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人生とは、一艘の笹舟である。

人生は、一艘の笹舟だなぁと思ったりします。

田舎育ちのぼくは、幼い頃はよく山の中の公園に連れていってもらいました。山の中にある公園といえば、決まって小川があるもので、ぼくはよく妹と笹舟を流して競争をしていました。

笹舟が分からない人のために説明しておくと(説明するほどのことでもないが)、笹の葉一枚をちょっと切ったり穴を開けたりしてちょっとしたボートを作るものです。

これが一見単純なようでいて、奥の深い遊びだったりします。

笹舟競争を制するコツは3つ。

一つ目は、笹の選び方。これは、丈夫な笹を選ぶのは大前提なわけですが、かと言って頑なすぎるのもどうかという話になってきます。

葉が硬すぎると反発が強いので、結んだ葉と葉が途中で解けてしまうわけです。

自分の気持ちに正直すぎると、いつか自分を保てなくなってしまいます。

コツの二つ目は、左右均等に作ること。バランスを考えずに作ると、必ずと言っていいほど、スタート時点でバランスを崩します。

何事もバランス感覚。どこに重心を置けば自分が転ばないで前に進めるのか。これは仕事とプライベートのバランスもそうだし、友人と恋人、収入と支出。何事においてもバランスをとることです。

コツの3つ目がこれまた重要で、川の流れを読むこと。一つ目と二つ目までは内的要因、3つ目は自分の周りの環境 外的要因です。

この流れを読み間違えると、どれだけ完璧な笹舟も狸小路に追いやられ、あれよあれよと言う間に前に進めなくなります。

この流れに乗れば自分の目標にたどり着けるのか、はたまた今この流れに乗るべきではないのか。自分自身を整えたら、じっくりとタイミングを待ちます。

やはり人生とは、一艘の笹舟のようです。

夏目漱石先生の『草枕』の冒頭にはこんな一節がありました。

知に働けば角が立つ、情に棹させば流される

人間の情というのは絶えず流れています。それには勢いの強いときもあれば弱いときもある。ただ、大事なのは情の流れに強い力で棹をさすのではなく、一艘の笹舟のようにぷかりぷかりと流れに乗ることだと思います。

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