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【帰国日記】空き店舗にガチャガチャ

4年ぶりの帰国で街が様変わりしキョロキョロ。

まるで過去からタイムスリップして来たようで、

いろんなことに驚きます。


一番のショックは、駅前デパートのテナントがいくつも撤退し、

何もない状態で区切りだけが残っていたこと。

空き店舗の方が多いのではないかと思うほど、

ガランとしていて、虚しく感じます。



そこに、キノコのように群生きているのが、

ガチャガチャ

このほか、商店街の空き店舗がごっそり、

ガチャガチャ店になっていたのにも衝撃を覚えました。

これまでガチャガチャは、店舗の一角や

通路の一部にあるものとして認識していました。

ちなみに、イタリアにもガチャガチャは存在していますが、

大人が夢中になることはなく、子どものおもちゃなので、

まだ一角に少しあるくらい。

しかも、それらは何年も内容が変わっておらず、

もうただの箱と化しているように見受けられます。

日本は、大人向けのものが多く、収集させようと

売り手も買い手も躍起になっています。


それが今では、店舗の隅から隅までみっちり

余すことなく並んでいることに驚きを隠せません。

天井のライトが、中へと誘導している


これが雑貨屋だったら、これだけの小物を捌ききれない。

置いていれば盗まれる可能性も高まるだろうし、

監視するのも一苦労。

客側も選びきれないかも知れません。

それが、カプセルに梱包され、何が出てくるか分からない。

いや、お目当てのものが出てくると想う一心で挑んでいる。

違うものが出たら "次こそは" と念を込める。

そしてまた、別物が出ては "これもいい" なんて

自分を納得させて、また小銭を投入。

分かっていても、なぜが繰り返してしまいます。


お金を入れて捻ってもらうと出てくるというシステムは、

電気を要せずに販売できる最高の手動販売機。

店員を常駐させなくても、監視カメラと

たまの補充や管理でまかなえるから人件費は大幅カット。

また、補充する人の年齢・性別・国籍を問わなければ、

誰にでも働ける職場と言えます。

こんな楽チンな儲け話、良いことしかないでしょう。


それを「商店街唯一のガチャガチャスポット!」や、

「最大級の売り場!」「新機種投入!」なんて謳えば

見てみようとつい覗いてしまいます。

店員がいない分、気兼ねなく楽しめるのも

無人スポットの良い点ですね。


青空駐車場

4年前、私の両親は実家の土地を売りに出しました。

築70年近い家の耐震補強ができておらず、

いつ壊れてもおかしくない状況と判断。

そこに新たに家を建てるより、マンションで

小ぢんまりと暮らしたいと生活拠点を変えました。

この時、売りに出した時は、半分売れました。

残った半分をどうするかと考えていた時に、

不動産屋から「青空駐車場」にして、副収入にするのは

いかがですか?と提案されました。

ちょうど、マンションの家賃くらいになるので、

ちょうど良いのではと考えていたようです。

街中にあり、学校もオフィスもあるので需要ありそう

と思ったのですが、その後にアレが来ました。

そう、新型コロナウイルスです。

全てがオンラインに切り替わり、外出が減り、

街とは言え、人が一気に減りました。

私は、恐ろしくて両親に駐車場の話はできませんでした。

アスファルトを敷き、機械を設置し維持費だけで

もう赤になっているのではと思っていたのです。

しかし、実際はと言うと…


契約していませんでした!


話がうますぎるので、結局様子を見ることにしたようです。

用心深い親でよかった。

その後、この土地は半分買った人が、

自身のお姉さんの将来のために土地だけを購入しました。

他人が来るより、自分たち用に確保したようです。

その後、両親はマンションを買いました。


さて、空き店舗のガチャガチャは今後どうなっていくのか。

これが店主にとって、市民にとって、また商店街として

良い結果になるのだろうか…。

10年後、20年後の想像がまだできません。

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