッスルステイもプロジェクトのひとつです。

このプロジェクトのおかげで、「知る人ぞ知る、昔ながらの日本の街並みが残る場所」として、大洲は外国からも観光客が訪れるまちへと変貌を遂げていました。わたしは、このプロジェクトに可能性を感じ、自分も深く関わっていきたいと考えるようになったんです。

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(▲)大洲神社の鳥居

山鬼さん:
そんななか、大洲のまちづくりプロジェクトにおいて、古民家を利用した宿泊施設のなかに、イケウチの商品を扱うストアをつくりたいという話が立ち上がり、その責任者に名乗りをあげさせてもらいました。

ーー なるほど。故郷の大洲に貢献するチャンスがようやく巡ってきたわけですね。

山鬼さん:
そうなんです。ただ、せっかく大洲でストアをやるのであれば、イケウチの商品だけでなく、大洲の魅力が伝わる商品も扱いたいと思いました。

そのためには、IKEUCHI ORGANICのブランドに縛られず、ブランドを超えて大洲に密着し、地元の職人さんや企業とつながって動くことが必要と思いました。そう考えた時に、イケウチから独立して、事業を営んでいくべきだと思ったんです。

わたしの構想を、大洲のまちづくりプロジェクトの方々やIKEUCHI ORGANICの池内代表に伝えたところ、ありがたいことに応援してくれることになりました。そうして誕生したのが『OZU+』です。


故郷の人たちと一緒に未来をつくっていく。

ーー これから新しい挑戦がはじまりますが、『OZU+』の展望を聞かせてもらえますか?

山鬼さん:
わたしがイケウチ時代に教わった考え方に、価値観が近い人たちと一緒になって、未来をつくっていくというものがあります。

わたしにとって、ストアを自分で運営することも、ゼロから商品を企画開発することもはじめてなので、不安に思うところもあります。ただ、ありがたいことに、大洲のまちづくりプロジェクトの方々や、イケウチで働くなかで知り合えた様々な愛媛の企業の方々がまわりにいます。そういった方々と一緒になって、大洲の未来をつくっていけたらと考えています。

また、池内代表も大洲を応援してくれるとおっしゃってくれていて、イケウチと大洲オリジナル商品の開発などもやっていけたらと考えています。退職しても、こうして関係が継続していけるのは幸せなことだと思います。

ストア運営と並行して、『OZU+』で扱う大洲や愛媛の素晴らしいものを、イケウチ時代の海外営業の経験を活かし、積極的に海外にセールスしていこうと考えています。大洲や愛媛に足を運びたいと思う海外からのお客様を一人でも多く増やしたいですね。

ーー 最後に、このnoteを読んでくださっているイケウチのお客様にメッセージをお願いします。

山鬼さん:
愛媛にお越しいただく際には、是非、大洲に足を運んでください!

古い街並みが残っていて、きっと気に入っていただける方も多いのではないかと思います。大洲のことや『OZU+』の情報はInstagramで発信していくので、よかったらフォローしていただけると嬉しいです。

ーー ありがとうございました!『OZU+』のこれからを楽しみにしています!

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<編集協力:井手桂司>

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嬉しすぎます!ありがとうございます!
「我々がつくっているのはタオルではなく、物語である」というのは代表・池内の言葉です。語れる物と書いて物語。今治でオーガニック100%のタオルを中心に語れる物づくりを志ざすIKEUCHIスタッフの"今"をお届けします。Web→https://www.ikeuchi.org